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  歌のたとえを考察する その1


「君の瞳は10000ボルト」という曲があります。
女性の情熱的な眼差しを表すのに電気の単位を用いるのはとても興味深いです。
しかし、ボルトという単位は電圧を示すものです。
家庭用交流電源が100ボルトであること比較すると、
1万ボルトは、一聴するとスゴイ電気という気がしますが、
物理的には、電位差を示すものであって威力を示してはいません。
静電気のパチパチ程度でも10000ボルトなのです。
瞳が静電気程度のキラメキでは歌としてふさわしくありません。

別な単位を用いたらどうなるでしょうか。
「君の瞳は10000ワット」
ワットは電力の単位です。
同時にどれくらいの電気料金を消費するかを示します。
1000ワットの電子レンジと比較すると、
1万ワットの女性は、かなりの浪費家なイメージになります。

「君の瞳は10000ワット時」
ワット時は電力量の単位です。
現在、1キロワット時が、¥23円なので、
1万ワット時は、¥230円となります。
¥230円の瞳は、6個入りのチョコパイ程度です。

「君の瞳は10000オーム」
オームは電気抵抗の単位です。
しかし、言葉の響きから考えると、
女性が何かの信者のように思えてしまいます。

「君の瞳は10000アンペア」
アンペアは電流の単位です。
電流は実際にどれくらいの電気が流れるかを示します。
人間は、体に0.05アンペアが流れただけで死にいたるそうです。
1万ボルトは、人間20万人を殺傷する威力があります。
20万人を悩殺する瞳。
歌としては、アンペアを使うことが一番ふさわしいと思います。

「目からビーム!!」

「・・・地上に降りた最後の天使・・・」
・・・ってキングギドラかよっ!


  2004.4.30




  歌のたとえを考察する その2


「翼をください」という曲があります。
人にはない翼を得て、空を飛びたい、自由になりたいという内容です。
翼すなわち天使の羽は、オタクの重要な記号です。
人物のイラストに何か不足している場合には、
とりあえず羽を付けます。
西洋美術にも多いです。
ネコの耳も同様です。
それはともかく、翼だけで人間は飛行可能なのでしょうか。
スズメ、ハト、カラスなどの鳥類を観察すると、
飛び立つときにかなりの力を入れています。
楽に飛んでいるという印象はありません。
飛ぶことを可能にしているのは、胸の筋肉です。
鳩胸という言葉があるように、鳥には強力で大量の胸の筋肉が必要です。
人間にたとえるなら、ボブ・サップ級の胸です。
もし、本当に空を飛びたいという意志があるなら、
「翼とボブサップみたいな胸をください」
という歌を唄ってみてはいかがでしょうか。
これで君も立派なビーストだ!


  2004.4.4




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