天体観測


午前二時踏切に望遠鏡を担いでった

ベルトに結んだラジオ 雨は降らないらしい

二分後に君が来た 大袈裟な荷物背負ってきた

始めようか天体観測 帚星を探して

深い闇にのまれないように精一杯だった

君の震える手を握ろうとしたあの日は

見えない物を見ようとして望遠鏡を覗き込んだ

静寂を切り裂いていくつも声が生まれたよ

明日が僕等を呼んだって返事もろくにしなかった

今という帚星 君と二人追いかけてた


気が付けばいつだって ひたすら何か探してる

幸せの定義とか悲しみの置き場とか

生まれたら死ぬまでずっと探してる

さぁ、始めようか天体観測 帚星を探して

今まで見つけた物は全部憶えている

君の震える手を握れなかった痛みも

知らない物を知ろうとして望遠鏡を覗き込んだ

暗闇を照らすような微かな光探したよ

そうして知った痛みを未だに僕は憶えている

今という帚星 今も一人追いかけてる


背が伸びるにつれて伝えたいことも増えてった

宛名の無い手紙も崩れるほど重なった

僕は元気でいるよ 心配事も少ないよ

ただ、一つ今も思い出すよ


予報はずれの雨にうたれて泣き出しそうな君の震える手を

握れなかったあの日も

見えてる物を見落として望遠鏡をまた担いで

静寂と暗闇の帰り道を駆け抜けた

そうして知った痛みが未だに僕を支えている

今という帚星 今も一人追いかけてる

もう一度君に会おうとして望遠鏡をまた担いで

前と同じ午前二時踏切まで駆けてくよ

始めようか天体観測 二分後に君が来なくとも

今という帚星 君と二人追いかけてる

end...





Copyright © 2003 BUMP OF CHICKEN All Rights Reserved.
Unapproved reproduction and diversion of all the contents carried on this page are forbidden.