グングニル


そいつは酷い どこまでも胡散臭くて安っぽい宝の地図

でも人によっちゃそれ自体が宝物

コイツは凄い財宝の在処なんだ

信じ切った彼もとうとうその真偽を

確かめる旅に出るとする

誰もが口々に彼を罵った

「デタラメの地図に目が眩んでる」って

容易く人一人を値踏みしやがって

世界の神ですら彼を笑う権利なんて持たないのに


そいつは酷い出来映えだがこつこつ地道に作り上げた

自前の船 彼にとっちゃ記念すべき最初の武器

荷物を積み、別れを告げ、朝焼けの海に帆を張った

こらえきれず掲げた拳響き渡るときの声

そいつは酷い どこまでも胡散臭くて安っぽい宝の地図

でも、誰にだってそれ自体が宝物

本当にでかい誰もが耳疑うような夢物語でも

信じ切った人によっちゃ自伝になりえるだろ

誰もが遠ざかる船を呪いだした

「願わくば高波よ悪魔となれ」

容易く覚悟の前に立ちはだかりやがって

夢の終わりは彼が拳を下げた時だけ

死に際の騎士 その手にグングニル

狙った物は必ず貫く


誰もがその手を気付けば振っていた

黄金の海原を走る船に向けて

自らその手で破り捨てた地図の

切れ端を探して拾い集めだした

容易く自分自身を値踏みしやがって

世界の神ですら君を笑おうとも俺は決して笑わない

船は今嵐の真ん中で

世界の神ですらそれを救う権利を欲しがるのに

end...






このページに掲載されているあらゆる内容の無断転載・転用を禁止します。
Copyright © 2003 BUMP OF CHICKEN All Rights Reserved.
Unapproved reproduction and diversion of all the contents carried on this page are forbidden.