いすゞスーパークルーザーUFC(1991年)
いすゞスーパークルーザーは、ダブルデッカーを製造していなかったいすゞが、スーパーハイデッカーを主軸にして1986年に発売したモデルで、FOHの長い2軸シャーシとスクエアなボディスタイルが特徴です。
1989年にはバリエーションとして、運転席を下部に置き、客席を最前部まで延長したUFC(アンダーフロアーコックピット)が発売されました。
カタログ表紙
画像:いすゞ自動車カタログ(1991)
当時のカタログは、高級さを演出するためか、表紙に写真を置かず、無地に金文字というデザインになっています。
時はまだバブル期です。
アルファリゾートトマム(北海道)
画像:いすゞ自動車カタログ(1991)
撮影:星野リゾートトマム(2024.10.11)
「ザ・ニューエレガンス」とか「贅沢さのシンフォニー。」とかバブル末期のカタログならではの語句が並ぶ見開きページの背景には、北海道のトマムのザ・タワーがそびえています。タワーは2本しか見えませんので1987年のタワーT完成時の写真でしょう。1989年にはタワーUが完成していますので、このUFCの写真は合成写真かも知れません。
アルファリゾートトマムは、北海道占冠村に開業した巨大な山岳リゾートで、ゴルフ場、スキー場、屋内野球場から宿泊施設などを備えた1980年代を象徴するような施設でした。その莫大な投資のツケは、やはり、いわゆるバブル崩壊といわれる時代を象徴する出来事となります。
現在では、星野リゾートの経営となり、オープン当時の苗木も大きく育ち、風景を変えていました。タワーにはモザイク模様が施されていますが、遠目に見るとかびているように見えてしまいます。
新宿副都心(東京都)
画像:いすゞ自動車カタログ(1991)
撮影:新宿区(2019.4.6)
背後にヒルトン東京のカーブを描いた壁がそびえる新宿副都心。左端に見えているのは新宿第一生命ビルです。背の高いバスが背の高いビルに囲まれていても見劣りしないという自信あふれるイメージ写真。
しかし、ドア側が歩道ではなく車道に向いています。つまり、右側通行の道交法違反状態で停車しています。よく見ると、側面窓に映る建物には「東京医科大学」の文字が。つまり、実際はここより奥の方にある東京医科大学病院の脇でバスの写真を撮り、この背景写真に上手に合成したものだということが分かりました。
画像:いすゞ自動車カタログ(1991)
撮影:新宿区(2019.4.6)
上の写真から少し南に進んだ場所、ハイアットリージェンシー東京の壁面が見える場所。やはり右側通行の位置に止まっていますので、精巧な合成写真なのかもしれません。
画像:いすゞ自動車カタログ(1991)
撮影:新宿区(2020.2.11)
こちらはハイアットリージェンシーの1階部分に停車中の写真。しかし、この場所は歩道上で、自動車は乗り入れられない場所でした。
画像:いすゞ自動車カタログ(1991)
撮影:新宿区(2020.2.11)
ドアやトランク類の開き方を解説した画像の背景には、新宿副都心の立体交差を行くスーパークルーザー。とりあえず私も、都庁通りから議事堂通りにカメラを向けてみました。この奥に新宿西口の小田急百貨店が見通せる場所です。
画像:いすゞ自動車カタログ(1991)
撮影:新宿区(2019.4.6)
議事堂通りを進んだ先で、バスは新宿住友ビル北側の駐車場に左折します。背景は黒い新宿三井ビル。
新宿住友ビルは改装工事中で、この駐車場はありません。ただし、駐車場への入口と思われる歩道のカーブが残されていました。
なお、この写真は2019年4月時点のもので、工事の進捗に伴い、姿を変えているものと思われます。