バスカタログ聖地巡礼

三菱ローザ(1966年)


三菱ローザは、三菱の乗用車チャネルから販売されていたマイクロバスで、全長7mサイズの大きめの車体が特徴でした。ベンツを範としたその丸みのある外形から、”だるまローザ”と通称されます。
このカタログは、長尺車、出力強化車が登場した時に作られたもののようです。


カタログ表紙
三菱ローザ

画像:三菱自動車カタログ(1966)

駒沢オリンピック公園(東京都)
地図へ
三菱ローザ

画像:三菱自動車カタログ(1966)

臙脂色のカタログカラーは、長尺29人乗りのB21D
赤い服を着た大人や子供が、両手両足を広げてポーズをとり、階段の上には自転車に乗った人も二人います。バスに近いところで腕を組んでポーズをとる薄ピンクの人だけはちょっと違う空気を醸し出しています。監督でしょうか。

三菱ローザ

撮影:世田谷区(2019.4.6)

ちょうど東京オリンピック開催の頃のカタログなので、関連するスタジアムだろうと思って画像検索していたら、世田谷区にある駒沢公園であることが分かりました。
ここは1940年に予定されていた東京オリンピックの会場になる予定でしたが、大戦の影響で開催されず、1964年の東京オリンピックのサブ会場として、サッカーやバレーボール会場となったそうです。
中央に見えるのは、オリンピック記念塔です。

場所不詳
三菱ローザ

画像:三菱自動車カタログ(1966)

青色のカタログカラーは、短尺25人乗りのB22D
黒っぽいスーツ姿の男女がスーツケースを持ったり、にこやかに書類を確認したりと、モーレツ会社員を演じています。
1960年代の標準的オフィスビルです。

三菱ローザ

画像:三菱自動車カタログ(1966)

「見たまえ。東京オリンピックの効果で、日本のGDPは急成長を遂げるというデータが出ている」
「部長。GDPって何ですか?」
「国内総生産のことだ。オリンピックのおかげでインフラも整備されて、日本人の暮らしはどんどん豊かになるぞ」
「インフラって何ですか?」

登場人物の今
三菱ローザ

撮影:長野県(2018.4.14)

カタログに掲載されているものと同じ、臙脂系のカラーの長尺車の廃車体です。
1964年の東京オリンピックから50年以上を経て、2020年の東京オリンピックが開催されようとしている今、往時の姿を残して静かにたたずんでいます。

バスカタログ聖地巡礼
ページ上部へ戻る
メニュー

80s岩手県のバス“その頃”