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File.7「食べ過ぎる女」の症状と治療法
今回の症状
今回、患者の西条 茜は過食嘔吐を繰り返すという「摂食障害」が症状です。
また、母親である西条 綾子も娘に対する重度の依存が行われていました。
摂食障害について
摂食障害というとあまり聞き覚えはないかもしれませんが「過食症」「拒食症」ならあると思います。
今回の「過食嘔吐」も同じ分類に入ります。
摂食障害とは主に青年期の女性に発生し男性はあまり例が多くありません。
これは生理的に起きるのではなく「精神的」なものから引き起こされます。
分類として1.神経性無食欲症(=拒食症)、2..神経性過食症(=過食症、過食嘔吐)に分けられます。
1のほうは自分では自覚が無いので周りの人が言ってあげないと治療すら出来ない場合があります。
原因としてストレスによって食べる気を無くしてしまうケースが多いようです。
2のほうは自分で自覚があるため、治療は1よりスムーズに行われます。
こちらも原因はストレスから来ているので根元を断つほうが大変ですが…
今回の原因
さて、今回の茜の過食嘔吐の原因ですが過度のストレスから来ています。
父親と母親の関係に強く束縛された彼女は「自分の生き方」なるものが出来ません。
反面、心は自分らしく生きることを望んでいます。
しかし、そう出来ないのは何故か?
それは母親が娘、つまり茜に強く依存しており、無意識で茜はそれに気付いて支えようとも考えていたからである。
このように心の出口がない状態で出口のなったのが「嘔吐」だったわけです。

トイレで吐く茜。そして、トイレにまで干渉する母親
依存症
さて、母である綾子の娘に対する依存ですがそもそも「依存」とはなんでしょうか。
依存とは特定の物質(酒や麻薬、煙草など)の摂取や
ある行為(食べること、セックスなど)に対する欲求のコントロールが行えないことを言います。
(依存症を取り扱った章はFile.13「セックス依存症」で書いています。)
今回の彼女は娘に依存、つまり娘より上の立場に立って干渉をするという行為を日常的に行うことによって
「強い女」の仮面を被り自分自身を保っていました。
楷はそれに気付き、茜が家出した後に彼女がカウンセリングを受けに来るだろうと予想していましたね。
治療法
少し話がずれましたが摂食障害の治療法はシンプルです。
ストレスの原因を断つだけなのですから。しかし、簡単かと言われると難しい。
今回のケースでは茜が自立をして自分のために生きる、という抑圧からの解放で行われました。

家族との訣別
しかし、現実のケースでは「簡単には抜け出せない人間関係」であることがほとんどです。
簡単に解決できるようなら自身で解決しているでしょう。
しかし、出来ないから「発症」してしまいます。
やはり、丁寧にカウンセリングを続け原因を特定し、最後には何かを切り捨てる勇気が必要なのかもしれません。

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