ベロソレックス風のプレスフレームを持った自転車製作の最終回です。ぽつぽつ作っていくと、いつかは終わってしまいます。このテーマは終了しますが、最初に想定したイメージは「遠くから見るとベロソレックスのように見えるが、近くから見ると普通の自転車なのが良く判る」でしたが、こんな状態に仕上がっているでしょうか?
勉強してきたプレス工法ですから、なにか他のモノも作ってみたいです。イノチェンティの自転車オートバイ(風の自転車)、あるいはプレス成形の自転車、、、もう一度製作にチャレンジしてみるつもりです。ちょっと時間をもらって。
製作品の説明
バスケット部 まわりをゴムのモールで取りまわしてみましたが、もう少し合わせをしっかりさせたいところです。こういうところの仕上げで完成度が大きく違ってきますね。1色での塗装では大きく見えてしまいますので、2トーン色での塗分けにしてみました。
ステップ部 樹脂製のプレートを実車と同じく取り付けています。ゴムのような軟質の成型品で作ればもっと良くなりますが、、、
キャリヤ、テール部 外枠プレートをクロームメッキにして組み立てています。なかなかいい感じです。テールライトは樹脂プレートに反射マークを貼付けたものにしました。ナンバープレートは前回のモデルのままです。また、実車ではキャリヤ後端にプラスチックのキャップ状の成型品が付きますが、ここの処理はまだやっていません。
1品モノの製作品ですから、あんまり考えないでそのまま作ってしまえばいいのですが、作る以上は生産性やコストなどの条件も満足させたいと思っています。そんなことを考えるのも勉強ですからね。
サドル部 FRPベースにウレタンチップを貼付けて、表面にアイボリー色の革を貼って仕上げました。サドルは何度か作っていますが、やっぱりナマモノはむずかしいです。下側に付いているモノは小物入れです。実物はなかなか複雑な構造(こんなに凝らなくてもイイんじゃないかな)ですが、こちらはカンタンにネジ止めにしました。
全体の写真
気になった部分と感想
メインパイプをわざわざ作っている点。 市販のパイプがなかったのかもしれませんね。板を丸めてパイプを作ることによって全体の柔らかい、優しいイメージが出来ているように思います。そこまで考えてデザインされているかもしれません。今回ラットエンジニアリングで製作したモノは角パイプを使いましたが、ちょっとカタイ感じがします。
最初に気付いたところの大ギアカバー部のカット形状。 クランク軸中心とカバーのセンターをずらすことで動きや軽快感を表現しているんじゃないかと思っています。こんなところに設計者、デザイナーの心意気を感じます。
プレスで成形した部材をボルトで組み立てている点。 とにかくフレームの部材までバラバラになるのがいいなぁ。組み立てとか運搬の方法などが大きく変わってしまうところに魅力を感じます。このイラストは先輩にいただいたもので、ベロソレックスの特長が良くわかりますね。とにかくバラバラ。
自転車ってほんとにむずかしい。
次回は10月8日までに更新します。テーマはとりあえず考え中、検討中です。やりかけテーマもいくつかあったような、、、
おまけの話し こちらの自転車オートバイはイタルジェット社のティファニーです。薦められて購入したモノですが、「自転車とバイクをそれぞれ買わなくてもコレ1台ですべてOK」なんて考えて(バカだなあ)、12~13年前に発売された時から持っています。ベロソレックスよりも見た目は自転車に近いです。普通のヒトはオートバイとは思わないようですね。
優雅な車名と外観からは想像できない野蛮な音と振動で、気分転換には最高の乗り物です。つまり仕事や買い物に使うことはなく、まったく無目的に乗るだけです。ついでに書いてしまうと、ラットエンジニアリングでの車種分類はあくまで「自転車」なので乗車時のヘルメットの着用は、、、なるべくスカッとさわやかに行きたいものです。
こんな話しですがわかってもらえますか?