第1回 バター・チキン
バター・チキンは、現地ではムルグ・マッカーニーMurg Makhaniなどとも呼ばれる。もともとは香ばしく焼き上げたタンドーリ・チキンを一口大にカットし、トマトやたっぷりのバターあるいはギー仕立てのソースで煮込むパンジャブ地方の料理。基本的にたまねぎを使わないのがちょっと変わっている。 |
バター・チキン 材料(4皿分) |
下準備 ・皮をとった鶏ムネ肉を一口大にカットし、レモン汁とマリネ用のスパイスをふりかけたら、手で軽くもみ込むようにしてまぜる。そのまま冷蔵庫で1時間ほど放置しておこう。 ・青唐辛子は縦半分にスライスするか、同じく縦にスリットを入れておく。ししとうを使うときは3〜5ミリ程度の輪切りかななめ薄切りにしておこう。 ・香菜があれば、みじん切りに。 |
調理パート1 グレービー (カレーソース)のベースをつくる @厚手の鍋を火にかけ、大さじ3〜4のギーかバター(用意した分量の半分ということだ)を落としたら、カルダモン2種、クローブ、シナモン、ベイリーフを加えて熱する。火加減は中火。スパイスはこがさないように。 Aカルダモンやクローブが心持ちふくれてきたら、にんにくとしょうがのすりおろしを加えて、サッと全体をかきまぜる。こげつきとはねに気をつけよう。 Bにんにくやしょうがのいい香りがしたら、ホールトマトとその半量のお湯を加える。 Cトマトをつぶすようにしてかきまぜたら、ふたをしてしばらく煮込む。火加減は沸騰するまで強火、後は弱火で。 D15分ほど煮込んだら、網やこし器を用意して鍋の中身をいったんこす。トロリとしてきれいな色のソースのできあがりだ。 |
調理パート2 鶏肉をサッと煮込んで完成へ @ふたたび厚手の鍋を火にかけたら、残りのギーかバターを入れ、みじん切りにしたしょうがとカスリ・メティのそれぞれ半量ずつを加える。火は弱めの中火。こがさないようにかきまぜよう。 Aいい香りがしてきたら、先につくったグレービーを鍋に入れて沸騰させる。 B沸騰したらパプリカと塩を加え、かきまぜながら1分ほど煮る。 Cマリネしておいたチキンを加え、ふたをしてさらにしばらく煮る。火加減は沸騰を維持できるくらいの弱めの中火。 D10分ほどして鶏肉に十分火が通ったら、カスリ・メティとしょうがの残り、ガラム・マサラ、青唐辛子かししとうを加え、さらに2〜3分煮る。 E火を止める直前、生クリームをまわし入れ、香菜をふりかければできあがり |
おいしくするコツ ・この料理にはカスリ・メティが威力を発揮するので、ぜひ使いたい。手のひらでもみ込むようにして砕いてから入れると、いっそう香りが際立つ。 ・風味と色は最後に加える生クリームの量にかなり左右される。私はあまり入れすぎずトマトの酸味を出すのが好きだ。それが上記の分量である。 ・白いごはんにはあまりマッチしないインドカレーの典型だ。やはりナンやチャパティといったインドのパン、あるいはバケットやカンパーニュといった西洋式のパンもよく合う。バターライスやピラフっぽいごはんでもおいしい。 手に入らない食材の入手はリンクをごらんください |