廃車体は生きている

松山バスラーメン

和歌山に勝るとも劣らず、というより和歌山以上に現役店舗が目立つのではないかと思われるのが愛媛県の松山市周辺です。主要道沿いに古いバスを綺麗に塗ったラーメン店が今も存在していました。
なお、この撮影に関しては、OKMR crossingOKMR様に情報提供を受けています。

バスラーメン
BT71

撮影:松山市(2010.5.8)

伊予鉄道 日野BT71
BT71

撮影:松山市(2010.5.8)

松山空港のすぐ近くにあることで有名なバスラーメン。日野のセンターアンダーフロアエンジン車で、中ドア車専用シャーシのBT71です。帝国ボディの丸型で、後面に非常口があります。屋根がかけられているため車内の痛みは少ないようです。入口は木製の開き戸に交換されています。
OKMRさんが1989年に撮影した際には、伊予鉄道の系列の「ファミリー温泉」送迎バスの面影がありましたが、現在では塗り替えられています。
(ストリートビューによると、2018年4月〜2019年6月の間に撤去)

バス食堂
BT71

撮影:松山市(2010.5.8)

伊予鉄道 日野BT71
BT71

撮影:松山市(2010.5.8)

こちらは型式は同じですが金産ボディ製の車体のセンターアンダーフロアエンジン車。団地の中にあり、綺麗な色に塗り分けられています。建物とくっついており、バスの窓部分には赤い日よけテントと提灯が飾られています。夜になると灯が点るのでしょう。

バスラーメン
RB10

撮影:松山市(2010.5.8)

伊予鉄道 日野RB10
RB10

撮影:松山市(2010.5.8)

こちらはリアエンジンのRB10です。金産ボディの中ドア車で後面は3枚分割窓。アルミサッシのドアに交換されてはいますが中ドアを店の入口に使っています。
下半分は、小動物等の侵入を防ぐためか短冊状の木材でふさがれています。全体にかけられた屋根や簾、提灯がバスラーメンらしさを主張しています。

バスラーメン
RC320P

撮影:松山市(2010.5.8)

伊予鉄道 日野RC320P
RC320P

撮影:松山市(2010.5.8)

こちらは元貸切バスを使用したバスラーメン。金産ボディの観光タイプで、正面窓は若干傾斜しています。反対側に回るとサブエンジン冷房の網目がありますので、当時はデラックス仕様だったはずです。
一瞬前ドアを中ドアに移設した路線格下げ車に見えますが、これはバスラーメンになる際に移設されたもののようです。元の前ドア部分は鉄板でふさがれ、片方が傾斜した形状のまま中ドア部分に無理やり設置した感じが見て取れます。なお、前ドア脇にあるマークは、昔の伊予鉄道貸切車についていたそうです。
(ストリートビューによると、2015年2月時点で撤去を確認)

バスラーメン(閉店)
RC

撮影:西条市(2010.5.8)

伊予鉄道 日野RC
RC

撮影:西条市(2010.5.8)

一見、ただの建物に見えますが、バスのヘッドライトがついているのが特徴です。さらによく観察してみると、実は本物のバスの躯体を活用した建物であることが分かります。恐らくバスを中央から二つに割って幅を広げ、屋根をかさ上げした2台を背中合わせに合体させたようです。バスの躯体が不足する部分は鉄骨作りになっているようです。そして、バスボディ部分を含めてモルタルが塗られています。
各パーツ部分の拡大写真については、伊予鉄道マーク(左上)、反対側妻板に見えるウィンカーとヘッドライト(右上)、側面裾部のサブエンジン冷房の網とモール、フェンダ痕(下)です。
恐らく当初は「バスのようなラーメン店」を目指して本物のバスを活用して作られたのだと想像します。 ドア側に建物があり、入口になっていますが、現在では閉店してかなり経つようです。
(注1)
(ストリートビューによると、2018年5月〜2021年4月の間に撤去)

バス食堂
B805L

撮影:今治市(2010.5.8)

瀬戸内運輸 三菱B805L

こちらは今治市。
青い車体の側面に「中華そば」「めし」「おでん」などのメニューが暖簾風に書かれているバス食堂。同形車と思われる2台が並べられ、真ん中に厨房の建物が挟まれています。
車両は、部分的に覗いていたカラーから瀬戸内運輸の貸切車だと思われます。
(ストリートビューによると、2012年7月時点で撤去を確認)

たこ焼き屋
シビリアン

撮影:松山市(2010.5.8)

日産シビリアン

日産のマイクロバスシビリアンのハイルーフ車両を使ったたこ焼き屋。ラーメン店ではありませんが、同属としてここに並べます。
テイクアウト専用のようで、こちら側の窓から商品を出すようになっています。
(ストリートビューによると、2012年8月時点で撤去を確認)

注意事項
本ページは、「廃車体は文化遺産である」という趣旨によって作成しております。当サイトを訪れる方は、この趣旨を御理解いただける方だと思いますが,万が一,本ページの悪用による廃車体への損傷等があった場合は,本ページ及び関連する事項は即刻削除いたします。
(注1) OKMR様によれば、伊予鉄道の金産ボディのRCがタネ車ではないかとのことです。
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80s岩手県のバス“その頃”