お勉強! 革サドルの製作(1) 2006年9月

新しい製作テーマとして革サドル(皮サドル)の製作をあげてみました。ここで言う革サドルは1枚革のサドルで、ツーリング用自転車に多く使われているタイプをさします。自転車の部品の中でもサドルは大きくて目に付きますし、乗り心地に直ケツするので重要な部品の一つですね。

乗り始めの一枚革のサドルはカッターイ!です。ほとんど丸太ン棒にまたがっているような感じがします。でもしばらくすると慣れたり、革が乗り手になじんできたりして、だんだん愛着がわいてきます。使う人にカタチがなじんでくるなんて、現代の工業製品として考えると不思議な存在ですね。


こんな感じで進行!!

最初にやることは類例の調査です。革サドルのいろいろなタイプを手許に集めてみます。大きさやワイヤー部などのカタチをチェックしてみます。タイプはさまざまですね。写真の中には(もちろん本人に断って)ちょっと借りてきたモノもあります。

 

自転車本からも調べておきます。サドルと言えば「革サドル」だっだ時代のモノはさまざまな形状があります。残念ながら今ではなくなってしまったタイプも多いです。自転車部品は日々進化、改良していますが、革サドルに関しては昔のほうが進んでいた、、、という言い方もできますね。

サドルの製作で特に興味があるのは、ワイヤーベースのカタチです。バネが付いたり、ハンモックのようになったり、いろいろありますね。乗ってみたいなぁ。


型取りから

今回の製作で良いと思われるタイプを(もちろん本人に、、、)型取りしてみます。型取りにはいろいろなやり方がありますが、硬化が早いのでFRPでやっています。革サドルは水に弱かったりしますから型取りはやっかいです。マスターモデルとなる革サドルに型取り材料が接触しないように注意します。

最初のステップとしてオリジナル形状が反転したカタチになりました。うまく離型ができるとホッとします。


型取りしたFRPからブツを複製します。まァ3個ほど作ってみました。断面形状などを図面にしたり、実際に乗車して形状を修正したりするので複数個を製作しておきます。カットしたり肉盛りしてみたりの検討用です。ホンモノの革でやると大変そうなのでFRPでやってみます。


サドルはとらえどころがないカタチをしていますので、計測する断面のラインを書いて図面に移していきます。タテとヨコの測りたいラインを書き込んでおきます。ラインを引いただけでも断面形状の変化はわかりますが、モノを考えたり、作ったりする時は図面にしておいた方がいいですね。細かく計測していくと左右で違っていたり、変形していたりで、図面化するのがたいへんです。ほんとにナマモノ、、、

ワイヤーベースなどの部品製作も進行させていますが、検討用も含めて数量を作らなければなりませんから、あれこれと考えている状態です。ちょっとおおげさに言うと少ロット生産ということになります。


FRPで製作したサドルトップにイタズラ書きをしてみます。今回の製作ではまったくそのまま製作していくつもりですが、さらに進めてトップ革の形状を変えてみたいとも思っています。昔あったタイプをいろいろ再現できたらおもしろいだろうなぁ、


どっちが良いかと言うことなんですが、、、自転車本などでは革サドルと表記されている場合が多いようなので、「革サドル」と書いてみたんですが、いや、やっぱり「皮サドル」かなぁ、、、あんまり良くわかりません。「川サドル」でないのは自信があります、、、たぶん。

苦労して製作しても英国製サドルにはまったくかないません。ということはわざわざ製作しなくても買ってくれば良いわけです。でも自分で試したいタイプのモノが買えるとは限らないので、「やっぱり、作ってみよう!」と始めたのが今回の企画です。

似たような例をあげると、ビールを自分で作る人がいますね。自作ビールです。普通に買って飲めばいいのに、わざわざ作ってどうなのかなぁ、、、ということでしょうか。 出来上がりの評価よりも作ることに意義があるのかもしれません、、、たぶん。

自転車ってほんとにむずかしい、、、なんて考えずに普通に買えばいいのに。あるいは外注なんていうのもいいね。


次回は10月8日までに更新します。次回のテーマはレコードブレーカーの製作報告を予定。寒くならないうちに仕上げたいです。

「どっちのサイクルショー」の準備もそろそろやらなくちゃ、、、作ることに意義がある、、、たぶん。

こんな話しですがわかってもらえますか?

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