新しくビーコンを購入した、ARVAのNEO、およびビーコンの周波数についてのレポートです。
ARVAのNEOは、受信距離が広い、トリプルアンテナビーコンが欲しかったので、これだと思い購入しました。
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広告より 「最も受信距離が長くなるカップリングでの受信距離は56m。 現行のデジタル3アンテナ機種の中では最高値ではないもののトップクラス。 最も受信距離が短くなるカップリングでの受信距離は約40m。」 |
ARVAのNEO(右が本体、左はケース) |
2014年雪山救助訓練のビーコン練習の時間になって、「さあて、どの程度の受信距離から捕らえられるか」でした。何かがおかしいです。最初は、「急いで進みすぎたため計算に時間がかかっているだけなのか」とも思いましたが、たまに思い出したかのように電波を受信したかと思うと、すぐに表示が消えてしまいます。埋められていたビーコンが古いビーコン(オルトボックスm2)であり、前日、昨年の救助訓練を復習していたら、Y口さんが「古いアナログビーコンとの相性〜」について書いていたので、取り急ぎ、原因はそれではないかと思う。
二つの班に分かれて、ビーコン捜索練習です。先ほどは、埋められたビーコンは1台でしたが今度は2台です。ところが、1台(PIEPS 457)は確実に反応するものの、もう一台(オルトボックスm2)が、ほとんど反応しません。他の人は、問題なく受信しているのに、なぜに自分だけ。
念のため、自分のビーコンで他のすべての方のビーコンを受信できるかチェック、
トラッカー3名、マムート(エレメントバリフォックス)3名、マムート(OPTO3000)1名、オルトボックスF1フォーカス1名
問題なく、受信できました。
救助訓練から帰宅後、何度も、購入したショップに向かったが、こちらも最初から、受信ビーコン(ARVAのNEO)と発信ビーコン(オルトボックスm2)の両方を提出していれば良かった。発信ビーコンは、自分のモノではないので、いろいろと制約があるのですが
ショップとのやりとりを通じてわかったことは ビーコンの周波数について ビーコンの周波数は1986年に457KHzで国際規格を採用した。さらに1997年に 457KHzで±100Hzの範囲内に送信しなければならないことが決まり、さらに 2001年には、許容範囲は±80Hzと、さらに狭められた。現在、ビーコンがその機能を最大限に発揮するためには最大±30Hzの範囲内にあるべきと言われている。店内にあるビーコンを計測すると、ほぼ10〜20Hzの範囲だったとのことです。 オルトボックスm2のように、10年ぐらい経っているビーコンは、半導体の劣化により457KHzのチューニングがずれることがある。2001年からしばらくの間は、±80Hzという範囲が浸透していないこともあり、ビーコンを作る会社でも周波数の範囲を多めにとっていた。しかし、最近になると、さすがに±80Hzという範囲が浸透し、±80Hzの範囲外で周波数を多くとるよりも、面積の点で範囲を多くとる機種が出てきた。 古いアナログセラミック振動子を使用したビーコンは2001年の基準に則っていないものがある。特に、温度が下がると周波数の範囲が悪化する。ジャケット内側の暖かいビーコンは、457KHzの近くで送信できるけども、それが冷えたとき、±80の範囲を超えてしまうことがある。 今回の現象 問題のあったビーコン(以降、旧ビーコン)、交換として新品のビーコンを(以降新ビーコン)を用意。訓練に使ったオルトボックスm2を発信モードにし、新ビーコンと旧ビーコンを受信モードにしたところ、旧ビーコンはやっぱり、思い出したかのようにしか、たまに受信できず、新ビーコンはたまに途切れることはあるものの、ほぼストレスなく、受信できました。 PiepsのDSPプロ(および黄色Pieps DSPバージョン3.1で始まるPiepsソフトウエア)には、他のビーコンの周波数を測定する機能を持っている。 方法:捜索モード時にオプションボタンを押す(あくまで簡易的なもので計測は10Hz単位)。 問題のオルトボックスm2の周波数計測の結果(右写真) 気温20度:50Hz基準よりずれている 気温5度:70Hz基準よりずれている となり、気温5度で問題の±80に近いものの、基準はクリアーしている。 まとめ 今回、発信ビーコンであるオルトボックスm2は、気温5度において、70Hzと、基準はクリアーしているので、問題があったのは受信ビーコンであるARVA NEO(旧ビーコン)でしたが、最大限に発揮するための範囲±30Hzには届いておらず、使用は控えることが望ましい。 |
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翌日も、2台の内、1台は難なく捕らえられたものの、もう一台(オルトボックスm2)が、思い出したかのようにしか出てこない。
救助訓練で、欠点を見つけられるというのはある意味では幸せなこと。これが、実際の救助現場とかでなったら、本当にどうしようもない。自分のビーコンの特性を知る、救助訓練はそういう場でもある。
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