Flower horn

フラワーホーンである。
一般的にはシクラソマであるキトリネルム種とトリマキュラータム種を交配させて作ったとされているが、
現在ではもっといろんなシクラソマやその他のシクリッドの血も入っているように思われる。
うちのはトリマキュラータムの血が濃いようである。  

アメシクの始まりである

2002年正月、フラワーホーンを衝動買いである。
フラワーホーンの購入については、表向きには言えない様な失敗があったのだがここでは触れないでおこう。
私のフラワーホーンに関する知識は買った当時には何にもなかった。
今改めて見ると、何の変哲もないフラワーホーンである。
当然名前もなく、フラワーホーンAグレードとして売られていた。
『Aグレード』、こういう響きに弱い男である。
何の知識もなかったのだが将来性がありそうで、面白そうな匂いがしたのである。

しかしはっきり言ってしまうと改良品種であるとはいえ、ハイブリッドである。
純血種の保存と言うことを考えれば、『うーむ』と考え込んでしまうこともある。
種の保存ということを大切に考えているヨーロッパのマニアなどはどう思っているのだろうか。






春になり

食べないものはないのではないかというぐらい、なんでもよく食べ、よく糞を出す。 
なるほど、かなり悪そうな顔つきである。
フラワーを選ぶ基準とされている、『コブと赤とスポット』という点から見ると、なんだか何も秀でているものはないのである。
飼育スペースは90cm水槽の半分になっている。
水換えのたびに攻撃を加えようとし、飼育者の顔を覚えているのか?
それとも私のことが憎いのか?噛まれるたびにキレかける私である。










五月、大きくはなっているのだが

あまり変化も見られず、少し寂しい気がしていた覚えがある。

大阪の大型ショップの社長さんにフラワーホーンを飼育する場合は底は白いほうが良いと教えてもらった。
暗い色だとあまり綺麗な発色をしてくれないらしい。
海外のサイトで、八才、60cmで4キロというフラワーの画像を見た。
本当の話ならば、まさに化け物である。











八月、ちょっと良い感じ?

少しではあるが、黄色い色も見れるようになってきた。
しかし、この頃になると続々と新しいタイプなども入荷し、 ネットなどで優良個体を見ると、やっぱりエリートには勝てないよなあとため息をつく。
マレーシアのあるファームでの特級扱いとされる選び方を書いておく。
目は明るい赤。
口は長く突出していなくて、短い物が良い。
頭のコブはボディに比例してより大きく、丸くあるべき。
尾びれは大きく丸く明るい色を持つ。
尾びれを除く各鰭はメリハリのある色を持ち、長くあるべき。
ボディの形は高さが1に対して1.5の体長(全長ではない)を持つ。
ボディの色は赤みが十分であり、基調色が輝かしくあること。
最近はあまりボディの紋には拘らなくなっているようだ。






九月、水換えが怖いのである。

他の魚も増えてしまい90水槽の半分のスペースで飼育しているため、狭いのであろう。
そのストレスを発散させようとしているのか、手を入れると必ず狙ってくる。
噛まれると他のヴィエージャ属の比ではない。歳を取るとなかなか傷跡も消えないので 勘弁して欲しいのである。セパレーターのアクリル板を傷だらけにするような歯の持ち主である。
噛まれたら必ず仕返しをして痛い目に合わすのだが、学習能力がないのであろうか?
水換えのホースで突付きまわしたところ、エーハイムのストレーナにぶつかって頭に怪我をした。
自分の手の血が出ているところと比べて、『よっしゃ!これぐらいで勘弁したらぁ』と思う私は変であろうか。
虐待ではない、教育である
発色はこの頃が一番明るく美しかったように思う。
サイズは25cmぐらいになっているだろうか。








2003年四月

さて、ここで真友(しんゆう)の一人であり、無頼漢ズのメンバーでもある 自称アマチュアフラワーホーン日本一の塾長さんにコメントをつけてもらったので そのまま記載しておこう。

ダブルフラワーレオパード;双花花豹
個体評
三ツ星シクラソマといわれるトリマキュラータムの 特徴を色濃く出した個体。

良い点
目の下の涙(チャームポイント)
体高、厚みのあるボリューム感
赤いスポットが頭部から肩の後ろにかけて5列 火焔状に放射しているため鳳凰タイプとも言える。
背びれののびたフィラメント。

惜しい点
体側中央および尾のスポットが貧弱である。
三ツ星ならば肩の斑紋に負けない大きさ、縁取りがいる。
赤の発色面積がやや狭い。
頬に赤がのるか、体側中央のスポットまで赤が欲しい。
または青いスポットが密に出て赤の少なさをカバーすると良い。

ダブルフラワーの『ダブル』とは両側の体側中央に1つづつで計2個、大きな花があると言う意味。
つまり三ツ星タイプや金佛の1個だけ大きなスポットの出たものがこれにあたる。


うーむ。さすがに拘りを持って魚を選び飼育されている漢の言葉である。
 
それから兄弟分の超×2マニアのチャッピーさんからもコメントをもらっている。

『後ろのバックスクリーン的カーテンが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ショボイです。』

『撮り直し!』

うーむ。さすがに超×2マニアの漢の言葉である。
彼は私の部屋のカーテンを思い出すだけで怒りがこみあげるらしい。フフフのフ。

2003年8月

最近、水槽の中でフラリフラリひっくり返るようになってしまった。
餌食いはまだOKであるし、手を入れると俊敏に狙ってくるところも
変わっていない。
腸にガス?お腹に空気?浮き袋の異常?
何かは分からない。
見た目の魚体も左右対称で特に膨らんでいるところも見つからない。
太りすぎというのが一番可能性が高いかもしれない。
とりあえずの対策としては、あまり空気を吸わないように沈下性の餌に
切り替えて、少量給餌でダイエットである。

解剖したら、チャッピーのお勉強の部屋のマクリカウダのように
なっているのかもしれない。
なんとかこのまま長生きして欲しいものである。




2003年11月
















減量作戦により、フラリフラリ病はなくなったようだ。
少しお腹のあたりもスッキリとしたようである。
普段はボーっとしていることが多いが、餌の時間に隣のゴッドマニィに餌を与えると
『ワシにもよこさんかーい』とアピールする。
最近は手を入れても噛み付くこともなくなり、手がかからない優等生のようである。


学名について

2004年2月、フラワーホーンは30cm。
たいした変化もなく書くこともあまりないので今回は学名について少し勉強して回ったので、わかったことを書くことにしよう。
ただしここに書いたことは私が勝手にこんなもんだろうなと解釈しただけで、
間違っているかもしれません。

学名と言うのはラテン語で書かれているが、ラテン語自体の単語が少ないためにギリシャ語からも引用されている。
発音については『ラテン語の発音』と検索すれば詳しいサイトがたくさんあるのでそちらを見てみよう。
種名には『二名法』が用いられており、属名+種小名で表される。
この属名は先ほど書いたようにラテン語やギリシャ語の名詞で表されることが多く、
この名詞は『男性』『女性』『中性』のいずれかに属することになっている。
で、種小名は形容詞や人名や地名であることが多く、属名の性別?のどれに属するかにより、語尾が変化するのである。
この性を一致させねばならないと国際命名規約というもので定められているらしい。
例えば シンスピで言うならば
Cichlasoma (中性) synspilum (中性)
Vieja (女性) synspila (女性)
Paratheraps (男性) synspilus (男性)と語尾が変化する。
フェネストでも fenestratum  fenestrata  fenestratus と変化する。
女性形が〜a  男性形が〜us  中性形が〜um ということである。
なのでいろんな魚種で種小名が同じ魚がいるが属名によって語尾が違っていても正しいのである。

Paratheraps は男性形ということらしいのでこの属性の魚は〜usというのが正しい表記であろう。

次に人名が使われる場合ですが多くの例外はあるようですが一般的には
属名に人名が使われる場合は
男性なら〜ius
女性なら〜a  〜ea  〜ia  〜ella

種小名に人名が使われる場合は
〜anus  〜ianusという形をとり
これが性別により男性形では  〜anus  〜ianus
女性形では  〜ana  〜iana
中性形では  〜anum  〜ianum という語尾変化をします。

単純に男性の場合は 〜i  女性の場合は 〜ae  
複数の場合はその構成によって 〜orum  や 〜arumと付けられている例が多いようです。

そして地名が使われている場合ですが
属名に使われる場合は人名と同様にしたり、地名そのままを使ったりします。
種小名に使われる場合は 〜icus や 〜ensis  〜iensis です。
これが語尾変化して 〜ense や 〜iense となったりします。
また人名と同じように地名にも性別?があるようなので
男性の場合は 〜i  女性の場合は 〜ae  
複数の場合はその構成によって 〜orum  や 〜arumと付けられている場合もあります。 

さて性別?ですがこれはどこを探しても、どういう基準で判断されるのかよくわかりません。
ラテン語では名詞はすべて男か女か中性かという分類になるということであるのだが、
文法上の性ということで、学のない私にはまったくもってなんのこっちゃわからない。

どうでもいいような話になってしまったが、興味のある人はもっと調べてみたりすると
その魚のいろんなことが発見できたりして面白い。
図書館に行くと学名に関する書籍がいっぱいあるよ。

おーい、フラワーよ。お前には学名はまだないんだろうな(涙。


2004年8月 フラワーホーンの小部屋は完結とさせていただきました。 


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