2002.10.09(晴)

・カタマランクルーズ出航

私が一番楽しみにしていたイベント。
それがカタマランクルーズ。
*カタマランクルーズ
ボラボラ1のシュノーケリングポイントまでのセーリングとシュノーケリング。飲み物、フルーツ付き。夕日を眺めながらのカクテル付き。途中パレオショー開催。
お一人様9,000PF(MERIDIEN BORA BORA アクティビティースケジュールより)
所要時間約4時間半


参加者は我々夫婦を含め6名。
当然全員ハネムーナー。フランス人カップルにアメリカ人カップル。それに日本人妻と何人だかワケ分からない男性一人。
ガイドは陽気な現地人男性二人。キャプテンは真面目そうなフランス人。
乗り込み人数計9名。
ジープサファリの小さな荷台とは違い、ユッタリと広くトイレも完備されたモーター付きカタマラン(ヨットみたいな船)。
快適だ。快適過ぎる。
カタマランの全体像を撮らなかったのが凄い心残り。

カタマラン
我々を乗せたカタマランは大きな帆を広げ、風に乗ってユックリと出発。
素敵、素敵、すてきーっ!
そうそう、このマターリ感よ。こーゆーのを求めていたのよ。
風の向きに合わせ、帆を転換。
海風を受けて悠々と海原を走るカタマラン。こりゃタマラン。



さて、このカタマラン。先頭の方は網が張ってあり、なんだか大きなハンモックみたい。
そこへの出入りは自由だと聞き、真っ先に寝転がりに行ったのは当然ワタクシゆ様。
私はコレで日焼けしました。その1
気持ちいいです。最高です。時々下から波しぶきがかかるのなんて気にしちゃぁいけません。
だけど日焼けは気にしてください。
私はコレで焼けました。


で、可愛い新妻が寝転がっている姿はとても可愛いらしいのですが…。
兄ちゃんの日干し何故我が配偶者兄ちゃんが寝転ぶと、故郷福岡のお隣。
佐賀県でよく見かけたイカの日干しを思い出してしまうのは何故でしょうか?

どうでもいいですが、画像。
兄ちゃんのヤツの方がキレイなのが気に食わないです。



あ。昨日散々な思いをして巡ったボラボラ本島が見えます。
道無き道を分け入り、登っていった山も見えます。
こうしてみると、あのツアーもそう悪くなかったのではないかと思えるのが不思議です。
まさにカタマラン・マジック。こりゃタマラン。

ネタ無しで文章書くのって疲れるのな


陽気で呑気な現地人 その参

「イノチッ!イノチッ!」

・・・MERIDIEN BORA BORA に到着していの一番に耳にしたこの謎の台詞。
その謎の台詞を発した張本人にこのカタマランクルーズで出会う事になるとは誰が想像し得たでしょうか?

陽気なタヒチアンガイド


←コイツっす。
私の右側に立っているスキンヘッドのやけに歯が白いタヒチアンが犯人です。
タヒチアンは白い歯が命っすか?
そんな彼の名前はコリンズ君。
見かける機会があったら是非声を掛けてやって下さい。
「やぁ、コリンズ元気かい?」
そうすれば彼は喜び勇んで「イノチッ!イノチッ!」を披露してくれるでしょう。
当然、命ポーズ付きで。

見た目もなかなかグーな彼ですが、その語学力たるや驚かされるばかり。
当然の事ながら現地タヒチ語。フレンチポリネシアンだからフランス語。
当たり前のように英語。更にはイタリア語。
そして日本語も我が配偶者兄ちゃんよりもずっとお上手。
コイツぜってー頭いいぞ。
だって歌ってたもん。その頭を指差しながら・・・

「サカナ、サカナ、サカナー♪サカナーヲータベールトー♪アタマ、アタマ、アタマー♪アタマーガーヨクナルゥ〜♪」

・・・完璧です。
きっと魚を食べて頭が良くなったんでしょう。
一糸乱れぬその音程。超有名歌手にも引けをとらないその歌唱力。そして日本語の発音。
日本語が不自由な我が配偶者兄ちゃんよりも、五億倍日本語オジョーズねぇ。
ちなみに現地タヒチ語で『サカナ』という言葉は日本語でいう『ハゲ』の意味に相当します。
つーか、ハゲです。まんまです。

驚いてその歌声を聞いていると、もっと出来るぞ!とばかりに次々に日本のギャグを連発。

「カイーノォ〜。」:間寛平 当然お尻をカタマランの柱に擦りつけながら
「チィスータロカッ!」:同上 当然独特な手の振りと腰つきも完璧に再現
「アィーン♪」:志村ケン 当然その右手を顎に当てながら ひょっとしたらモー娘。かもしれませんが
「ミヤサコデス♪」:宮迫博之 当然奇妙な手つきと首の動き付き 宮迫世界進出です

・・・もう覚えていません。
あまりにも日本のギャグを連発してくれたので、驚き過ぎて忘れちまいました。
メモっとくべきだったと非常に心残りです。

一見陽気で呑気そうな現地人ガイドとしか思えない彼ですが、実は非常に心配りの出来る好青年。
乗り合わせたフランス人とアメリカ人がすっかり意気投合し、英語で会話を楽しんでいるのに相反し、あっちウロウロ、こっちウロウロして落ち着きが無い日本人。
異文化交流が下手です。

そんな異文化交流が苦手な日本人カップル。
そんな我々にもコリンズ君はコミュニケーションを図ろうと話しかけてくれます。
しかし、そんなコリンズ君。
日本語のギャグは完璧でも、やはり英語で喋るのが得意な様子。
そこで登場するのは日本語が不自由だけど、英語が堪能な兄ちゃん。
兄ちゃんたまには役に立ちます。


流暢な英語を喋る兄ちゃんにコリンズ君もびっくり。
どうしてそんなに英語が上手いのか?と驚いてました。
コリンズ君と兄ちゃんの会話スタート。(英語が不自由なゆ様が解説する為、内容は全て日本語でお送りします)

兄:「コリンズ君。君はどうしてそんなに沢山の日本のギャグを知っているのさ?」
コリンズ(以下コ):「そんなの簡単さ。日本人観光客が教えてくれるのさ。」
兄:「なるほど。コリンズ君。それを聞いて納得したよ。」

コ:「モーシモーコーノフーネデ♪キミノシアワセーミツケタラー♪(突如歌いだすコリンズ君)
なぁ…僕の日本語の発音は間違ってないかい?」

兄:「やぁ!素晴らしいよコリンズ君。君の日本語の発音は完璧だ。問題は何もないね。」

笑顔で会話を交わす二人。
いいなぁ。英語が喋れるって。私も日本語不自由でいいから英語が自由になりたいよ。



二人の会話は暫く続いたものの、結局やっぱり孤立してしまう異文化交流が下手な日本人。
気が付けばこの夫婦、カタマランの上でポリネシアンダンスを踊ったりしているのでした。
誰かコイツら止めてやれ。


これには流石のコリンズ君もびっくり。
物凄い勢いで走りよって来、我が配偶者兄ちゃんに問うのでした。
コリンズ君と兄ちゃんの再会話スタート。
(英語が不自由なゆ様が解説する為、内容は全て日本語でお送りします)

コ:「なんてこった!君はタヒチ人だったのかいっ?!君の踊りは完璧だよっ!」
兄:「やぁ、コリンズ君。そんな筈ないじゃないか。僕は正真正銘日本人だよ。ハハハハハ。」

しかしコリンズ君疑いの眼。
そりゃそーだ。
日に焼けてますます何処の国の人だか分からない風貌になっている上に英語は流暢。そして見事なポリネシアンダンスを披露するんだもん。
日本人だと言い切っても彼が信用しなくて当然です。


コ:「本当かい?だったら日本人だって証拠に、僕に日本の踊りを教えてくれないかい?」

と、ココでようやく可愛い新妻の出番。何も言わずに突然拍手を打ちクックロビン音頭を披露。
パパンがパン♪ ピョンッ!

一度その舞を披露しただけで、瞬時に理解し一緒に踊りだすコリンズ君。
パパンがパン♪ ピョンッ!

完璧です。
その間合い。柏手のタイミング。踏み出す右足。

コ:「やぁ、これが日本の踊りか。ありがとう。」
繰り返しクックロビン音頭を踊るコリンズ君。

・・・・・・もっとマトモな踊りを教えるべきでした。
モー娘。のLOVE マシーンとか。

コリンズ君を侮っていました。
彼なら完璧に「Wow Wow Wow Wow♪Yeah!!Yeah!!Yeah!!」と歌い踊ってくれたでしょう。
そしてこれからカタマランクルーズを訪れる日本人観光客を熱狂の渦に陥れてくれたでしょう。
新妻、タヒチに来て後にも先にもこのような失敗は犯してません。

カタマランクルーズ最高です。タマランです。
私的には一番オススメのアクティビティです。
是非参加して、その時一番旬の日本のギャグをコリンズ君に教えてあげてください。

・カタマランクルーズ珍道中

私の視界には気になる光景が流れていた。
海原をユルユルと移動してゆく椰子の木の群れ。
アレは何?モツ?(小島?)
でもモツが移動する筈ないし・・・。
ガイドに質問してみたい。でも、出来ない。
態度はデカいが、気が小さい可愛い新妻。

気になる。
でも聞けない。
でも気になる。
でもやっぱり聞けない。
葛藤を繰り返していると、コリンズ君が叫んだ。

「Oh!!Moving motu!!」(動く小島だっ!)

・・・まさか。小島が動く筈なんかない。彼のジョークに違いない。
当然彼の台詞を信じる筈はない。
でも、段々近づいてくるコリンズ君言う「Moving motu」に視線は釘付け。


そしてその時は訪れる。
Moving motuが我々を乗せたカタマランの目の前を通過していった。
動く小島


・・・本当にMoving motuだっ!

と、思ったけど、どうやら新しく建築中であるホテル。シェラトンに植える為の椰子の木を船送してると判明。
いや、本当にびっくりしました。


さて、カタマランクルーズにはボラボラ1のシュノーケリングポイントでシュノーケルを楽しめるのも売りの一つ。
しかし私はそれをイマイチ堪能しきる事が出来なかったのです。

原因その一:深い所があると聞き、救命具着用するしかなかった
原因そのニ:泳ぐのが遅い為、ガイドとして一緒に入海したコリンズ君に付いて行けず良いポイントを逃してしまった
原因その三:マスクが合わず、泳いでいると大量の海水が幾度となく浸入し、前が見えなくなった
原因その四:更にその海水が目に入ってしまい、痛くてシュノーケリングどころではなくなった



結局一番楽しみにしていたシュノーケリングは残念な結果に終わる。
だけどね、全然期待していなかったパレオショーは凄く楽しめた。
大きな身体で、大きな手をしているコリンズ君。
その大きな手で細かい作業。
見た事もないようなパレオの巻き方を我々観光客をモデルにクルクルと披露。
ナイスバデーなフランス人オネーちゃんには、超セクシーに仕上げてくれました。
微乳の日本人オネーちゃんは、露出度の低い姿に仕上げられてしまいました。

画像に収めなかったのが心残りです。
しかし、このコリンズ君。やはり恐るべし。お魚天国フルコーラス歌えるだけの事はあります。侮れません。

・青い地球

シュノーケリングが楽しくなくたって、やっぱりセーリングは楽しい。
風に乗り、スイスイと海面を走るカタマラン。こりゃタマラン。

椅子に寝そべり雲が変化して様を飽きもせず眺める。
あ。あの雲。魔法使いのホウキみたいな形してる…。あぁ、段々ホウキの形が崩れてきちゃった。
あ。あの小さな雲。まるで大きな雲を追いかけてるみたい。子供が母親を追いかけてるみたい。

日本では考えられないユッタリとした時間が過ぎてゆく。


青い海と、青い海と、白い雲は人の心を浄化させる作用があるのでしょうか。
フ……と頭を過ぎったあの事。
ビキニ諸島で行われた核実験。
ビキニ諸島も、きっと、こんな青い空と、青い海と、白い雲で覆われた楽園だっただろう。


人間とはなんと愚かな生き物なのでしょう。
地球…それは言わば我々の家。私達のかけがえのない住処。
そんな自分の家に核爆弾を投下する。
考えられない……。バカなんじゃないの?

ビキニ諸島の海は今どうなっているのでしょう。
元の姿を取り戻せているのでしょうか。

もう核実験が絶対に行われない…という保証はあるのでしょうか?
タヒチのこの海が20年、30年。いや、もっと長い年月、このままの姿でいられる事を願うばかりです。


なんて、考えてたら何時の間にか寝てました。
シュノーケリングの後のお昼寝


私はこれで一気に日焼けしました。
カタマランクルーズでシュノーケルを楽しんだら、再び日焼け止めを塗るのを忘れないように…
と、これからタヒチを訪れる方々に言いたい。


地球上の全ての人間が、皆私みたくお気楽で、能天気だったら核なんて存在しなかっただろうね。

・フランス人キャプテン

「イノチッ!イノチッ!」
コリンズ君元気です。名前忘れちゃったけど、もう一人の現地人ガイドの兄ちゃんも元気です。

「フタリヲー♪ユウヤミガー♪ツーツムー♪コーノマドベニー♪」
…楽器片手に日本の唄を歌ってます。
しかし、何故にタヒチアンは揃いも揃って加山雄三なのでしょうか?
ひょっとしてタヒチアンにとって、加山雄三は日本一有名なシンガーなのでしょうか?


さて、そんな陽気で呑気な現地人とは相反し、真面目顔一本でカタマランを動かすフランス人キャプテン。
住んでる場所が違うと、お魚も性格や色が違うように人間も色々違うんだなぁ…と思ったり。
現地ガイドは仕事してるっつーより私達観光客と一緒に遊んでるだけとしか思えない。
写真も一緒にガンガン写ってる。
でも…私は、あのフランス人パーサーと一緒に写真撮りたい!


「あの人と写真一緒に撮りたい…。言ってよぅ。」
「あぅっ。写りたいなら自分で言いなさい。あぅあぅ。」
「え。やだよぉ。言ってよぉ。」
「あぅっ。コッチ来て全然喋ってないでしょ?自分で言うです。あぅあぅ。」


カッコいいフランス人キャプテンと可愛い新妻が一緒に写真したいと言っているのが気に入らないのか。
それとも兄ちゃんのスパルタ教育が始まったのか。
ガンとして兄ちゃんは私のお願いを聞いてくれません。

かくなる上は・・・・・・・・

「Please take me a picture ....」
今にも消え入りそうな声でオズオズと言ってみた。



ニコッ!!!!!!

…うわっ!すげー笑顔だよ。

私の声が小さくて一瞬何を言われたのか分からない仕草を見せたものの。理解した途端、彼は物凄い笑顔に変貌するのであった。
後にも先にも彼のこんな笑顔は見られなかった。
フランス人キャプテン

でも、このカッコ良いフランス人キャプテン。
隣に並んでみて初めて気が付いた・・・・・・



鼻毛出てる。
それも並大抵の量じゃない。
ぼーぼー。ボサボサ。
日本人が鼻毛出てるとカッコ悪いの極み。
でも何故フランス人が鼻毛ボーボーでもカッコ悪くならないのでしょう。同じ鼻毛なのに・・・。

・ボラボラの夕日

カタマランクルーズもそろそろ佳境。
コリンズ君が剥いてくれたパイナップルを堪能しながら夕日が沈みゆくのを見守る。

ちなみにタヒチのパイナップル。芯まで食べられて美味しいです。
美味しい上に物価の高いタヒチで安く買える物の一つでもあります。
ちょっとかさばりますが、お土産に最適な品の一つでもあります。



絵葉書のような世界・・・まるで絵葉書のような世界。
沈みゆく夕日。
陰る島々、木々のシルエット。
オレンジ色に染まる空と海。

地球にもまだこんな所があったんだね。





タヒチには色んなアクティビティがあります。
人それぞれ趣向は違うと思うのは承知の上。
私はこの日楽しんだカタマランクルーズが一番楽しく、嬉しく、そして幸せな気分になれました。


カタマランクルーズ…タマラン!

・兄ちゃんとお魚天国

カタマランクルーズを楽しんだのは午後から。
さて、では私達夫婦は午前中の時間を何に費やしたのでしょう?
愚問ですね。
答えは単純明確。泳いでました。

私達に与えられたコテージは浅瀬が向こうの島まで続くラッキーな部屋。

ザブンッ!!!

・・・・・・・・・・・
すっかりタヒチとシュノーケリングの魅力にハマってしまったのか?
それとも可愛いい。しかし無鉄砲な新妻に洗脳されてしまったのか?
答えはおそらく前者
我が配偶者兄ちゃんイキナリ海へ飛び込んで行くのでした。
タヒチ入り初日からは考えられない行動です。
しかし、可愛い新妻を放ったらかしにするのは相変わらず。一人でトットと行っちゃいます。
一人でトットと行っちゃうのは夜も昼も関係ないようです。

私ではありません。兄ちゃんです。

「あぅあぅあーーーっ!ゆ様ぁ〜♪ゆ様ぁ〜♪あぅあぅー♪」

珍しく彼が私を呼び寄せる。
いつもは好き勝手に行動してるクセしてさぁ。
んでもって、呼ぶにしても君、遠くに行き過ぎ・・・。
んで、タヒチに染まってもやっぱり「あぅあぅ」言ってんのな。


「あぅ。見るです。あぅ!」
ようやく兄ちゃんに追いつくと、早く、早くと海の中を覗くよう勧める兄ちゃん。
何なのさ・・・って、うぁぁぁ!!!!


こんな私の膝丈もないような浅瀬。
そこ生息している小さな、小さなサンゴ礁。
そこには小さな、小さな魚が泳いでいるのでした。
試しに指をそっと伸ばしてみる・・・

浅瀬のお魚うわっ!寄って来たっ!


小さなお魚君達は、私が差し出した指を怖がる事もせず。いや、寧ろ興味津々…といった様子でそのヒレを震わせながら近寄ってくる。


あ・・・そうだ・・・。
兄ちゃんの海水パンツに手を突っ込む。
「あぅっ!何するですか?!あぅあぅあーっ!」
・・・・テメー勘違いすんなよ。

実は兄ちゃんの海水パンツのポケットにコッソリ朝食で出たパンを忍ばせ持ち帰ってたんだな。

あははは。
食べてる。食べてる。
気が付けば続々とお魚君達が寄って来る。
隣で兄ちゃんもお魚君達と戯れてる。

あぁ、新婚旅行って…いやタヒチっていいなぁ。(ホントにいいです)

・淋しい熱帯魚

早いもので、今日がボラボラ最後の日。
タヒチの時間はユックリ流れているのに、日が過ぎるのは早いというこの矛盾している事実。
楽しい時はアっと言う間に終わる…ってのをシミジミ、シジミと実感。
あーぁ。荷物の整理しなきゃぁ〜・・・。
ん?・・・・



・・・・・・・・・・兄ちゃん、着替えもしないで寝てる。
・・・・・・・・・・兄ちゃん、お風呂もしないで寝てる。
・・・・・・・・・・兄ちゃん、可愛い新妻を放置して寝てる。

タヒチ滞在二日目。二人してソファーで小1時間程うたた寝しちゃったのです。
それで、これからどちらかがうたた寝してたら起こそう!そう約束してました。

必死で我が配偶者兄ちゃんを起こそうとする可愛い新妻。
起きない・・・。

うーん、仕方ないなぁ。
兄ちゃんを着ぐるみひっ剥がしてみる。
全裸でベッドに寝転がる兄ちゃん。
それでも起きない・・・。

日焼けの跡が凄いや・・・。
全裸になった兄ちゃんの背中や肩は赤く腫れ上がり、軽く火傷してる。
ソっと手を伸ばし。ソっと痛くないように彼の身体に日焼け後用のローションを塗る。
それでも起きない。


流石にイライラしてきた・・・・。
起こし合いしようねっ!って言い合ったでしょっ!

しかし彼は身じろぎもせず、目も開けず(普段から開いてんだか、閉じてるんだか分からない目だけど)私の行動に対する苦言、文句を一つ、二つ、三つ…言い放つ。
そしてそのまま再び寝る。
酷い…。
眠る兄ちゃん
スッポンポンで寝ている彼にバスタオルを掛ける。
・・・コイツ、微動だにしねーんでやんの。


一人でシャワーを浴びる。
…旅行中はずっと一緒にお風呂しようね…って約束してたのに。

一人で二人分の荷物を整理する。
…はぁ、一人分でも大変なのに。

一人で日焼け後用ローションを塗る。
…背中は一人じゃ塗れないや。

一人で美白パックする。
部屋は異様な静けさで支配されてる。聞こえるのは風と波の音。

一人でベランダに出て夜空を見上げる。
…なんでだろう。昨日あんなにキレイに見えた星が今日はそんなにキレイに感じない。

一人で波の音を聞く。
…一人で聞く波の音は何故悲し気に聞こえるんだろう。



目覚ましセットしなきゃ…。
ホテルのガイドブックを読む。
わかんねーっ。

もういいや、私も寝よう。
…部屋の電源って何処にあるんだ?
わかんねーっ。



どの新婚旅行カップルも、旅先で一度は喧嘩すると聞きます。
でも、コレってあまりにも一方的過ぎない?言いたい事だけ言って、サッサと寝ちゃうなんてさ…。
そりゃ、私もジープサファリで一人で機嫌損ねちゃったりしたよ。
でも、でも、コレってあんまりじゃない?

昨日約束したじゃない。
今夜も一緒に星を見ようね・・・って。
今夜も二人でベランダに出て色々お話しようね・・・って。
今夜も部屋の明かりに寄って来る不思議な魚を眺めようねって・・・。

私より後に起きるクセに私より先に寝ちゃうんだね・・・。

つーか、出発前あんなに焦って購入したサガミは一体なんだったのさっ!
コレって新婚旅行なのか?
隣のDo not disturb!!フランス人とは同じ新婚さんでも大違いだっ!



昨日より波が強く少し揺れている部屋のベッドに潜り込む。
私・・・ホントは愛されていないんじゃぁ・・・・・・。
この人…ホントは私なんて愛していないんじゃぁ・・・・・。

そんな思いを胸にボラボラ最後の夜は終わってしまいました・・・。