日産ディーゼルRA51(1980年)
高速ツーリング時代をリードする、大型ハイウェイバスという触れ込みで、日産ディーゼルのRA51シリーズのカタログが発行されていました。豪華でスタイリッシュなスケルトンバスが新登場してきた時代、富士重工の流麗なボディデザインも売りの一つです。
箱根ホテル(神奈川県)
カタログ表紙
画像:日産ディーゼル工業カタログ(1980)
カタログの表紙写真は、中身にも出てくる箱根ホテルの前に停車中のフルデッカー。
画像:日産ディーゼル工業カタログ(1980)
見開きページは、白い壁に青い瓦屋根の「HAKONE HOTEL」の前に停車しているフルデッカー。
バッグを持った女性客が、ホテルの玄関からバスに向かうという定番の場面です。
箱根ホテルは芦ノ湖畔にある富士屋ホテルグループのホテル。
現在の様子を見てみると、建物は全く変わってしまっています。公式サイトを確認すると、1992年に新規開業とありますので、その時に建て替えたのだと思われます。
カタログ当時のお洒落な建物は、1951年に建設された「スパニッシュスタイルの鉄筋コンクリート3階建」だったそうです。
撮影:箱根町(2024.3.16)
芦ノ湖スカイライン(静岡県)
山伏峠
画像:日産ディーゼル工業カタログ(1980)
撮影:裾野市(2024.3.16)
箱根のホテルで撮影した後は、眺望に優れた芦ノ湖スカイラインへというのがバスカタログ撮影の定番らしく、フルデッカーが芦ノ湖スカイラインを走行する遠望写真が登場します。
芦ノ湖スカイラインの箱根峠側の料金所から入り、最初のドライブインがある山伏峠は、随一の景勝地。向こうの小山の所に箱根峠料金所が見えるカタログの風景とほぼ一致します。
三国峠
画像:日産ディーゼル工業カタログ(1980)
撮影:裾野市(2024.3.16)
こちらはボディスタイルが異なるパノラマデッカー。
富士山が間近に見える景勝地の崖っぷち(のような場所)にバスを止めています。ここも芦ノ湖スカイラインの途中地で、富士山の眺望がすばらしい三国峠。カタログでは柵もない危険な場所でしたが、今は木の柵がついて、記念写真を撮影する車で賑わっていました。
小田急山のホテル(神奈川県)
画像:日産ディーゼル工業カタログ(1980)
撮影:箱根町(2024.3.16)
夜になると、今度は車寄せの屋根の部分に「HOTEL DE YAMA」という文字が入っている「小田急山のホテル」に到着しました。
このホテルは、今も同じ建物で営業していました。小田急グループなので、小田急箱根高速バスや芦ノ湖ライナーなどの観光路線バスも発着します。
カタログでバスが停車中の場所は、現在の写真で右側にある3本の旗ポールの前です。
落居海岸(静岡県南伊豆町)
画像:日産ディーゼル工業カタログ(1980)
撮影:落居海岸(2024.2.3)
1車線の道を渡るフルデッカーを俯瞰した写真。これだけの写真なのに、なんとYS様からの情報で場所が判明。南伊豆町の落居海岸に向かう橋だそうです。
しかし、聖地に行ってみると、普通自動車でもすれ違いが出来ないような橋。それに、この先は行き止まりの集落なのです。
撮影:落居海岸(2024.2.3)
渡り終わった先で、道は急なUカーブ。進行方向のまま、今渡った橋をこのように撮影できるほどの角度です。
ロケに使ったバスは、なぜこのような道に入り込んだのか。そして、どのように方向転換して戻ったのか。
撮影:落居海岸(2024.2.3)
実はもう一つ謎があります。
橋を渡るバスを上から撮っていますが、上は崖。写真を撮れる場所がないのです。もちろん、当時はドローンなんてありません。
上の方を通るマーガレットラインから見下ろしてみましたが、橋は見えませんでした。
伊豆堂ヶ島
画像:日産ディーゼル工業カタログ(1980)
撮影:堂ヶ島(2024.2.3)
海岸沿いの道路を走るフルデッカー。
私は道路から降りて撮影してしまいましたが、その後ろの国道の縁石の形状は、カタログの写真とほぼ同じでした。
駿河湾(内浦長浜)
画像:日産ディーゼル工業カタログ(1980)
撮影:沼津市(2024.2.3)
富士山を背景に、岸辺に停車中のフルデッカー。
最初は、箱根の湖畔かと思いましたが、富士山と手前の山との位置関係から、沼津付近からの眺めと考え、沼津の内浦あたりの海岸線を走ってみました。
道路と海岸が接している場所で、漁船がそれなりに停泊している長浜のあたりがよく似ていました。