バスカタログ聖地巡礼

日産ディーゼルRM90(1975年)


中型バスの市場が広がりつつある1970年代の中頃、UDマークでおなじみの日産ディーゼルからも中型バスが誕生します。大型観光バスと同じ富士重工ボディをダウンサイズした好ましい外観は、自家用、観光用含めて人気が出ました。


ビーナスライン(長野県)
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カタログ表紙
日産ディーゼルRM90

画像:日産ディーゼル工業カタログ(1975)

ビーナスライン

撮影:茅野市(2019.9.7)

カタログの表紙写真は、高原の起伏のあるカーブを行く光景。
「安全速度25km」の補助標識を持つカーブ標識は、長野県のビーナスラインです。これはタイプミスではなく、実際に「25km」と書いてあります。安全速度で25kmの長さを走れと解釈すれば、間違いではありません。ちなみにビーナスラインは全長約76kmだそうです。
そんな揚げ足取りのネタを考えていたら、いすゞエルガがスイスイと走り抜けて行きました。

霧ケ峰高原
日産ディーゼルRM90

画像:日産ディーゼル工業カタログ(1975)

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高原を行く日産ディーゼルRM90。ビーナスラインの車山高原から霧ケ峰に向かうSカーブです。これは車山肩の駐車場付近から見た風景。

霧ケ峰高原

撮影:諏訪市(2019.9.7)

高原の風景は今も変わりませんが、木々はだいぶ成長しているようです。
茅野駅から来た諏訪バスの路線バスがやってきました。もともとは上高地用に新車導入された日野HIMR(ハイブリッドバス)です。エリアは違えど、山岳観光路線で一生を終えることができる幸せな車両かも知れません。

ビーナスライン

撮影:諏訪市(2019.9.7)

Sカーブの写真を撮影した場所から振り返ると、車山肩のバス停があります。
霧ケ峰高原にハイキングに来た皆さんが、大勢バスを降りてきました。朝東京を出た「あずさ」から乗り換えるとちょうどいいバスなのでしょう。
今は更地の駐車場になっていますが、カタログ写真が撮影された1970年代には、諏訪バスが経営するドライブインが建っていた場所です。

白樺湖ビューホテル(長野県)
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日産ディーゼルRM90

画像:日産ディーゼル工業カタログ(1975)

日産ディーゼルRM90

撮影:茅野市(2019.9.7)

白樺湖の北岸にある白樺湖ビューホテルのフロントに、赤系ラインのデラックス仕様と緑系ラインのスタンダード仕様が停車中。レジャーの若い女性が嬉しそうにあいさつを交わす光景です。
ただ、2階から手を振る二人の女性からは、車寄せの屋根が邪魔で、下から手を振る女性の姿は見えないのではないかと思います。
それが理由ではないと思いますが、その後の改修工事によって、2階のベランダは撤去された模様です。

テディベア美術館

撮影:茅野市(2019.9.7)

蓼科テディベア美術館

白樺湖ビューホテルの向かい側には、蓼科テディベア美術館があります。
世界のテディベア11,000体を所蔵しているという大規模な美術館です。玄関には、大きなテディベアが片手を上げてお迎えします。
もっとも、この美術館は1995年に開館したとのことなので、カタログが撮影された時代には存在しませんでした。

上諏訪温泉鷺乃湯(長野県)
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日産ディーゼルRM90

画像:日産ディーゼル工業カタログ(1975)

日産ディーゼルRM90

撮影:諏訪市(2019.4.27)

旅館やホテルの送迎バスをイメージしたカットは、和風の重厚な造りの3階建旅館の玄関でロケ。苔むした石の門に「鷺乃湯」の文字が見えます。上の白樺湖や霧ケ峰高原との位置関係から、上諏訪温泉の老舗旅館ではないかと思い調べてみると、今も諏訪湖畔に「ホテル鷺乃湯(さぎのゆ)」が存在していました。しかし、和風の旧館は姿を消し、お洒落な新館と玄関棟に建て替えられていました。
ホテルの公式サイトによると、旧館は昭和初期に建てられたものだったそうです。

登場人物の今
日産ディーゼルRM90

撮影:上田市(2018.8.12)

カタログの車両より新しいK-RM80Eですが、緑色ラインの同じ外装デザインを持つスタンダードタイプの廃車体が、同じ長野県内の別の高原の旅館の敷地内で余生を送っていました。
側面には、色褪せてはいますが、旅館名のレタリングが残っています。こういった高原リゾートの観光客輸送には、このタイプの中型バスが本領を発揮しました。

バスカタログ聖地巡礼
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80s岩手県のバス“その頃”