自転車製作の新しいテーマ、自転車オートバイのベロソレックスです。今回のモノづくりはちょっと変わったプレスフレームの製作。
ベロソレックスには以前、乗ったことはあるのですが、フロントエンジンで前輪を直接駆動していますから、振動が激しくて実用品としてはキビシイ感じがしたのを覚えています。また、エンジン駆動をしない場合は自転車として走行できますが、どちらにしてもキビシイです。でも最近はどんな商品でもスマートで洗練されていますから、たまに乗るにはこんな野蛮な乗り物もいいと思うんですね。
ベロソレックスは何度かモデルチェンジがされています。最初はまったくのパイプフレームで、だんだんプレス部分が増えてきて最終的にこのカタチになったようです。どちらかと言うと、最初のタイプの方が優美な感じがして好みです。
今回のテーマのポイントのフレームですが、鉄板をプレス加工してそれぞれの部材を製作して、その部材を溶接とボルト止めで接合していることが特徴です。プレス加工で大量に生産するにはすごく生産性が良さそうです。このようなまったく形式の違うフレームを作ってみることで、ベロソレックスが持っている本質が少しでも理解できればと思っています。
ベースとなる自転車は20インチの自転車です。新品ですがもらいモノです。20インチのタイヤとサスペンション用のコイルバネを持ったこの自転車を見ていて今回の企画を思い付きました。いつもひとクセあるモノばっかりなんですが。
ここまで進めてみました
1)トレーシング紙に原寸サイズでスケッチ図。これは現物から寸法をとって作図しています。今はこのスケッチから製作図面を書いている状態です。このスケッチ図をベースに製作していくことになりますが、寸法変更も少しすることになると思います。
2)ここでプレス曲げの実験もしてみました。おおまかな寸法で曲げ加工をやってみました。たぶん簡易的な金型も作っていくことになると思います。ボルト頭を沈めるためのエンボス加工もやってみました。けっこう加工できそうです。しかし、部分的には部材を溶接での張り合わせも必要かもしれません。また製作手順によって作業性と精度が変わりそうですね。
スケッチ図面を書いていて気付いたのですが、クランク軸まわりのギアカバー部の曲線カットはクランク軸と中心がずらしてデザインされています。ここの形状は車種により違いがあるようですが、なんでこのようになったのでしょうか? 意図的にずらすことで視覚的な意味を持たせたのか? あるいは別のモデルと金型が共通化されているのか? などと、いろいろ推理しながら製作していくのも楽しみです。
ベロソレックスはプレスの専用型で製作しているはずですが、ラットエンジニアリングとしてはもちろん限り無く汎用的な工程での製作になります。このプレスフレームは各部材のそれぞれの製作精度ですべて決まりそうですね。製作手順をよく考えて作らないと各部がチグハグになりそうです。
どこで言い出そうかと思っていましたが、今回作るのは自転車ですからかんじんのエンジンがない!! この処理をどうするか悩んでいます。ダミーのエンジンを付けてもしょうがないですしね。それらしい雰囲気で実用性のあるものをつけたいのですが、、、うーむ。 この自転車の出来上がりは遠くから見るとベロソレックスのように見えるが、近くから見ると普通の自転車なのが良く判る、、、ちょっと一言でいえない不思議な状態になると思います。
自転車ってほんとにむずかしい。
次回は9月8日までに更新します。
内容は三輪実験車(5)。勝手に新企画を立ち上げてそちらの方を忘れている訳ではないのですが、とにかく熱くて、、、。でも、さわやかな風をうけて走るのは最初からのイメージですから、ここらで仕上げます。早く終わらさないと北風をマトモにくらって走ることになってしまいますね。
ベロソレックスを近くの農道で乗っているのを何度か見かけたことがあります。隠れたところにエンスーが生息しているものです。でも自転車オートバイをフルフェイスのヘルメットで乗るのはどうかやめてもらいたいものです。雰囲気、ブチ壊しですからね。
こんな話しですがわかってもらえますか?。