【弘前駅に集合、てちさんとも再会】
4月29日の午後2時半すぎ、今にも降りそうな空を仰ぎ、傘を持って弘前駅へ。
駅入り口を入ると、桜模様のシャツを着たsakuraさんがにこやかに立っていた。
ほどなく手さげかごを抱えたポンコさんがやってきた。
2時50分すぎ、改札の前で待っていると、ペコンとお辞儀をする女性。
なんと、となさんではないですか。
そうしてるうちに、てちさんの乗った八戸からの特急つがるが、ホームに滑り込んできた。
改札の混雑が途切れても、それらしき人の姿が見えず。
これは・・と思っていたら、出てきました。ちょっと乗車券に不具合があったとのこと。
「いや〜、よぐ来てくれました」と、あいさつもそこそこに駅を出る。
どうも雲行きがあやしい。「てちさん、雨を連れてきたかな」。
とにかく弘前公園へということで、バスに乗った。
【てちさん、いざ弘前へ】
3月末の関東、自称雨女のてちさん、雨にたたられたこともあり、思うように桜が見れなかったと言う。
「ぁあぁ、残念」と悔しがるてちさんに、「4月末に弘前に来たら」と声を掛けると、「行きたいなー」。
「行きたい」から「行きます」に変わるのに、それほど時間は掛からなかった。
日時は自分の都合に合わせるという。
よーし、それじゃぁせっかくだから、みちのくロマン「夢の花吹雪」オフ会やるぞー。
27日までは統一地方選挙でどうにもならないため、花のチャンスを29日「みどりの日」に賭けた。
それにしても、きっと「花吹雪」も見られるだろうと容易に想像がついた。
宿も確保でき、てちさんの方は切符がうまく取れたという。
あとは29日午前9時56分、東京駅から八戸行きの新幹線はやて9号に乗るだけ。
その日の朝、てちさんから携帯に「これからはやてに乗ります」というに電話があった。
【ピンクの花じゅうたんに迎えられ】
バスは弘前公園の東門に到着。
予想通り、外堀はかなり散っていた。
バスを降りてお堀端に立つと、すかさず歓声が上がった。
なんと水面一面がピンクの花じゅうたん。
花いかだという風流だけでは書き表せない、自然の演出に迎えられた。
ポンコさんはカメラ片手に大忙し。
その外堀を歩き、自分の会社の前も通って追手門に。
カメラライブで約束した定位置についたのは、約束の午後4時15分前だった。
とりあえず、みんなで手を振ったり、ピースをしたりして門から園内に入った。
【元気なてちさん】
とにかくてちさんは元気だった。
昨年6月の玉川温泉で具合が悪くなったのを見てたので、どれくらい体力があるのか心配だった。
正直、弘前公園は広い。そこで念のため、公園内で無料貸出している車椅子を予約しておいた。
が、杞憂だった。てちさん元気に歩く歩く、そんな姿を見てうれしくなった。
【天気も上がり、本丸で花見のうたげ】
公園内はまだ満開を誇っている枝もたくさんあり、華やかさに彩られていた。
その花と人の波に導かれ、お城のある本丸へと上った。
空を見ると、なんとお日様の姿が。天気が上がり暖かい日差しに包まれた、絶好のお花見日和となった。
本丸は高台になっており、岩木山の眺望もバッチリ。桜はシダレザクラがまさに見ごろで、たくさんの団体や家族が桜の下でうたげを繰り広げている。
自分たち一行も、ちょうどよいシダレを見つけその下に敷物を広げた。
自分とsakuraさんがビールやおでんの買い出しに出掛けてる間、てちさんたちは寝転がって、シダレを眺めしばしの余韻に浸っていたという。周りは騒々しいのだが、そこはなんとも伸びやかな空間だ。
ポンコさん手作りのいなり寿司とフルーツサンド、キュウリ漬けを広げ、焼き鳥、おでんも加えてみんなで乾杯。車座になって花見のうたげが始まった。
ちょっとぬる目だったけど、ビールが旨かった。
とねっちさんから「オフ会に皆さんでどうぞ」といただいた知多半島名物の「いろいろせんべい」も肴にし、おしゃべりも尽きない。
たくさんおしゃべりをしたけど、何を話したんだっけ(^^ゞ。
気がついたらもう午後6時ころで、あたりが暗くなり始め、照明にも灯が入った。
【幻想美の夜桜】
本丸を下り、興行街へと足を運ぶ。
縁日の出店が両脇に次々と軒を並べ、灯りが軒下を照らす。
お化け屋敷やバイクの曲乗りなどの小屋からは、ひっきりなしに呼び込みの声。
舞台では、演芸が行われ津軽三味線が辺りに響きわたる。
そんな喧騒を進み、こちらの一行はいよいよクライマックスの西堀の「桜のトンネル」へと向かった。
出店と人の波が途切れ、スピーカーの音も遠くになったころ、西堀に出る。
目の前にはゆったりした湖面が広がり、思い思いにボートを漕ぐアベックや家族連れ。
辺りが夕闇に包まれた。
その堀端に満開の桜のトンネルが続いている。
ライトアップが、花の美しさと華やかさをより引き立たせ、幻想の世界へと誘ってくれる。
その中にみんなで溶け込み、幻想の世界の一員になった。
それぞれの顔も輝いていた。
トンネルを出て、出口に向かう。
この界隈はほとんど人通りがない。
その一画に、黒いお堀の湖面に映された、神秘の桜を見た。
実際の桜以上に優雅でミステリアス、吸い込まれそうになる。
静寂の中で、湖面に別世界をつくっていた。
てちさん、じっと湖面を見つめ、なかなか動かなかった。
【春ねぷた】
弘前公園を出て、商店街に向かった。
きょうは「じょっぱれ弘前」春ねぷたの出陣の日。
運行終点のねぷた小屋の前でねぷたを待つ。
ここで、ポンコさんととなさんが、名残惜しくも帰路につく。
てちさんとsakuraさんと3人で、縁石に腰を掛けて待っていると、聞こえてきました太鼓の音が。
その音は段々迫力を増し、いよいよ目の前に・・津軽じょっぱり太鼓がやってきた。
なんと太鼓の上にはあでやかな女性が3人、華麗なばちさばきを見せている。
下では太いばちを持った男が、夜空に響きわたる迫力の音を響かせていた。
その後に小さいねぷたや担ぎねぷたなども登場、最後は人並みをかき分けるように、ゆうゆうと勇壮な本ねぷたが人通りを圧倒した。
3人はただ口をあんぐり開けて見入るばかり。
そこへ、なんと雨が落ちてきたではないですか。
sakuraさんを駅まで送り、てちさんと宿へ。
ホテルの1階にある和食レストランで、飲みなおし。
ここでは地酒の冷酒で乾杯した。
てちさんには郷土料理「けの汁」も味わってもらった。
【青荷温泉へ】
2日目の30日は、朝から雨。
それにしても、きのうはよくもったものだと感謝。
2日目は十和田湖へ行こうかな、と思っていたがこの雨。
てちさんに聞いたら温泉もよいという。
いろいろ迷ったがランプの宿「青荷温泉」へ行くことにした。
朝、弘前駅でsakuraさんを拾い、インター駐車場でポンコさんと待ち合わせをして、十和田通りを走った。山々は若葉が萌え出し、ピンクの山桜があちこちに見えた。
はじめに津軽こけし館を見物。
1億円の純金こけしに直に触り、皆さんご満悦。
それにしても、きょうはきのうと打って変わり寒い。
やっぱり、温泉へ行こう。
青荷温泉はランプの宿として有名。
八甲田につながる山々に囲まれた山狭の秘湯といわれ、歌人、丹羽洋岳が開いた名湯。
南八甲田連峰の櫛ケ峰から流れる青荷渓流を望む、一件宿。
特に首都圏などの若い人たちが「癒やし」を求めて、訪れる宿でもある。
【露天風呂に大喜び】
そんな温泉なので、とにかく山の中。
車は曲がりくねった道をどこまでも、雲の中を行ってるようで、もやが立ちこめている。
国道から離れて約20分。ようやく行き着いた。
とにかく照明はランプだけ。
宿の中はランプが点いているが薄暗い。
大広間でくつろぎ、女性陣はおしゃべりに花。
自分はひとり、男風呂へ。雨で増水した青荷渓流を眺めながら、ゆっくり浸かった。
自分が上がるのと引き代えに、女性たちが風呂へ。
この風呂は一昨年に新しく出来たのだが、なんと女性風呂には露天もついているという。
一眠りしていると、皆さん上がってきた。
てちさん「極楽ごくらく」。もうちょっとで、湯あたりするところだったと笑う。
3人で釜の風呂にも入ったとか。とにかくいい湯だったと大喜び。
お昼を食べて、またのんびり。至福のときだったような気がする。
午後、弘前のホテルへてちさんとsakuraさんを降ろし、自分の役目はここまで。
2人と固い握手をして家路についた。
【余 談】
自分はどうしてもぬけられない用事ができ、2日目の午後までしか付き合えなかった。
さて、てちさんはその後どうしたのだろう。
ここからは聞きかじりです。
2日目、ホテルに帰ってからてちさんは一眠りし、下の和食レストランでスタッフと意気投合。
東北でも随一の歓楽街・鍛冶町にくりだし、お土産にワインまで貰ったとか。
さすがというか、なんというか「てちパワー」本領発揮ですかね。
5月1日の3日目は、てちさんお昼に青森駅に出没。sakuraさんと待ち合わせ、となさんもやって来たそうだ。
駅前にある新鮮市場で、旬の酒の肴もたっぷり仕入れたそうで・・。
これで免疫が上がらないわけがないくらい、旨いものを買い込んだようだ。
またの機会を夢見て、今回のオフ会のお話はこれでお終い。
ご清聴ありがとうございました。
《写真提供、ポンコさんほか》