坪井英語塾 ── 総合型選抜コース
慶應義塾大学文学部 自主応募制推薦 出願(高3・11月)までの16か月 ── 指導の道筋
これは合格を保証するものではなく、現時点での見立てです。各段階の長さは、本日測るお子さまの現在地に応じて調整します。
- この入試が問うもの
- 面接はありません。文章と英訳だけで決まります。
- 合否の主戦場
- 総合考査Ⅰ ── 300字の記述2問+和文英訳2問。
総合考査Ⅱ ── 400字の小論文。 - だから必要なこと
- 硬い日本語を読み解く力。そして、それを英語で書き直す力。
この二つを、並行して育てます。
二本の線で進みます
日本語
読めるようにする
3〜6か月
哲学・民俗学・社会学の文章を、少しずつ読む。語句の意味を押さえるだけでなく、どこが主張でどこが根拠かを掴めるようにします。あわせて背景となる知識も薄く広く。
日本語
三〇〇字で書く
読解のあと
読んだ文章の論理を、三〇〇字で組み直して書く。本番の設問1・2はこの形です。筆者の骨組みを再現できているかを、毎回添削で確かめます。
合流
本番の形で解く
高3・春から
一つの論考を読み、三〇〇字の記述を二問、そして波線部の英訳を二問。総合考査Ⅰはこれを一二〇分で行う試験です。総合考査Ⅱの四〇〇字も、時間を計って書く訓練へ。
二本の線がここで一つになります。合流してから慌てないために、前の1年があります。
仕上げ
出願と本番
高3・10〜11月
自己推薦書を仕上げて出願。日吉での総合考査Ⅰ・Ⅱへ。
英語
土台をつくる
3〜6か月(本日の診断で確定)
文法の穴を埋め、語彙を増やす。平易な日本語を正確な英文にする訓練を反復。ここで見るのは英語の正確さだけです。
英語
橋を架ける
土台のあと
硬めの評論を一段落ずつ英訳。日本語の難しさと英語の難しさを、同時にではなく片方ずつ上げていきます。
それぞれの線に、次へ進む合図を置いています。「完成」を待たず、この線を越えた時点で次を重ねます。
先のことほど、輪郭だけを描いてあります。近い部分ほど具体的に。
同時に、ずっと続けること
まず、最初の3か月にやること
二本の線を、同時に立ち上げる
ここが最も具体的です。入塾後すぐ、この形で始めます。
日本語
- 硬い文章を、短いものから一つずつ読む
- 出てくる語の意味を、その場で理解できるようにする
- 「筆者は何を言いたいのか」を一文で言う練習
- 新書を一冊、読み切るところから
- 読む本の方向を決める(能力主義・平等・働き方と時間・ケア・AIと人間など)
英語
- 文法のどこに穴があるかを特定し、そこだけを埋める
- 語彙を、行き当たりばったりでなく計画的に増やす
- 平易な短文の和文英訳を反復し、正確さを固める
- 難しい日本語を、やさしい日本語に言い換える練習
進め方 ── いまは高1・高2準備コース(月3回・1回90分)。高3からは、出願書類の添削を組み込んだ高3コースへ切り替えます。
書く作業は、持ち帰らせず、その場で書いてもらいます。時間が空くと「なぜそう書いたのか」を本人が思い出せません。書いた直後に、その場で意図を聞きながら直す。この往復が指導の中身です。時間を計って書く習慣も、ここで自然につきます。
この計画の根拠
過去二年の問題を調べたうえで組んでいます
形式は二年続けて同じでした。だから、やるべきことが絞れます。
分かっていること
- 総合考査Ⅰ ── 二四〇〜三〇〇字の記述が二問、波線部の英訳が二問
- 総合考査Ⅱ ── 三二〇〜四〇〇字で自分の考えを述べる
- 記述は「著者の主張に基づいて」。自由な作文ではなく、本文の論理を組み直す問題
だから、こうします
- 三〇〇字と四〇〇字を、別の訓練として反復する
- 出題される本は刊行まもない新書が続いています。読む本の方向を、そこに合わせます
- 英訳は難しい単語を覚えるより、やさしく言い換える力で取ります
坪井英語塾 ── 体験 診断課題
読解・記述の課題 次の文章を読んで、あとの設問に答えてください。
「役に立つ」という言葉は、いつのまにか人を測る物差しになった。学校の勉強も、日々の労働も、それが何かの役に立つかどうかで価値を判じられる。役に立つ人間は歓迎され、役に立たない人間は静かに脇へ追いやられる。私たちはこの物差しをあまりに深く内面化しているため、自分自身の価値さえ「どれだけ役に立つか」で採点してしまう。
だが、少し立ち止まって考えてみたい。ある人が「役に立つ」と言われるとき、それは誰かにとって、何かの目的のために有用だ、という意味である。つまり有用性とは、常に他者の目的に従属した価値なのだ。目的が変われば、有用性も消える。昨日まで重宝された技能が、今日は無用の長物になる。有用性だけを頼りに生きる者は、他人の設定した目的の風向き次第で、自分の価値がいつでも吹き飛ばされる不安から逃れられない。
ここに、近代という時代の逆説がある。近代は人間を身分や血筋の束縛から解き放ち、「何者にでもなれる」自由を与えた。しかしその自由は、裏を返せば「何者かにならなければ価値がない」という重圧でもあった。かつて人は、ただそこに在るだけで共同体の一員だった。いまや人は、絶えず自分の有用性を証明し続けなければ、居場所を確保できない。自由の獲得は、証明という終わりなき労役と引き換えだったのである。
では、有用性という物差しから降りることはできるのか。私はできると考える。手がかりは、「弱さ」のうちにある。人は、一人では立てないからこそ他者を必要とする。助けを求める声は、それ自体は何の役にも立たない。しかしその無力な声が、他者を動かし、関係を生み、そこに支え合いの場を立ち上げる。役に立たないものが、役に立つものには決して作れない何かを生むのだ。弱さとは、埋めるべき欠陥ではなく、人と人とをつなぐ結び目にほかならない。
有用性の物差しは、私たちに「もっと役に立て」と急き立てる。その声に従う限り、私たちは永遠に足りない。だが、役に立たない時間、役に立たない存在、役に立たない弱さにこそ、実は人間の尊厳が宿っている。それを思い出すことができれば、私たちは他人の目的の道具であることをやめ、ようやく自分自身の人生を生き始めることができるだろう。
設問1 傍線部「有用性とは、常に他者の目的に従属した価値なのだ」とあるが、それはなぜか。筆者の主張に基づいて、二四〇字以上三〇〇字以内で説明しなさい。
設問2 筆者は「弱さ」を、有用性の物差しから降りる手がかりだと述べている。それはどういうことか。筆者の主張に基づいて、二四〇字以上三〇〇字以内で説明しなさい。
坪井英語塾 ── 体験 診断課題
英訳の課題 次の日本語を英語に直してください。分かるところからで構いません。
- (1) 彼女は医者になるために、毎日遅くまで勉強している。
- (2) 技術の進歩は、私たちの生活を便利にした一方で、新しい問題も生み出した。
- (3) ある社会がどれだけ豊かかは、経済的な数字だけで測れるものではない。
- (4) 役に立たないように見えるものが、役に立つものには作れない価値を生むことがある。