2010年2月例会


民藝
『林の中のナポリ

高原のペンションに現れた謎の女性
山田太一氏書き下ろしの珠玉作


作/山田太一
演出/丹野郁弓


《出演》
伊沢かの子/樫山文枝
小野寺信一/伊藤孝雄
    直子/日色ともゑ
   清美/中地美佐子
安藤峰子/有安多佳子
黒崎昭一郎/神 敏将
毛利善江/渡辺えりか
川野美樹/望月香奈
太田夏代/飯野美穂子
平井るり/藤巻るも

           装置/勝野英雄
           照明/前田照夫
           衣裳/緒方規矩子
           効果/岩田直行
        舞台監督/中島裕一郎

 


樫山文枝   伊藤孝雄   日色ともゑ

中地美佐子

《あらすじ》
 夫婦(伊藤孝雄・日色ともゑ)と離婚して戻った娘(中地美佐子)と3人で経営する高原のペンション「林の中のナポリ」。スキー場もなく、冬は客ががたりと減ってしまうのが悩みです。

 客がいない原因の一つはインターネットのせいでもあるのです。主人の信一を、暗い、気味が悪いという書き込みがあったのです。そのため信一は調理場を出ないで、母と娘でやっているという印象を装うことにしています。
 ある雪の夜、娘の清美が駅で宿を捜していた一人の女客、伊沢かの子(樫山文枝)を掴まえてきました。70代半ばで、軽い旅には不似合いな大きなトランクをひきずっています。
 信一は、女客に過去の記憶を呼びさまされ、女客も信一に、かつての悲劇を感じます。しかし、それは40年近く昔のことで、すぐにははっきりしません・・・。
 そのまま、かの子は一泊二泊四泊五泊と居続けるのでした。妻の直子は、一人だけの客のために使う光熱費や気づかいで女客を持て余しはじめます。宿帳にある電話番号は使われていないし、住所もでたらめのようです。一体、この老女は何者なのでしょうか?世界を歩き回って来たように言う老女は、何をしようとしているのでしょう?
 38年前、ストックホルム郊外で、3人の青年が死ぬ自動車事故があったのですが・・・。

              日 程
会  場 日 程 昼の部 夜の部
安佐南区区民センター
ホール
2/4(木) -  18:30
2/5(金) 13:00 -
アステールプラザ
大ホール
2/8(月) -  18:30
2/9(火)  13:00  -
上演時間1幕50分 休憩15分 2幕55分 予定
    
希望日締切り12月28日(月)
   シ−ル発行  1月18日(月)

★内容、舞台写真は劇団の承認を得て掲載しています
 
老いはいくつもの別れを重ねます。親しい人々の死で周囲との糸が切れて行き、二度と見ることはないと予感しながら景色と別れ、ある日、思い出の置き場所がないような小さな部屋へ移ることになるのも別れのひとつです。
 それを「嫌だ」と思った女性がいました。嫌だと言っても仕様がない。現実には、他の選択肢はない。でも「嫌だ」と彼女は「わがまま」を自分に許しました。考えないで、トランクひとつ提げて旅に出たのです。


 山田太一
代表作 テレビ 「岸辺のアルバム」「獅子の時代」
           「早春スケッチブック」「ふぞろいの林檎たち」

     舞台 「ラブ」「日本の面影」「二人の長い影」

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