スケッチ館

第17回 出石町・辰鼓楼

但馬の小京都と呼ばれる出石町(兵庫県)の辰鼓楼(しんころう)です。辰鼓楼は明治四年(1871年)旧三の丸大手門脇の櫓台に建設された鼓楼で、当時は一時間ごとに太鼓で時(辰)を告げていたそうです。明治十四年に藩医、池口忠恕氏が大時計を寄付してからは、時計台として親しまれ、今では三代目の時計が時を刻み続けています。出石町といえば皿そばが有名です。その歴史は古く、宝永3年(1706年)に蕎麦が沢山穫れる信州上田から国替えになった仙石氏により伝来したといわれています。お店での注文は至ってシンプルで、何人前かを注文するだけで出石焼の小皿に盛られたそばと、薬味、徳利に入っただしが運ばれてきます。伝統ある「三たて」(挽きたて・打ちたて・茹がきたて)製法によるその素朴なコシと風味は、出石代表的味覚です。家族旅行の途中立ち寄った時にスケッチしたものです。