torauman
「トラウマン」
怪獣が現れ、それを人間が変身、巨大化して戦うというよくある特撮ヒーロー物。
「鳥型怪獣やっつけろの巻」
暴れる巨大怪獣。このままでは街が破壊されてしまう。そこにトラウマン登場。プロレス技の連発。怪獣は弱った。最後の必殺光線を発射しようとしたとき、鳥型怪獣が弱々しいうめき声をあげた。
「ちぃ〜〜〜、ちぃ〜〜〜〜〜」
トラウマンは苦しんだ。昔、自分が飼っていた小鳥に水を与えず殺してしまったことを思い出したのだ。必殺光線を浴びせれば、怪獣は死ぬ。しかし殺してしまったことに対する罪が、さらに自分を苦しめる。どうなるトラウマン!
場面は変わり、学校の体育館、フロアの中央に椅子がある。真っ暗な中で主人公が座っている。どこからともなく声が聞こえる。
「何故、あのとき水をやらなかったのだ?」
「仕方なかったんだ。どうしても行きたいところがあったんだ。」
主人公が答える。
「小鳥を殺してまで、行きたかったのか?」
「ちがう! ちがう!」
〜このような場面が約20分間続く〜
主人公の幼い姿が現れる。
「いまからでも遅くはないよ・・・」
「そっ、そっ、そうか!解ったぞ!」
主人公に光が射し、元の決闘の場面に戻る。
トラウマンは必殺光線をやめ、巨大なホースを取り出した。そこからは大量の水があふれている。鳥型怪獣につかみかかると、ホースを口に押し込んだ。鳥型怪獣は大量の水を飲まされた。大量の!大量の!大量の水は、ついに怪獣の内蔵を破裂させた。怪獣は死んだ。
トラウマンは勝利した。正義の味方は、怪獣に勝利しただけでなく、自分のトラウマにも勝利したのだ。闘え!トラウマン! 地球の平和のために! そして自分の精神治療のために!
次回のトラウマン 「猫型怪獣やっつけろの巻」 どうぞお楽しみに・・・・!