日野RV(1979年)
日野の観光バスの標準的モデルRVのカタログです。この時期、スケルトンバスが既に登場していますが、そちらは上級車種として、こちらは標準的な車種として、引き続き販売されています。ちょうど昭和54年排ガス規制に対応し、マイナーチェンジを行ったところです。
八ヶ岳高原ヒュッテ(長野県)
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カタログ表紙
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画像:日野自動車カタログ(1979)
カタログの表紙写真は、とんがった屋根のあるロッジ風の建物の敷地内と思われます。建物の周りには木が植えられ、手前の芝生の周りには赤い花が植えられています。
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画像:日野自動車カタログ(1979)
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撮影:南牧村(2020.8.8)
メインとなる車両写真の所で、建物が全容を現します。
YS様によると、この建物は八ヶ岳高原の海ノ口自然郷のシンボルでもある八ヶ岳高原ヒュッテだそうです。現在宿泊施設としての営業はしていません。
イギリス中世のチューダー様式の建築で、元公爵徳川義親氏(尾張徳川家19代当主)の邸宅。東京目白にあったものを1968年にこの地に移築したとのこと。設計は上野東京帝室博物館(現東京国立博物館)や日比谷第一生命館、銀座和光などを手掛けた渡辺仁氏です。
ちょうど私が着いたところで、自然郷巡回バスのトヨタコースターが来るというのは、いいタイミングでした。
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画像:日野自動車カタログ(1979)
八ヶ岳高原ヒュッテのロータリーからバスが出発してゆきます。
YS様によると、後ろに見える山は御座山(おぐらやま)だとのこと。このように山が綺麗に見えることは、そうあることではありません。
八ヶ岳高原ロッジ(長野県)
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画像:日野自動車カタログ(1979)
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撮影:南牧村(2020.8.8)
裏表紙の写真は、先ほどの八ヶ岳高原ヒュッテのとんがり屋根を森の向こうに望む場所。
こちらは若干標高が下がった場所で、瓦屋根の建物があります。
YS様によると、こちらは八ヶ岳高原ヒュッテの閉鎖の代わりに開業した八ヶ岳高原ロッジだとのことです。
宿泊目的の方やレストラン、カフェが目的の方、それぞれのバカンスを楽しみに来ていました。
カタログの撮影場所は、上段にあるレストラン用駐車場のようですが、木が茂ってしまい、このような写真は撮れそうもありません。そこで、ロッジの正面に回り、今度は時刻表を確認して、自然郷巡回バスが来るのをわざわざ待って撮りました。
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画像:日野自動車カタログ(1979)
セミデッカーが、高原のその地へ向かうため、起伏のある道路を走ってゆきます。
この道路は、野辺山地区から八ヶ岳高原ロッジ方面へのアクセス道路で、綺麗に整備されていますが、別荘地内の私有地のようです。
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撮影:YS様(南牧村 2019.5.31)
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撮影:YS様(南牧村 2020.3.6)
カタログ写真の撮影から40年以上を経て、両側の木がかなり成長していますが、甲武信ヶ岳を背景に望む景勝地であることは変わりません。
YS様には、何回も聖地巡礼をチャレンジしていただきました。
新緑が萌えるカタログ写真と似ている時期には、青色の日野セレガが下って行きました。
木々の葉が落ちて、青空が広く見える時期には、野辺山駅からの送迎バスが登ってくるところをキャッチしていただきました。
森の音楽堂(長野県)
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撮影:YS様(南牧村 2020.3.6)
しかし、結局よく分からないのが、表紙の撮影場所です。
とんがった屋根が森の音楽堂によく似ているのですが、細部は異なります。
森の音楽堂は、八ヶ岳高原ヒュッテのすぐ裏手にあり、コンサートなどが行われています。
高原へいらっしゃい
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実はYS様からもう1枚写真を頂きました。
八ヶ岳高原ヒュッテを背景にしたセピア色の写真です。
1976年夏の撮影だというこの写真、当時TBSで放映されていた田宮次郎主演の「高原へいらっしゃい」の舞台を見に、家族で訪れた時のものだそうです。
もう半世紀近く前に、この地に「聖地巡礼」していたYS様に脱帽です。
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