ゆもとっと スケッチ館

このペこのページは、ゆもとっとが描いた葉書絵「スケッチ館」です。
 バイクに乗って近郊をツーリングした際に、
気に入ったところでバイクを止め、
白い葉書に色鉛筆で描いたものです。
描いた絵にまつわるエピソードなどを調べて書き添えました。
つたない絵ですが、自分にとってはそれぞれに想い出深いものです。
順次掲載していきますので、どうぞご覧ください。

第1回 野間の大けやき

野間の大けやき大阪郊外の豊能郡能勢町。周囲を山に囲まれ、緑豊かな山里の南東部に、青空に届かんばかりの一本の巨木がそびえている。
 高さ33メートル。推定樹齢は1000年以上というものの、樹勢は衰えを知らず、東西42メートル、南北38メートルに広がった枝に青々と派が茂る。
 環境庁の全国巨樹調査では、ケヤキとしては大阪府でトップ、全国でも四位に選ばれている。木というより、小山を思わせる。
 平成元年3月に、町が枯れている中央部の枝を切ろうとしたところ、電動ノコギリの熱で、空洞の部分の木クズが燃え出すという事件があった。バケツ50杯ほどの水をかけても火はやまず、消防団が出動してようやく消し止めたが、切った枝が作業員に当たってケガをするというおまけまでついた。
「神木を切った天罰やな、とみんな言うてな」と、近くに住む向井喜芳さん(86)はいう。
 この木はもともと、紀貫之をまつった蟻無宮(ありなしのみや)神社の神木だった。明治40年、神社は野間神社に統合されたが、木だけは残された。
 根は500メートル離れた隣の集落まで伸び、水田の養分を吸っているというためか、神社は農業の神様とされてきた。春、ケヤキの発芽の良し悪しが、その年の豊凶を占うという。
 向井さんは、もの心ついたころから大ケヤキとともに育ち、20年間、落ち葉や観光客が捨てたゴミの掃除を続けている。昭和17年に始めた「ケヤキ日記」も欠かさず、今では大学ノート36冊分になった。
「村人の誇りであり、心の古里でもある木です。永久に残さんといかんのです」と向井さん。「ケヤキじいさん」の目が輝いていた。
 町では、毎年5月15日に五穀豊穣を願う「願込祭」と、9月15日の「願済」の風習が、いまも守り続けられている。
(「新・日本の名木100選」読売新聞社 1990)


このケヤキは本当に大きく、とてもハガキサイズのスケッチで描きあらわせるものではないかもしれませんが、わざと葉書からはみ出すように描いてそのスケールの大きさを表現しました。今から約4年半も前に描いたものです。手前に描いたのが我が愛車「ハーレーダビッドソン・スポーツスターカスタム・XL1200C」です。(ゆもとっと)