仙丈ケ岳 山スキー(未踏) 藪沢ルート・小屋泊まり

 4月頭、今年のGWは、特に連絡も受けていないし、久しぶりに単独で百名山でも行くかなどと、ぼんやりと考えていたら、I井さんより、お誘いのメールあり。昨年の月山がある意味楽しかったので、今年もGW行くのも悪くないと、後半は空いていることの返事。仙丈ケ岳、鳥海山、双六方面などが候補地とされ、一旦、仙丈ケ岳に決まったものの、直前になって雪が少ないとの情報が入り、北アルプス(針の木、乗鞍、鑓温泉)などが別候補地として検討されるが、大滝までは残雪があるとの情報もあり、仙丈ヶ岳の藪沢ルート、小屋泊まりで、決定となりました。

5月3−4日(前夜発、翌朝帰り)
L:Y田さん、メンバー:I井さん、自分

5月2日(木) 20時半 府中本町駅集合、国立府中IC−(中央道)−伊那IC−戸台パーク

今回の山行の大まかな位置図 今回の山行のさらに大まかな位置図

5月3日(憲法記念日)
天気:快晴
【コースタイム】8:05 戸台パーク(バス)−8:40/8:55 歌宿−10:50 大平山荘−11:10/12:05 こもれび山荘(北沢峠)−13:40/14:00 藪沢大滝上(標高2300m)−15:35 こもれび山荘(北沢峠)

7:08 戸台パーク 駐車場

 「今回は小屋泊まりだから、小さいザックで良いか、林道歩きはあるものの、バッグで運べばよいだろう」などと、安易に考えていたら、他の皆さん、大きいザックでスキー靴もザックの中に入れるという、確かにそうだ。ザックの中にスキー靴を入れられないか、やっても入らない。仕方なしに、スキー靴をスリングで結び、スリングを首からぶら下げる形で対処。
 初めての南アルプス山スキー、暑いだろうから、ショートパンツを持ってきたり、ウエア(下)の代わりに雨具(下)を持ってきたりもしたが、2日の夜暑くなかったので、ショートパンツも雨具(下)も車の中に置いていった。戸台の駐車場は標高1020m。

 8:01 戸台パーク バス停  

 バスの中で、スキーは、自分らのみ、他は登山者と昆虫採集の方一名。満員御礼。

8:46 歌宿 バス停

 ザックの中に入らなかったので、クトーとシャベルを、ザックに外付け。そうなると通常のように、左右両脇にスキー板をつけることはできない。そうだ、このザックは背側に取り付けられたのだ、ということで背側に取り付けることはできたものの、縦でなく斜めに背に取り付けるのだと思うが、それが微妙にうまくいかず縦に取り付けたら歩けるものの、歩く際にいちいち取り付けた板にかかとが当たった、反省。

9:25


9:54

 期待したくなる雪。

10:11


10:51 大平山荘


11:06 こもれび山荘が見えてきた 11:08 こもれび山荘

 山荘に到着した時点で、もう11時なので、この日は「スキーを使わず、空身で登山道を進み、翌日の下見、行ける所まで」です。自分とI井さんは、運動靴。Y田さんは、ローカットの登山靴。運動靴では、雪のある場所では心もとないので、スキー靴とアイゼンを持参して、翌日のコースの下見です。

12:08 空身で出発
I井さんからいただいた写真(以下I)
 ありがとうございます。


12:41 双子山の見晴らしが良好

 双子山の見晴らしが良い地点を過ぎた辺りから、傾斜が急になり、標高2250m、13時20分辺りで、トラバースになりました。トラバースしたあたりから、点々とルート上に雪が出てきました。

13:40 藪沢大滝上(標高2300m)
 ここまで来て引き返しました

 Y田さんが先行するも、ここの通過は、運動靴の自分はちょっと微妙。せっかくスキー靴とアイゼン持ってきたので、使わずにケガするくらいなら、ここでスキー靴に履き替えたい。スキー靴に履き替えていると、上からそれぞれ2名の単独行者さんに会う。一人の方は、スキー板をここにデポし、明日も登る予定だという。自分らも、そうすれば良かった。二人から、上の状況など聞けたので、ここで引き返すことになりました。スキー靴はせっかく履いたので、「双子山の見晴らしが良好」な地点まで履いて、その位置から運動靴に戻りました。

3日のトラックログ
A→B→C→→B→D→B→A
A:歌宿(バス停)、B:大平山荘、C:北沢峠(こもれび山荘)、D:藪沢大滝上(標高2700m)

 本日の宿であるこもれび山荘は、満員盛況で、スキー用具は乾燥室に保管させていただきました。1階と2階があり、1階は食堂、トイレ、カプセルホテル状の寝室、2階は一人一人の寝場所が衝立で区切られた大部屋。夕食は、美味しかったか等、何を食べたか、忘れてしまった、良い意味でも悪い意味でも特に記憶なし。朝食は、バイキングと聞いていたけど、ご飯がお替り可能なだけで特にバイキングではなかった(別に問題なし)。
 寝具につきまして、念のため、シュラフカバーを持って行ったが、湿気等問題なく、シュラフカバーは使いませんでした。20時頃寝に入り、すぐ寝入ってしまい、明け方の1時頃からは、ずっとうとうとだったと記憶しています。山小屋ではよくあるイビキ、過密による問題等は、特にありませんでした。

5月4日(みどりの日)
天気:晴れ

【コースタイム】 5:20 こもれび山荘(北沢峠)−5:45 大平山荘(荷物デポ)−7:30頃/8:00頃 藪沢大滝上−11:00/11:30 標高2770m付近(引き返した仙丈小屋直下)−12:00 藪沢大滝上−14:20頃/14:40頃 大平山荘−15:50頃 歌宿バス停
16:15 歌宿バス停−16:45 戸台パーク(バス停)、近くの温泉に行き、入浴。高速道が混むことが予想されるので、戸台パークで時間をつぶし、翌朝の出発となりました。

         

 5:21 こもれび山荘出発  

 スキー靴をザックに入れると、パッキングが難しい。そうだ、「大平山荘までの道は短いし、登山道なので、パッキングせずに手で持って行こう。」と思い、全部、ザックの中に入れることをあきらめた。パッキングに時間がかかってしまい、すみません。

5:44 大平山荘からの眺め 北アルプス南部の山が遠方に

5:48 大平山荘を出発(I)

 自分、携帯を2台持っていて、1台は山用、もう一台は街用としています。ところが、山でも街用のほうにかかってきてしまうことが多々あり、今回は携帯を2台とも持っていきました。今まで使っていたGPSが経年劣化で使えなくなり、今後のこともあり、3日は街用、4日は山用の携帯でGPSを作動してみた。山用の携帯につきまして、山行前日、時間もなくGPSアプリをダウンロードすることは成功したが、トラックを記録する設定にするのを忘れていて、山中で作動させると、いきなり「あと0日の利用」の表示。とりあえず、GPSの利用はできたが、ログは記録に残らなかった。出発した時は、山用携帯がナビ音声案内の設定になっていて、一々音声案内、最初の休憩の際、無事、解除できて良かった。
 街用携帯のバッテリーは、特に工夫せず使っていたら、1日でなくなった。その後、モバイルバッテリーモバイルバッテリーで充電したら、使えるようになったが、今後の課題です。山用携帯のバッテリ―は2日目も使えたが、2日目終了時の状況を記録したメモが(家に帰って確認したら)意味不明だった。

7:02 階段を過ぎるまで、急な登り


7:16 

 昨日、引き返した藪沢大滝上に到着し、ここからは雪の割合の方が多くなるので、スキー靴に履き替え、念のためアイゼンも装着。出発と思いきや、リーダーのアイゼンにトラブル、軽量化のため間近で購入したアイゼンがパッキングで詰めた結果、片方のアイゼンの接合部分が外れてしまったとの事。しばし悪戦苦闘の末、I井さんのペンチを用い、無事修理完了。結果論ですが、ここの通過に特にアイゼンは必要なかったと思う。

8:07 スキー靴・アイゼンで
Y田さんからいただいた写真(以下Y)
ありがとうございます。


8:09


 
 8:12 (Y)  (Y)

 藪沢に乗るまで、雪の薄い所でズボットといかないか不安でしたが、実際行ってみたら危険な箇所はなく、少し上がって安定したところでスキー板を装着しました。

8:44 藪沢


8:58 2320m二俣?
 地形図上ではパッとしないが、現場ではわかりやすい支沢

 行動中は、雨具(上)は、暑かったので、脱いでいることが多かったです。

9:07 甲斐駒


 9:36 2550m付近、ここからなだらかに  


10:02 標高2700m付近


10:20 あの斜面を登る?

 山頂から滑ってきた単独行テレマーカーさんから、自分の靴を見て、「そんなふにゃふにゃの靴でよく滑れますね」みたいなことを言われる。忘れていた、里山テレマークさんからも指摘されず、ふにゃふにゃ靴の件、そういえばそうだ。来シーズンまでに答えを出したい。現時点では、T4をあきらめたくはないし、とはいえ、ふにゃふにゃの靴というのも事実だと思うし、もう1足購入して、通常はT4で、シビアな滑りを要求されるときは、もう1足の靴で対応したい。

 「ふにゃふにゃの靴」といえば、今回仙丈ヶ岳、bcクロカンで行った方が楽しめたのでは?とも思った。後悔はしていないのですが、板と靴が軽ければその分、行動範囲も広がるし…、でもその分急斜面は登れないか、絶対的な正解はないでしょうが…

 滑ってきた単独行テレマーカーさん
(Y)
 (Y)

 10:41 お二人はツボ足で  (Y)

 下から見たら、自分にとって「ここ登れるの?」でしたので、先頭を行っていただいた、I井さんに感謝。途中まで何とか登れたものの、10:41の写真地点の手前で自分のスキー板がスリップ。このままでは登れそうにないので、お二人はツボ足で板を引きずる形で登り、自分はクトーがすぐ出せるところにあり、ツボ足で登るよりはクトーで登ったほうが良いと思ったので、リーダーに了解を得て、クトーで登りました。この時リーダーは優しかった。
 途中から、自分のみ、少し右側のルートを登る。傾斜が急だったので、びくびくでしたが、問題なく登れました。

11:00 標高2770m付近
仙丈小屋が見えました
中央アルプスの山々(西側)

 登る前からバスの時間もあるので、引き返す時間を決めていた。雪のある斜面をスキー板で登り、クトーを使うような斜面を登り、山頂が大きく見える地点まで来たので、ここで引き返します。来ただけのことはしたと思う。

11:08 甲斐駒、左奥は八ヶ岳(北東側)


左:中央アルプス
中央左、北アルプス南部(乗鞍岳周辺)が遠くに(北西〜北側の風景)
この後?

 上の写真の後だったか? Y田さんが、片方のスキー板を流しそうになった。板が動いたところで自分が気づき、声をかけたものの、片方の板はフォールラインの向きになっていて流れてしまい、Y田さんは動けず、さらに下にいたI井さんが無事停めた。これは、ヒヤリハットだと思います。

11:32 未踏は残念だが、仕方がない


11:35 滑る自分(Y)
再度、ありがとうございます。
(Y)

 前日、降雪があったようで、パッチワークのように新雪の部分がありました。この辺りは、(木の枝等)雪も汚れがなく、滑るのに悪い雪ではありませんでした。

滑るI井さん(Y)

 (Y)  (Y)


11:39 藪沢(I)

11:43 滑る自分(Y) (Y)

 ターン後半で、踏み込むことを意識したら、それまであったような足の入れ替えが間に合わないことはなかった。それでも、後傾になってしまう自分はいた。

11:46 (Y)

 自分も一枚くらいは滑っている写真を撮ろう、などと思い、1回先行したものの、止まるところでバランスを崩し、じたばたしているうちに他の方はもう滑り降りていた。

I井さんからいただいた動画
ありがとうございます。
 46秒


11:50 (Y)
この時点ではまだ足がそろっているのか
ここではさすがに前後差がついている
(Y)
(Y) 

 最後の2400m辺りからは、雪の上に小石や枝があって、滑り出した2770m辺りのようには滑れなかった。それでも雪はつながっていて、南アルプスでも、ある所には雪はあるのでした。
 山頂は行けませんでしたが、南アルプスの山スキーを体験できたと思います。ありがとうございます。

 12:02 藪沢大滝上
 登山道に戻る
 (Y)

 登山道に戻り、スキー板を外して、シートラです。

 13時頃だったか、登山道で自分が足を滑らせた際、ザックにつけていたクトーが、左腕に当たった。出血等はなかったものの、しばらくは痛くてのろのろ歩きになってしまった。クトーをザックにくくりつけることは悪くはないが転んだ時、危険なので、左右側でなく、背側につけるようにしたい。その他、途中から、スリングをつけてあまり揺られないようにできたが、つけた当初は動くたびにカラカラなってうるさくてしかたなかった。

これは登り時の写真ですが
(クトーを、その後左側に付け替えた?)
いろんなものをザックにくくりつけすぎたか
(Y)


14:34 大平山荘でデポ回収、荷物の整理

 デポしておいた荷物を回収し、再度、林道歩きです。

15:09 帰りの林道沿いにタラノキが

 ほぼ取りつくされていましたが、上のほうにはまだ残っていました。

15:16 雪解け


15:21 あの山かっこいいなと思った


15:37 鋸岳

 視力の良い人は、山頂付近の穴のようなものが見えるとか

15:54 歌宿のバス停、バス待ち(I)


16:15

 無事、バスに間に合いました。

4日のルート・イメージ図
C→→B→D→E→D→B→A
A:歌宿(バス停)、B:大平山荘、C:北沢峠(こもれび山荘)、D:登山道を外れる、E:引き返した地点


 帰ってきて、あれ、ココヘリがない。ザックの脇につけておいたのですが、いろいろつけたりして、外れてしまったのだと思います。何かとあったほうが良いので、再申請。後程、新しいココヘリが届きました。


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