間人温泉 海雲館〜天橋立 他

2009.10.03(sat)-04(sun)
今回の旅は、我が家の次女2歳のお誕生日記念旅行。
とはいっても、我が家の次女の誕生日は9月19日で、今年のその日はシルバーウィーク幕開けの日。遊びに行ってくださいと言わんばかりの、絶好のお出掛け日程。
が、しかし、またも我が配偶者の代休無しのきゅうz(以下、最後までタイプするのも忌々しい言葉なので省略)


というわけで、若干日程がズレてこの日に決行。
そして決行日決定に難航した以上になかなか決まらなかったのが、行く先(宿)。
どこに行こうか、どこの宿がいいだろうかと散々悩み決められず、結局二冊の全く異なる地域のガイドブックを購入し比較検討。
そんなこんなでようやく最終候補を全く異なる地域の二つのお宿に絞り、そこからまた散々悩みに悩んでなかなか決められずにいたのだが…結局最後は予算の都合で今回の地(宿)を選ぶ事と相成った。

というわけで悩みに悩んで決めた今回の子連れプチ旅行の行く先は、丹後半島です。


福知山の欧風家庭料理 ぱれしゃとう
昼食は、この日の目的地に向かう途中にある福知山駅周辺で採る事に。
ガイドブックで見つけ、ネットでの口コミ評判がなかなか良かったこのお店、「ぱれしゃとう」。
ビルの真下まで辿り着いたので駐車場の在処を聞こうとお店に電話をしてみた所、別の場所に移動しました…との返事。再びお店探して徘徊再開。

暫し車でグルグルとさ迷っていると、店舗ではなくお店の駐車場を偶然発見。
建物を見上げてみると、半分潰れたようなショッピングセンター。
え?ここなの?!

半信半疑で車を停めてみると、すぐ近くに看板とこのお店のシンボルであるというコックさんの人形を発見。
コックさんが持つプラカートに「ぱれしゃとうは、こちらの階段から」と書いてある。
こちらの階段、どうみてもショッピングセンターの裏入口、もしくは非常口です。
そんな階段をガシャンガシャン音をたてながら登る。
そして見えてきた入口は、やはりショッピングセンターの裏入口、もしくは非常出口としか思えぬ扉。
何かの間違いなんじゃ…?恐る恐る扉を開く。
するとそこは、なんだか酷く懐かしい気持ちになれる空間が広がっていた。
型の古いカラオケマシーンが置いてあり、何故か百科事典の類が本棚を占領している。
全体的に雑然とした店内。
私が高校生くらいだった頃、こういう喫茶店が駅前にあったっけ。
そういう雰囲気のお店、それが「ぱれしゃとう」。


さて、およそお洒落な店とは言い難いぱれしゃとうだったが、お味の方はなかなか美味しかった。ソースが非常に美味で良い。
こちらのオーナーシェフは、長年ホテル勤務で培った腕で、「お箸で気軽においしいフランス料理」をモットーとし提供しているとの事なのだが、なるほど、納得。
確かにこの空間は、気取らず気楽に食事を楽しめる。
もしかすると、この雑然とした店内もそれを狙っての事なのか?とまで疑ってしまう程。

*画像は、お子様セット600円
我々親は、サービスランチセットを注文。
十種類以上ある中からメインの料理を一つ選べ、それにカップスープ、サラダ、ご飯orパン、コーヒーor紅茶がセットになってお値段800円はお得。
ボリュームはないので我々家族のような大食漢にはやや物足りないが、普通の食欲の方には充分な量だと思う。
我が配偶者は、「お魚の取り合わせロースト」をチョイス。
無類の肉好きである私は、「ビーフステーキとお肉料理」を(画像下)。
所で私は、食べ物の香りに非常に敏感。安いランチセットだと、肉を口に含んだ時に嫌な匂いを感じ取ってしまいゲンナリしてしまうのだが、こちらのお料理は一切そんな事がなかった。
火の通り加減も良い感じなのも良い。



もしこのお店が我々の居住区近くにあったのなら、頻繁ではないにしても定期的に足を運ぶだろうと思われる。
ぱれしゃとう
京都府福知山市駅前町196番地ー7
福知山北口駅前 福知山ファミリー2階
TEL0120-20-9139
営業時間:11:00〜22:00
定休日:不定休
子ども椅子:△(椅子に乗せて座高を高くする厚手の座布団あり)
子どもメニュー:あり
子ども用フォーク等:あり
煙草:不明


日本最大の鳴き砂浜 琴引浜
「はい、これ領収書。駐車場に入ったら、わたしと同じ服装をしたガイドがいるから、この領収書を見せれば色々教えてくれますから。」
高いなと思いつつ言われるがままにお金を払い、領収書を受け取る。

「駐車場代が必要なの、海水浴シーズンだけかと思ったよ。」
支払った駐車場代、1000円。高いなぁ。
泳ぎに来て一日中ここに居るならともかく、ちょっと浜遊びするだけなのでこの値段が高く感じてしまう。

こうして高い高いとブツクサ言いながら駐車場の奥に侵入。
そして車を停車させてみれば、眼下一面に広がる白い砂浜と真っ青な海。海水の透明度もかなり高い。
うわー、綺麗。
なるほど先ほどの高いと感じた駐車場代、この浜の環境保護のために使われるのならば、それはちっとも高くないな。

駐車場には切符切りのおじさんが言っていた通り、ガイドをしてくれるおじさんがいた。我々よりも先に来ていた観光客相手に何やら説明している。
早速我々もそれを聞くべく、ちゃっかり先人観光客の輪の外に紛れ込む。

「じゃぁ、砂の鳴かせ方を教えましょうね。」
先人観光客が帰り、広い砂浜には我々家族のみ。ここは、日本最大級と言われている鳴き砂浜である琴引浜。やって来たからには、鳴かせてみなくては。
なんたってここで遊ぶために私は、わざわざヒールのないドライビングシューズを持参し、この地に到着するなりそれに履き換えていたんだから。
さぁ、早速試してみるぞ。

ガイドさんがやった通りに見よう見真似で足を磨るようにして砂の上を歩くと、キュッキュと不思議な音がする。手で軽く砂浜をなぞってみても、やっぱりキュッキュと不思議な音。
へぇ、面白い。
この音の正体は、石英という砂粒なのだそうな。そして砂浜がやけにキラキラと輝いているのも、この石英の仕業なのだとか。
へぇ、二重に面白い。

「ママー、見て見て、綺麗な貝が落ちてるよ。」
先ほどまで仏頂面だった子ども達だが、海に到着した途端の満面の笑み。
ガイドさんの真似をして砂を鳴かせて遊んでいたかと思うと、次は貝殻拾いに熱中。
むむ、これは下手に寄り道せず、真っ直ぐにここに来るべきだったなと反省。
私もこっちの方が楽しいし。
泳げなくても、我々家族はやっぱり海が好きなんだなぁ。

ちなみに寄り道というのは、福知山鉄道館ポッポランド(しかも商店街アーケードの中にあるというのを知らず、アーケー前ドまで来て入場断念)や丹後ちりめん歴史観(しかも見るだけ見て何も買わず)。
本当に真っ直ぐここに来るべきだったよ…
それにしても、大小形様々・色とりどり色んな貝が落ちている。
そういえばこんな風に浜辺に綺麗な貝が落ちているという風景を見るのは、とても久しぶりな気がする。
私が子どもの頃、故郷の海辺には一片も欠けていないほぼ完璧な形の桜貝(ベニガイ)がいくらでも落ちていて、二枚貝の状態のままの物だって珍しくなかった。
それがいつ頃からだろう、欠けた状態の物ですら見つけられなくなってしまった。

ああ、そういえば、高校生だった頃、授業を抜け出して浜辺に遊びに行った事があった。友人と並んで波が砂浜を洗う度にそこからいくつものアサリ貝が半分顔を出し、皆こぞって慌てて砂浜の中へと潜っていく姿を飽きもせずずーっと眺めたっけ。
「この子(貝)達、一体一日に何回こうやって潜る作業を繰り返すんだろう。一生こうやって過ごすのかな」と呟いた私に、「詩人やなー」と一斉に突っ込みが入ったりしたっけ。
そんな風に簡単にアサリの姿を見つけられる時代だったんだよな。今じゃ、そんなの無理だ。
って、よくよく考えたら、高校時代なんて20年以上も昔の話じゃないかorz

そんなノスタルジックな気持ちに浸りつつ、子どもらと共に夢中になってせっせと貝殻を拾う。
流石に桜貝の姿を見つける事は出来なかったけれど、メダカラキリオレガイはいくらだって拾う事が出来た。
そうそう、これまた私が子どもの頃に浜辺でよく見掛けた「甲イカの骨」も発見。
これ、飼っていた鳥の餌にするために海に拾いに行ったりしてたっけ。
懐かしいなぁ。
ちなみに次女はーちゃんも一生懸命貝拾いをし、それを大事そうに紅葉の如き小さな手の中に包み持っていた。
そしてその拾った小さな貝殻達を、車の中でガリガリと食べてしまったorz
いくら食いしん坊だからって、一生懸命拾った貝殻を食べるとは…

砂浜だけでなく、岩場もあり、ここでは小魚鑑賞やヤドカリ捕獲をして遊ぶ。
エチゼンクラゲの死体が幾つも漂着していたのが少々気持ち悪かったが、これはこれで良い体験。


こうしてたっぷりと浜遊びを堪能し、予定滞在時間を大幅オーバーし、次なる目的地、今回のお宿へと向かう。

全長1800mにも及ぶ琴引浜には、浜辺に天然の露天風呂もあります。
http://www.meitenkan.com/spots/aminochou/kotobikihama/←こちらのサイトには、浜辺の様子を窺う事が出来るライブカメラが有ります。

間人(たいざ)温泉郷 海雲館
開放感溢れるどこまでも続く水平線を車窓に眺めつつ車を走らせる事約15分。本日の最終目的地、今回のお宿である「海雲館」に到着。
が、しかし、それまでの開放感たっぷりの水平線は何処へやら.
こちらのお宿、オンザビーチならぬオンザハーバー。オーシャンビューならぬ、ハーバービュー。
思いっきり入り組んだ漁港の目の前に建っていた。
本館・別館合わせても、全客室12というこじんまりとしたお宿。
我々が宿泊した本館は、全客室展望風呂付きのお部屋。
というわけで、先ずはお部屋のお風呂のお話から。


こちらのお湯、ナトリウムカルシウム硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性温泉)。宿泊部屋のお風呂も当然温泉。
展望風呂という事で、眺めはそこそこ楽しめても開放感はかなり低め。冬の吹雪対策のためか、二重窓になっていてそれは上部1/3部分のみ開閉可能。
また窓からの眺めも漁港とあって、素晴らしい眺望・開放感は望めず。
風呂釜も大人一人と子ども二人が入るのには充分とはいえ、あまり広くはない。

どうしても今年の春に旅した伊勢の「はいふう」の記憶が新しいために、あの開放感たっぷり・風呂釜広々・浴室スペース広々のお風呂と比較してしまう。その所為もあって、このお風呂のポイントはやや低し。
解放感と眺望を楽しみにしていただけにちょっと残念。

さらにもう一つ残念ポイント。
お風呂の桶と椅子がプラスチック製で興ざめ。
しかもどうせプラスチック製を使うのなら、ピンクや青のいかにもプラスチック!!!といった物ならまだマシなのに、木目調のプラスチックというのが何ともはや。
手に取り、「あれ?…これプラスティックだ」と気づいた時のガッカリさ加減ときたら……





と、散々あーだこうだ言っておきながら、滞在中7回もこのお風呂に浸り、楽しませていただいた。
漁港を出入りする漁船を眺めたり、テトラポットの上で釣りを楽しむ人々を観察したり、漁港内を仲良く並んで泳ぐカモのつがいを見たりと、普通のオーシャンビューとは違う楽しさを発見してしまったのがその理由。
漁港ウォッチング、なかなかオツかも。
次にお部屋について。

仲居さんに案内され、部屋へ足を踏み入れた途端、空気がムっとしているのに、「うわっ、なんだ!!!」と驚いた。
部屋の窓を見てみると、そこに傾き始めた太陽の姿。部屋の窓は、思いっきり北西を向いているのだ。
初秋のこの季節とはいえ、こうも思いっきりお日様の光が差し込んできているとなると、部屋がムシムシと暑くなるのも当然か。
しかし、この部屋の窓がこの方角を向いているというのは、つまり夕陽の入りが見れるという事。
夕映えに染まる漁港というのも、なかなかオツでありました。
北西向きの部屋の一長一短。
先にお風呂に開放感がないと記したが、それはお部屋そのものも同様。
これまた「はいふう」との比較になってしまうが、一面ガラス張りの向こうに浴室があった作りと違い、今回の「海雲館」は、部屋と浴室・脱衣所の間に壁が存在する。掘り炬燵のある広緑へ繋がる部屋へは襖があり開閉可能になってはいるが、この壁の存在で解放感が極めて低いわ、日当たりも悪いわで非常に厄介。
我々が到着した日が沈みかけた時間帯はそうでもなかったが、宿を発つ直前の朝の時間帯だと室内灯を点けないと部屋の中が暗かったのはいただけない。

お次に大浴場。
この手の旅館だと日替わりで男湯と女湯が入れ替わったりするのも珍しくないが、こちらの海雲館さんは、男湯・女湯が入れ替わる事はなかった。
男湯大浴場。
部屋のお風呂同様、こちらもガラスを隔てて漁港が望める展望風呂。
ここの風呂桶・椅子も木目調のプラスチック製。
女湯大浴場。
正直、狭くはないがあんまり広くもない。
同じくガラスを隔てた展望風呂。
男湯・女湯共に、ガラスの向こうにはかなりこじんまりとした露天風呂がある。




お風呂に関しては、お風呂目当てにこの宿を訪れると、ちょっとがっかりしてしまうというレベルかもしれない。
旅館のロビー。

古くなく、寧ろ新しい旅館だと思うのだが、華美な所が一切なく非常にシンプルでこざっぱりした宿。
またシンプルでこざっぱりしているのは、旅館内の施設・調度品だけでなく、接客も過剰な接待のない適度な放置っぷりで良い。日本旅館特有の仲居さんのべったりとした接客を好まない我々家族には居心地が良かった。
ロビーの奥には漁港に面したテラスがあり、テーブルと椅子が置いてある。すぐそばにある自販機でカップコーヒーを買って漁港を眺めながらのコーヒータイムもなかなかオツである。






さて、次はお待ちかね(?)の夕食について…だが、この旅館がシンプルな理由も、お風呂にさほど力が入っていない訳も、ここで明かしていこうと思う。
間人温泉郷 旅館 海雲館
住所:〒627-0201 京都府京丹後市丹後町間人1945
TEL:0772-75-0111
公式サイト:http://www.kaiunkan.jp/index.html



「辛いっ!!!」蟹シーズンオフの海雲館 夕食編
間人(たいざ)という地名を、今回の宿探しの最中に初めて耳にした私。初めてその名を聞いた時、マイナーな温泉なんだな…と思った。
が、この間人は、知る人ぞ知る高級蟹の産地なのだと言う。
間人近郊で水揚げされた松葉ガニを間人蟹といい、その品質は、山陰はもちろん日本国内でも屈指なんだとか。

しかし、我々家族がこの間人を訪れたのは蟹のシーズン開幕直前の、いわばこの地のオフシーズン。
そう、我々家族は、この蟹を目当てで間人を訪れたわけでもなく、当然これを食してもいない。
この地の蟹の味を知っている人に言わせれば、「間人に行ったのに蟹を食べていない?一体、何しに行ったの?」といった所だろう。
ちなみにもしこの間人蟹を堪能するコースで宿泊したのなら、今回我々が宿に支払った金額の最低3倍の額を出さなければならない。
げに恐るべし高級蟹間人蟹。

つまり、今回我々がお世話になった海雲館、ここを訪れる人々は、温泉よりも眺望よりも何より蟹を目当てにしているのである。
かなり乱暴な言い方をすれば、蟹さえ食すのにこじゃれた客室など不要!!!という方々が足を運ぶんじゃないかと推測する。



というわけで、今回我々家族は、秋の創作和風懐石12品コースにて宿泊。
蟹シーズンオフのお料理は如何なものか。
私が三度目の温泉を堪能し、身支度を整えている間に仲居さん登場。
夕食は部屋食。最近テリブルツーの片鱗を発揮しつつある次女がいるから、これは有難い。
そして何より、上げ膳据え膳。なんて素敵なんでしょう。



さくっと料理紹介。
個別に画像がないのは、フルーツの食前酒、付き出しの小鉢、高級魚のどぐろの酢の物・煮凝り付き。

先ずは地貝類の桶盛り。

大きな桶にどどーんと四種類の貝類は、帆立、鮑、サザエ…とあと何か巻貝。


貝大好き!!!
どれもこれも当然鮮度抜群でコリコリとした歯ごたえが堪らない。
それにしても、貝のみの桶盛りなんて初めてだ。
地魚のお造り。

「うわぁーーーっ!!!辛いぃぃぃぃっ!!!」
「んっ、辛いっ!!!」
給仕をしている仲居さんは、さぞかし驚いたでだろう。「辛い」を連呼する我々夫婦の姿に。
というのも、まだまだ生の魚を解禁していない我が家の5歳児長女。
海老の姿を目ざとく見つけ、「海老が欲しい」と騒ぎだす前に先手を打ってのこの「辛い」発言。

我が家では、子どもに食べさせたくない物を「辛い」からという理由で諦めさせているのです。「美味しい!!」と叫びたい気持ちを、「辛い!!!」で代弁しているのです。
(刺身に関して:5歳になったので、ボチボチ解禁していこうかな…とも考えていたんだけど、そうすると次女も食べたがって面倒な事になりそうなので躊躇している最中)
蓋物は、海老の野菜あんかけ。

この海老は、伊勢海老?デカイ!!!
我が配偶者も私も、海老好きの子どもらに3/4ほど食べられてしまったけれど、それでも1/4で充分堪能出来る量が残っていた。
身がぷりぷりしていて、引き締まっていて、そして殻からするっと抜ける。これ、海老が新鮮な証拠。
そして海老に負ける事無く、野菜のあんかけも美味で素晴らしい。
焼き物その壱、国産牛と野菜の陶板焼き。

肉、肉、肉、肉ーーーーっ!!!
このお肉が2歳なりたての次女にも無問題。口に含んだ途端、フワっと消えてくれるから。
そして残るは肉の味わいと脂身の旨み。
美味しい、美味しい、美味しいーーーーっ。
いやぁ、美味し過ぎて、美味しいしか言葉が出てこないわ。


画像にはない焼き物その弐は、海老と松茸の網焼き。
焼いてカボスを絞っていただきます。
松茸、凄い久しぶりに食べた。言うまでもなく美味しいーっ。
揚げ物。

エリンギと何か白身の魚と、緑の葉物はなんだろう……
何かは分からないが、美味しかったので無問題。
松茸の土瓶蒸し。

先ずは、そのままでお出汁をお猪口に注いでいただく。
…美味しい。他に言葉が思い浮かばない。只管ただ只管美味しい。

お次に絞ったカボスの果汁を投入。これも爽やかな酸味が松茸の良い香りをより一層引き立てて良い。
美味しい、とにかく美味しい。


ちなみに我が配偶者は、この土瓶蒸しが一番美味しかったと言っていた。
私は…うーん、甲乙つけがたいな。貝と海老の野菜あんかけも美味しかったけど、肉も捨てがたい味だったし、この土瓶蒸しも美味しかったし。
〆のご飯には、甘辛く煮たサンマを乗せる。
そこへ刻んだ大葉と、これは何て言うんだ?市販のお茶漬けにも入っている小さくて丸いちょっと香ばしいカリカリしたヤツ。
それらをトッピングしてお茶を注いでいただきます。
これが美味しい!!!
既にご飯2杯お替りして食した後だったが、あまりの美味しさにこのお茶漬けもペロリと平らげた。
参種類の香の物もどれも美味しく、嗚呼、満腹。
久しぶりに食べ過ぎて汗がたらたら流れ落ちる経験をした。
しかし、ここで終わりではなく、仲居さんが後片付けをしてくれている間に我々は掘り炬燵のある広緑の部屋に移動し、そこでデザートである薩摩芋のプリンをいただいた。
嗚呼、満足、満腹、美味であった、おご馳走様。


旅先検討中に、この宿の料理に対する口コミを見た。「料理が多すぎる!!!」という苦情の口コミを。
確かに、大食漢の我々夫婦が「もう要らない」と言ってしまうほどのボリューム、しかも子どもらに取り分けた上で満足しているんだもの、並の食欲・小食の人にはかなりのボリュームだと思う。(それでも料理が多いからって文句を言うのは如何なものか…と思うが)
あ、ちなみに、お櫃のご飯もしっかりお替りいただきました。
お酒は飲まない我々夫婦、ご飯は最後に出てくる予定を変更して先に出してもらったのだが、食事の最中で早々とお櫃の中身が空っぽになってしまったのだった。
仲居さん、我々の食べっぷりにきっと驚いただろうと思われる。


総評:
味良し、素材良し、ボリューム満足の夕食で文句なし。
春先に旅した「はいふう」の夕食も美味しかったが、あちらはちょっと凝った風な調理法だったのに対し、こちらは素材の味を前面に出した素朴な調理法。
シンプルな味付けでここまで満足させられるとは、天晴で御座います。
ただ欲を言うならば、食後にフルーツのデザートやコーヒーor紅茶があると嬉しかった。
プラス、子ども料理の設定があるとこれまた嬉しかった。美味しい料理が運ばれてきても、先ずは子どもらに取り分けしてやらねばならず、落ち着いて食べていられない。
しかもご飯が美味しいものだから、取り分けても取り分けても「もっともっと、もっと食べたい」、「あれ食べたい」とうるさい事この上なし。
いや、ホント、子ども料理の設定を切に願う。
まぁ、蟹がウリのこの地、この宿、子ども歓迎!!!の雰囲気ではなかったから仕方ないんだけどね。

最後に、蟹のないシーズンオフでも問題なく、充分過ぎる程に美味しいとも記しておく。

蟹シーズンオフの海雲館 朝食編
さて、素晴らしき夕食に引き続き朝食。
部屋食だった夕食と違い、朝食は半地下にある宴会場にていただいた。
その宴会場の部屋だが、我々の宿泊部屋のようにお風呂があるわけでないから向こう側全部が窓ガラスで、その上窓が全開閉可能で非常に開放感があった。

そして肝心な朝ご飯。特筆するような内容でもなく、実に平均点な朝ご飯であった。
一つだけ面白かったのは、こちらの画像。
この中味、実はお味噌汁。
燃料が切れて火が消えば、出来たてお味噌汁をいただく事が出来るという寸法。
だが、我が配偶者の分は、お味噌汁が出来上がる前に何故か燃料の火が消える。
おかげで具材が半生、生煮え。
電話で追加の燃料をお願いして事無きを得る。
食事とは関係ないが、ちょっと気になった事を一つ。
宿泊部屋にも、この朝ご飯を食した宴会場でも、畳に煙草で出来たと思われる焦げた跡を発見した。
思うに、蟹を食しに来た宴会客達が酔っ払ってうっかり焼け焦がしてしまったのだろう。
元喫煙者の私だから、お酒を飲むと煙草が吸いたくなる気持ちも充分分かっている。が、現子持ちの非喫煙者としては、こういう焦げ跡を見るのは正直気分良くないし、怖いなと思ってしまう。

吸う自由がある以上、火事には本当に気をつけて頂きたい。

伊根の舟屋
宿にお別れを告げたなら、海沿いの道をひた走る。天気は最高に良いし、海も綺麗で気持ちいい。
道の駅や経ヶ岬灯台にちょっとだけ寄り道をしたなら、次なる目的地伊根に到着。

これまた私は、ガイドブックを読むまで知らなかったのだが、カーポートならぬマリンポート付きの家が立ち並ぶ舟屋の町並み。画像がないので言葉で説明するのが難しいのだが、海沿いにズラリと、船着き場を持つ家が立ち並んでいるのだ。
これまた私は知らなかったのだが、NHKのドラマの舞台にもなった町なのだとか。
それにしても、家が半分海の上に建っているなんて、まるでタヒチやモルディブの半水上コテージみたいだな。

我々が立ち寄ったのは道の駅「舟屋の里」で、その眺望は非常に素晴らしかった。また、ここには、レストラン「舟屋」があり、我々は食していないので味の方は何とも言えないが、この舟屋の町並みを眺めながら食事が出来るのさぞや気持ちが良いだろうと推測される。


観光船に乗ってカモメに餌付けをするのも考えていたが、時間の都合で少々散策した後に次なる目的地へ向けて出発。


雪舟庵のランチ
昼食は、完全予約制というお店、雪舟庵。
さくっと、料理。
我が配偶者が注文の日替わり定食。
秋らしく、ご飯が栗ご飯だった。
数量限定とのこちらのメニュー、お店の方曰く「すぐになくなる」との事。
日替わりランチを食したい方は、電話予約時に予め注文しておくのが良いかもしれない。
お値段1500円。
そしてこれは、私が注文した寿司定食。
日替わり定食のご飯がお寿司に変わるだけで、その他の料理は全く一緒。
お値段2000円。
所でこちら、定食についていた茶碗蒸しなのだが、蓋を開けてみてビックリ。
「え?あれ?空っぽ?え?」
と、勘違いしてしまったほど、量が物凄く少ない。
そこそこ高さのある碗の底の方に、上品すぎるほどの量がちょこっとあるだけ。
こんなに少ないネタを、よくぞ巣立たせずに蒸せたものだとある意味感心する。


料理に関しては、普通に美味しゅう御座いました。
こちらのお店も福知山で訪れたぱれしゃとう同様、居住区の近隣にあったなら定期的に通っていたかもしれない。
そういうレベル。

料理以外の事で、思った事を幾つか。

予約必須との事で電話を入れたが、我々滞在中に予約無し客の来店もあった。まぁ、料理が出てくるのに時間が掛かりますとは言われていたが、「全然、完全予約制じゃないじゃん!!!」と思ってしまったのは致し方あるまい。

電話予約をした時の応対の印象がよろしくなかった。
旅に出発してからの前日、車中から電話をしたのだが、この時に料理の注文をしなかった。なにぶん車の中でメニューが分からない。
それで来店時に決めるのでは駄目なのかと聞いた所、それでも構わないが日曜日で混雑しているので1時間で退席していただきます。それでもよろしければという、何だかつっけんどんな返事。
料理がスムーズに出てきて、我々大人だけなら1時間もあれば充分だろうが、もし料理が出てくるのに時間がかかったら?子ども達が食べるのに時間を要してしまったら?
それにしても、何て酷い話し方。およそ接客とは思えぬ威圧的な口調。
少々ムっときて、この店止めようかな…とも考えたが、他を探す気力もないのでその旨了承して予約をお願いした。

天橋立に近い立地のこちらのお店、公式サイトによると「窓越しに広がる絶景「天橋立」をも空間の一部に取り入れた洗練されたスペース作りをしています」との事。
素晴らしき眺望と、素晴らしき食事を一度に堪能出来るのか!!!と喜んでいたのだが、これがガッカリ。
予約時に我々がお願いしていたお座席は、やたらと低い位置に小さな窓があるだけの、圧迫感すら感じる小部屋小さな窓からは、隣の敷地の原っぱが見えるのみ。しかも、沢山の人々と相席。
正直、洗練されたスペース作りとは程遠い。

電話応対はアレだったが、店内での接客は非常に気持ち良かった。
こちらが申し出るまでもなく子ども用フォーク等は出てくるし、1個だけ注文したジュースを二人に分けられるようにとコップとストローを二つずつ用意してくれるし、お寿司の定食についても「ワサビ無しに致しましょうか?」と先に提案してくれた。
電話の感じ悪さは一体何だったんだろう。
顧客ニーズを先読みした接客は素晴らしく、料理の味同様重要ポイントだ。
雪舟庵
京都府宮津市溝尻247
TEL0772-27-1530
営業時間:11:30-14:00 17:00-21:00 ラストオーダー21:00
定休日:水曜日
公式サイト:http://www.sessyu-ann.com/index.htm
予約必須というこちらのお店ですが、電話で予約依頼時に注文を聞かれます。予め注文を決めておいてお願いしておくと、到着時間に合わせて料理の準備をしておいてくれます。
子ども椅子:無し
子どもメニュー:無し
子ども用フォーク等:あり
煙草:不明



天橋立
 
念願叶って初・天橋立。
天橋立ビューランドにやって来た。
おおおおおーーーっ、凄い!!!向こうまで繋がってる。


と、その眺めに感動したのも事実だが、うんざりしたのが山頂を目指すモノレールの中。
若い人々はリフトを利用するようで、モノレールの中は年配の方々と我々家族のような小さな子どもを連れた家族連れ。
この年配の方々の傍若無人な行動が、非常に迷惑極まりない。
モノレールの定員20名ギリギリにまで詰め込まれた車中で、「あー、○○さーん、こっち座りぃ〜」、「おお、○○さんや、こっちに座りんしゃい」、「いやー、○○さん、こっちじゃー」等の台詞で他人を追いやり押しのけ大移動。
小さな子どもだろうが、何だろうがお構いなしにガシガシ当り、削りまくる。押された我が家の長女が「痛い」と言ってもあっちでもこっちでも、グルグルと場所移動・席譲り。

老人だからって何をしても許されるだろうと勘違いしているかのような周囲に迷惑撒き散らしのこういう行動は、本当に止めて頂きたい。
何かと嫌われがちな小さな子ども連れ家庭の我々だが、ああいう人種よりよっぽど周りに迷惑かけまいと気を使っているぞ。
折角の眺望も台無しの出来事だった。



その後、智恩寺を参拝して帰路に就く。





「花ねー、こないだの旅行でねー、お風呂に入ったのとぉ、旅館のご飯とぉ、海で貝殻拾いしたのが楽しかったよ。お風呂とご飯と貝殻拾い、またしようね。」
おおお、長女よ、母とほぼ同じ感想だね。しかし、旅館のお風呂とご飯はともかく、海が楽しかったとはね。
親子リゾーターへの道計画が着実に成功しているのだと、よもや温泉旅で再確認させられるとは思いもよらなかったよ。
さて、我々家族の次の旅先、一体どこになるのやら。