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仙台近郊1987年
かつての東北本線筋の普通列車といえば、上野から青森まで客車列車の独擅場でした。しかし、全国的に展開されるシティ電車化の波は、東北新幹線とともにやってきます。
これまで細々と活躍していた
417系に加え、昼夜行の特急電車を追われた
583系を格下げ改造した
715系が新塗装で登場。追って、東北新幹線上野開業で急行電車仕業から完全撤退した
455系や
451系が、一部近郊型改造を受けて戦列に加わります。同時に新幹線とイメージを統一したグリーンライナーと通称される地域カラーへの統一が始まりました。
新旧取り混ぜて、様々な形式、様々なカラーが楽しめる民営化前後の仙台近郊を訪ねたときの記録です。
撮影:名取(1987.3.25)
455系混色6連
東北本線筋の急行列車としての長年の活躍も、東北新幹線上野開業とともに幕を下ろすことになった455系。仙台近郊という閉ざされた環境に専用使用されることから、順次グリーンライナー色への塗り替えが進められます。
先頭車は直流電車からの改造車クハ455-405。よく見えませんが4両目は元グリーン車のクハ455-600番台。
582M。
455系6連
撮影:館腰−岩沼(1987.10.4)
455系は新塗装化が進みます。6両で完全グリーンライナーと言う編成も増えていました。
582M
451系12連
撮影:南仙台−名取(1987.3.25)
かつての急行列車を彷彿させる旧塗色の9両編成。もちろんグリーン車はなく、3両編成×3本と言う編成ですが、朝夕を中心に姿を見せてくれました。
常磐線では、まだしばらく451系主力の運用が続きます。東北線筋の455系に対し、常磐線筋の451系は旧塗装のままです。
240M。
撮影:南仙台−名取(1987.3.25)
717系+451系
常磐線に使用されていた急行型451系は、車体を2扉の近郊型に更新されて717系に生まれ変わりつつありました。
新しい717系はグリーンライナー塗装で、古い451系は急行色そのままで混用されていました。
正直言って、顔つきや屋根上などがタネ車と変わらない717系に対しては、中途半端すぎて車体新造した意味があるのかどうか疑問を感じざるを得ませんでした。
243M
715系混色4連
撮影:東仙台−岩切(1987.10.4)
寝台特急として東北本線全線で昼夜活躍していた583系は、東北新幹線開業によりその職を奪われ、近郊型に改造されました。
この715系1000番台からグリーンライナー塗装が生まれたわけですが、当初は黄色味が濃いクリームを地色としていました。他系列にも本格採用するに当たり白っぽい地色に変更され、順次塗り替えられていました。
特急時代の風格ある先頭車にはあまりにも物悲しい4両編成。
528M
715系8連
撮影:有壁−清水原(1987.3.25)
715系の8両編成。手前4両がクリーム色、後4両が白い色です。
先頭車は元中間車に運転台を取り付けた切妻車。このスタイルを初めて見たときは何かの冗談かと思いましたが、もうすっかり当たり前の顔つきになっています。
542M、クハ715-1101ほか
生粋の仙台っ子417系
撮影:館腰−岩沼(1987.10.4)
唯一ローズ1色の交直両用カラーを堅持する417系。思えば10年前に、仙台近郊専用に新製配置されたときは、全国画一様式を貫いていた国鉄には珍しい画期的な車両だと思ったものでした。
しかし、後になって思えば、交流区間しか走らないのに交直両用で、地方都市といえどもそれなりに混雑するのに客車の延長上の2扉車、という具合に国鉄的発想が随所に見られます。
1449M
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