省エネルギー・カーレース、マイレッジ・マラソンの99年車です。この年もおもしろいマシンをつくり、技術賞をいただきました。たいへんだったですけどね。
前年98年はある自動車メーカーの神戸のショールームの手伝いでいろいろ作っていたので出場できませんでした。この製作もレースマシンと同じで面白かったのですが一人では両方やるわけにはいきませんでした。
竹ヒゴを使った1/5サイズ検討モデル。これは作ったうちの一部です。エンジンはホンダ製の揚水ポンプ用33ccを想定。これは非常に小さいのでコンパクトなマシンが作れるはずです。一人きりのチームにはふさわしいと思いました。タイヤも小さく12インチ。とにかく小さいエンジンなので、これを生かすデザインを模索しました。でもこんなにモデルを作らなくってもいいけどね。 |
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最終モデルです。金属製1/5スケールで2個作っています。右側が前です。いろいろ検討しましたが、レース規則で前後タイヤ間が1000ミリ以上、左右間が500ミリ以上が規定されていますので、上のモデル展開ではどうしても小さくできなかったのですね。 そこで自転車のようなオリタタミ機構を加えることを考えました。保管、運搬時は小さく、レース時に大きくすれば良い訳です。(写真右が前) |
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1/5最終モデルのオリタタミ状態。オリタタミ時は乗用車のトランクに3台入るサイズです。これだけ小さければ他チームのようにトラックやワゴン車などの大部隊で行く必要はありません。ひとりで十分。それだけ省エネにもなるはずです。 さらに運搬用のカートも作っています。小さくなってもある程度の重量がありますからね。 |
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実車です。製作期間は2.5ヶ月です。タイヤ径は12インチチューブラー前輪駆動、前輪操舵、ブレーキは前輪側に2個つけています。後輪2輪は転がっているだけです。97年車と同様、車体の傾き機構(リーン機構)も組み込んでいます。 これだけ詰め込むとアチコチの部品が干渉しますから、図面の作成には時間がかかっています。乗用車のトランク内寸は決まっていますから大きすぎては(特に高さ)ダメなんですね。 |
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エンジン部。リコイリング式(ひっぱり式)です。これで4サイクルですからすごいですね。ここにはオリタタミ式のバックミラーと燃料タンク支柱。ギアとチェーンの2段減速で前輪を駆動します。この部分全体をタイロッドでハンドル操作します。 キャリパーブレーキを前輪に2個装着しました。ハブ、ディスクなども製作しています。なんかゴチャゴチャしていますね。 |
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実車オリタタミ時の写真。全長860ミリ。全部で9箇所のオリタタミです。この状態でエンジンがかけられて、前輪を回転させることができます。 ゼッケンプレートの取り付け板はアルミ製で、主催者に敬意を表してカーグラフィック(CG)とシェル石油のマークを肉抜しています。 これほど小さい省エネマシンはなかなかできないと思います。鈴鹿サーキットでこれを見た人も最初はなんだか判らなかったようです。コレなんだろう?なんて。 |
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技術賞をいただきました。オリタタミ構造のマシンははじめてだったようです。いただくのは嬉しいのですが、アトのことを考えるとたいへん。 また作るの? エントリー数は443台 走行結果はリタイヤです。 |
技術賞をいただきましたので報われました。