五家原岳(ごはからだけ)・中岳(なかだけ)
 1人で登る  2005.3.20

黒木から見た五家原岳
場所 長崎県大村市
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断面図,概念図はここをクリック
標高 五家原岳 1057m
中岳    1000m
歩く標高差 .累積970m 歩行距離 約10Km
所要時間 大人
約4時間
八丁林道駐車場〜20分〜五家原岳登山口〜40分〜林道出合〜20分〜横峰越〜30分〜五家原岳山頂〜25分〜中岳〜30分〜西野越〜40分〜八丁登山口〜15分〜八丁林道駐車場
駐車場 黒木駐車場,八丁林道駐車場に駐車可能。
データ  3月に入ってやたら忙しい。その上家族もインフルエンザなどなどで,今日やっと3月1回目の山となる。

 この時期,マンサクを見るために経ヶ岳方面も考えたのだが,
朝,駐車場に着いて,急に五家原岳に登りたくなった。単独としてはやってはいけいなと思いつつも,急遽コース変更。誰もいないであろう道を登ることとする。

 五家原岳に登ったのは,一昨年。
 結石で入院し,山を2ヶ月離れた後,登ったときだ。季節は9月,とても暑かった。蛇はにょろにょろ,背後でスズメバチのホバリング。なんか暑くてきつかった思い出だ。今回は春。きっと気持ちよい道に違いない。

 
舗装路を歩き,五家原岳登山口へ。今日は水の流れがとても元気よい。ごうごうとした音を聞きながら進む。途中の橋に通行禁止の札。川のちょっと上流側に行くと,わたれる場所がある。とっ,そこで思いがけなく,6人ほどのグループの方が登っておられた。決して誰にも会わないだろうと思っていたので,何だかうれしくなる。大きな岩場のところで,ゆずっていただき先に行くことにする。

 横峰越までは,自然林を歩き,多良山系独特の石ごろごろを歩き,粘土質の小道を歩き,変化に富んだ気持ちよい道が続く。いくつかの峠を越えると,横峰越に到着する。

 
横峰越までは山歩きといった感じ。ここからの30分ほどに傾斜がきつくなった道を進む。しかし,途中経ヶ岳が見えたり,五家原岳頂上が見えたり,自然林の道かと思えば,岩場を登り,楽しい道が続く。

 
そして,テレビ塔が立つ頂上へ。ここまで車で上がってこれるので,いつもは数台駐車している。五家原岳にいたる道はとても魅力的なのだが,この頂上の姿で敬遠されがちである。階段を上がり,大きな展望広場に着く。

 たった一人の頂上。水筒の水を飲み,おにぎりを1個食べ,写真を撮ったそのとき・・・・・

 
カランカラン!カランカラン! 

 
鉄塔がすごい音で鳴り出した。んっ!風か?と一瞬思ったが,そんな勢いの音ではない。
 
そして,地面が揺れだした。かなりの横揺れ,

「地震だ!」


 
山の上だからだろうか,揺れは激しく,立っていられなかった。地面に手を着き,身を低くする。長い,まだ揺れている。このまま揺れ続けると,鉄塔が倒れるか,この広場が倒壊するか・・・・

 
そして,揺れはおさまった。しばし冷静に考える。
 まず,家は大丈夫か。電話は通じない。頂上から大村方面を眺める。煙が上がったりなどの様子は見られない。
 次に,後から来ていたグループが心配になった。ちょうど今頃は岩場のあたりを通過していたのではないか。今日は駐車場も車が多かった。多良山系に登っていた人たちは大丈夫だろうか。しばし,頂上で後から来るグループを待つ。ほどなくして,笑顔で上がって来られた。何事もなかったようだ。

 しかし,家は大丈夫だろうか。何度か電話するうちに,「ただ今,電話が大変混み合っています。」のアナウンスから,「ただ今,災害発生のため電話がかかりにくくなっています。」のアナウンスに変わる。これだけの揺れだということは,震源は県内だろうと思い,急いで下山することにした。

 余震も怖かったが,降りるしかない。中岳から西野越までは,アップダウンがある心地良い道。今日はゆっくり浸る余裕はないが。

 下山後,震源は福岡だったと知る。かなりの被害が出ていて驚いた。山にいた者としては,同じように山に登っていた方々は大丈夫だったかなと心配な日であった。

 この地震の最中,危ない場所にいた自分だが,しっかりした山頂を持つ五家原岳にいたこと,グループの方がいなかったら,きっともっとゆっくり歩いて岩場のあたりで揺れが来たかもしれなかったことなど,ありがたい偶然もあり,無事なことに感謝を覚えた。


 
 
経ヶ岳の山容を見ながら,黒木の里を後にする。
 
 
黒木の渓谷は美しい。しばらく行くと,通行禁止の橋。
少し上流側に行くと渡れる場所がある。

 
 
川の水達が元気よい。ごうごうとした音を横に聞きながら沢沿いの道を行く。
 
 
 
林道に出た後,小さな滝の横でまた登山道に入る。
 
 
変化のある道といくつかの峠を越えて
 
 
横峰越に到着する
なんとも落ち着くクロスロードだ。
 
 
横峰越から,山頂までは,
自然林と心地よい道とちょっとした岩場を繰り返しながら進んでいく。
 
 
 
 そして,テレビ塔が待つ山頂へ。
 
 
 山頂広場に着く。ザックを置いてしばし休憩。
 
 
 左側,下に見えるは黒木の里。あそこから登ってきた。正面手前が今から行く中岳。そしてその奥は,経ヶ岳。
右側には,多良岳が見える。

いい眺めだなあと思ったその時,
地面が揺れだした。

テレビ塔はカンカンと警鐘のように鳴り響く。
 揺れの中で,撮らなくちゃととっさに撮った一枚。
写真撮ったって何もわからん。
人間パニックになると,わけのわからんことをしてしまう。

 
 
急いで下山する。
尾根道は余震があると大変なので,慎重に素早く。

 
 
いくつかのアップダウンの後,西野越に着く。
 
 
西野越の直下,オオキツネノカミソリの葉も元気だった。
 
マウスをのせると7月の様子になります。

あれこれと山の余韻に浸るまもなく帰路を急いだ。
下界の揺れはたいしたことはなかったらしい。
ただ,子どもを留守番させていて,妻が帰ってすぐの地震だった。
子どもだけだと心配なものだ。

よし,やっぱ,山に連れ出そう。

 
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