画像掲示板 過去ログ

過去の掲示板の内容を,そのまま掲載しました。
追加の書き込み・編集・削除等は出来ませんのでご了承下さい。

茨城交通民事再生法の申請

#198名前:京阪バス祇園営業所時刻:2008-11-12 11:48:20

こんにちは。

残念なニュースです。
昨日、茨城交通が民事再生法を申請したと、NHKニュースで放映されました。負債総額は65億9530万円です。路線バスの運行は、当面継続するそうですが、関連の茨城オートや茨交県北バスにも、今後影響が波及するのではないでしょうか?
スポンサー支援を得るため、四カ月後をめどに再生計画を策定して、再建を図る方針だそうです。各バス会社の経営を圧迫している燃料費の高騰が、一番の要因でしょうね。

それでは。

Re:茨城交通民事再生法の申請

#199名前:管理人時刻:2008-11-12 21:21:36

茨城交通の話題は今朝知りましたが、「またか」というくらいで驚きはあまりありませんでした。報道では燃料高騰を挙げていますが、これは時期的に説明しやすい題材であるというだけで、根本原因ではないと思います。最後のダメ押しくらいにはなったと思いますが。
同社の元々の事業再生の原因は、経営多角化にあったと聞いています。近年こういう話題に上がったバス会社の多くが、多角経営の企業グループです。本来、経営の苦しいバス事業をフォローするために始めた事業が、バブル期の過剰投資などにより本業以上に債務を作り出してしまったのです。
実は現在、路線バス事業そのものは薄利に変わりはありませんが、大きなリスクのある事業でもありません。利用者はほぼ固定しているため、売上予測は容易で、景気などによる極端な変動もありません。資産も車庫用地と車両さえあればいいので、過度の投資は必要ありません。労働集約産業ですが、人件費の削減もほぼ終了しています。
はたから見て危うく見える専業のバス会社がそこそこ生き延びているのはそのせいです。

しかし、薄利な事業で、利用者が減少傾向にあることに変わりはありません。燃料高騰などのリスクに対応できる内部留保がないと、苦しい経営になります。
また、現在の路線バス事業をとりまく要因が経営改善を阻んでいるのも事実です。この点については、文章が長くなってしまいますので、また後日。

Re:茨城交通民事再生法の申請

#203名前:管理人時刻:2008-12-06 20:54:04

ちょっと間が空いてしまいましたが、続きです。
よく路線バス事業者の経営が苦しいと言うと、経営努力をしていないからだとか、顧客ニーズに合わせようとしていないなどの意見が出ます。
しかし、バス会社がそういう対応しか出来ないのには理由があります。通常の民間企業は、顧客サービスをするために企業利益を追求します。簡単に言えば、儲からないものを売るのはやめて、儲かるものだけを売ります。
けれど、路線バスをやめるためには地元からの同意を得なければなりません。簡単に同意が得られるかと言えば、そうではありません。「地域の足として必要」だと言われます。「この路線だけは、他の儲かる路線の黒字を使って維持して」と言われます。
経営危機に陥った企業でもなかなか路線を廃止させてもらえないのですから、健全なうちに路線を整理することがいかに難しいかが分かります。
そして、赤字路線を維持することに会社の儲け分を投入し、数少ない黒字路線の育成も出来なくなってしまうのです。

Re:茨城交通民事再生法の申請

#205名前:管理人時刻:2008-12-10 21:27:23

独り言を続けます。
マスコミのせいなのかは分かりませんが、一般市民がよく誤解していることが二つあります。それについてお話したいと思います。

@バス会社は補助金をもらって経営している
A自治体の運営するコミュニティバスの多くが成功している

まず@からです。
字面上は間違っていないのですが、「補助金をもらっているくせにサービスが悪い」「補助金をもらっているんだから利用者に還元しろ」などということを言う人がいます。地方紙の投書欄などでも散見される意見です。
しかし、補助金をもらった結果、バス会社は何か得るものがあるのでしょうか。例えば制度化された地方バス補助金は飽くまでも欠損分を補助するだけで、それも満額出るわけでもありません。その上、運行上のリスクはバス事業者が背負っています。
通常の商売では、赤字の製品は作りません。その欠損分を補助してもらえるとしても、利益の出ない製品を作り続けるメリットは何もありません。
それをバス会社はやっているのです。
本当は運行をやめたいのに補助金をもらってまで赤字事業を続けるのはなぜでしょう。地域の足を守る義務感です。補助金をもらうことで得をするのは、バス事業者ではないのです。あえて言えば利用者です。
Aについては次回。

管理人様の独り言について

#206名前:京阪バス祇園営業所時刻:2008-12-12 13:59:02

こんにちは。

京阪バス祇園営業所です。
管理人様の独り言については、小生もごもっともだと思います。
しかし、最近の社会動向から、バス業界の見通しは、本当に暗いですね。私個人の意見として、やはり規制緩和が拍車をかけたとしか言いようがありません。
Aの見解について、御期待しております。

それでは。

Re:茨城交通民事再生法の申請

#209名前:管理人時刻:2008-12-16 22:20:49

そうですね。規制緩和については、貸切バスの規制緩和の影響は大きかったと思います。
かつて貸切バス事業は利益の出る部門だったので、そこで路線バスの赤字を埋めていたバス会社も少なくなかったと思います。しかし、規制緩和によって中小事業者が急増し、価格破壊を招き、貸切バス事業が儲かる事業ではなくなってしまいました。
一方、乗合事業の規制緩和の影響はどうでしょう。新規参入がほとんどないのは、魅力がない(あるいはそう見える)からでしょう。新規参入がないなら規制緩和による悪影響はないはずなのですが、結局退出の自由も簡単ではないので、乗合事業者は今まで通りの経営をせざるを得ないということですね。
Aについては次回に延期です。

Re:茨城交通民事再生法の申請

#213名前:管理人時刻:2008-12-21 21:08:03

それでは以前の、
A自治体の運営するコミュニティバスの多くが成功している。
という誤解についてです。
自治体がコミュニティバスの成功について語る根拠としては、「予想より利用者が多かった」「以前の形態より利用者が増えた」「住民から支持されている」というような内容が多いようです。
そして報道ではこれを民間の運営するバス路線と対比して、「民間で廃止したものを自治体がよみがえらせた」かのように言います。
しかし、民間企業の場合、単純に利用者が増えただけでは「成功」とは言わないし、路線を維持することも出来ません。当然必要なのは採算なのです。
住民の生活のための足を確保することが目的の自治体と、それだけでなく採算を取ることも重要な目的の民間企業の違いを棚上げして、「成功事例」と「失敗事例」として同列に述べようとすることに本当は無理があるのです。

Re:茨城交通民事再生法の申請

#214名前:OKMR時刻:2008-12-22 23:54:22

路線事業がそんなに簡単なら 全国の公営バスが次々と無くなる訳がありませんね。
受益者負担の原則を無視して成功とは報道の質の低さにガッカリさせられたものです。

こちら香川県でも歴史ある琴参が関連事業の破綻により事業譲渡することになりました。
譲り受けても路線に関しては欲しくも無いはずでしょうね。

自治体の運営するコミュニティバスについて

#218名前:京阪バス祇園営業所時刻:2008-12-24 17:04:51

こんにちは。

京阪バス祇園営業所です。
確かに、管理人様の御意見は、ごもっともです。実際、私の地元でもコミュニティバスが運営されてますが、発足当時は、バス共通カードで乗車出来たり、循環系統でしたので、利便性がありました。しかし、利益が出ないとみるや、バス共通カードでの乗車不可、循環系統から往復系統に見直しされ、乗客にとっては、使い勝手が悪くなりました。
最近、南東北の某市では、福交の破綻で、会社への補助金を停止して、自前でバスを運行するとの事です。又、東海地方の某市では、地元会社が路線バス撤退後、コミュニティバスを運行させましたが、委託先は、撤退した会社が運行しているという事が起きてます。
そういえば、姫路市営バスも神姫バス全路線譲渡する事が決定したようです。なんか、暗い話題ばかりで、恐縮です。

Re:自治体の運営するコミュニティバスについて

#220名前:管理人時刻:2008-12-24 21:43:43

廃止路線と自治体との関係は、歴史が繰り返されている気がします。
80年代に民間事業者が廃止した路線の多くが、自治体直営の白ナンバーのバス(当時の101条バス)かバス事業者に運行を委託する廃止代替バスに変わりました。しかし、民間が維持できなかったバス運営を素人の自治体が維持できるはずもなく、撤退したり再度バス事業者に運行を委託するなどの現象が起きてきました。
それさえもバス事業者にとっては委託料が安すぎて経営上の負担となり、再度撤退、委託先はタクシー会社や人材派遣会社などに変わってゆきます。
しかし、安全上の不安などから自治体は再び地元のバス会社の運営を期待するようになり・・・。
その間に、100円バスブームや循環バスブーム、コミュニティバスブームがあり、最近ではデマンド交通がブームの様相です。事業に対する国庫補助の有無も関係しているとは思いますが、自治体もバス事業者もなんだか振り回されているだけのようにも感じますね。

Re:自治体の運営するコミュニティバスについて

#222名前:京阪バス祇園営業所時刻:2008-12-25 17:54:51

こんばんは。
私の地元のコミュニティバスですが、久しぶりにウェブを閲覧したところ、2007年3月で廃止となってました。運行期間は、3年3ヶ月でした。利用客の減少が表向きの理由ですが、はたして真相は不明です。
実際、運行当初は、物珍しさや行政の力の入れようは、半端ではありませんでした。しかし、率直に利用者への意見を取り入れて、本格的な経営運行に参企しようとしていたかとなると?です。
管理人様のおっしゃる通り、自転車操業が繰り返しているとしか思えませんね。前回のコメントで、東海地方のコミュニティバスに乗車した際、乗客の年配者に話を伺ったところ、車が運転出来れば、自前で運転するが、運転出来なくなったら、バスかタクシーになる。しかし、タクシーでは、お金が掛かる。バスだったら、運賃がまだ安い、ところが、自分の利用したい時間帯に運行されてない。なので、遠出が出来ない。コミュニティバスになったら、本数が少なくても、自分のニーズに副った時間にあり、運賃も安いので、利用しやすくなったとおっしゃられてました。
(実際の運賃は、100円で運行されてます。)
鉄道会社のように、毎年ダイヤ改正等で、テコ入れ出来る余裕があれば、現状の行政には、そこ迄の力が乏しいのかもしれませんね。 それでは。

Re:自治体の運営するコミュニティバスについて

#224名前:管理人時刻:2008-12-28 17:48:45

本来、利用者のニーズに合った時刻設定は必須条件なわけですが、マイカーに慣れた人たちに対して、個々のニーズに合わせることはかなり難しくなりつつあります。
バスは1台30人程度は輸送できるわけですが、ある時間にある場所からある場所まで走るのに30人の乗客が確保できるかどうかは、地方では難しくなっています。朝の通勤・通学、及び通院の時間帯には何とかなっても、帰りは分散するので「私の利用したい時間にバスがない」と言われることになります。帰りに長く待つのがいやなので自家用車で通うことになると、自然に行きもバスに乗らなくなってしまいます。
人口が絶対的に多い都会では、10分間隔でバスを走らせてもそれなりに利用者がいるため経営的に成立し、便利であれば利用も進みます。地方バスもかつてはそうだったのに、いつの間にか今のようになってしまいました。こういう現状の中で、バス事業者は、バス利用者は、どうすればいいのでしょうか。というのがいまだ解決できない問題として横たわっているわけです。

ページ上部へ戻る
メニュー

80s岩手県のバス“その頃”