公 開 質 問 状

 岐阜市の行っている建築設計業務委託の入札において、不落随契という極めて不透明な契約方法がおこなわれている。

 この問題について、私は去る9月16日と12月2日の岐阜市議会本会議の質問において多くの問題点を指摘しました。岐阜県建築士事務所協会に所属する一部役員や業者の主導による入札に係る不当な行為について、関係者の証言を基に具体的な事例なども紹介しました。

 しかし、岐阜市は業界の古き悪しき談合体質に無知で気付くことなく、或いは知っていても長年に亘り入札方法の改革・改善を怠り、そればかりか業者側に都合の良い不落随契という契約方法を取り便宜を図ってきたことは、公平性を欠く由々しき問題であります。その結果、正当な競争入札が著しく阻害され、長年に亘り岐阜市は莫大な損失を被ったことになります。正に官業の癒着の構図で責任は重大であります。しかも、偏った業者指名もあり、真面目に働く業者の多くが指名から外されています。

 こうした多くの問題点について指摘しましたが、市側の答弁では全く反省や謝罪の態度が見受けられません。誠に遺憾であります。そこで、今までの歪な入札方法を改善し、公平で公正な入札が実施されますよう強く要望し、以下の10項目について公開質問を致します。

 本件については、今後の展開によっては、新たな問題が生じることも考慮されますので、その点をご留意の上、平成22年12月20日までに責任ある回答を文書にて頂きますようお願い申し上げます。

                                                            草々

     平成22年12月13日
                                                 
                                                   岐阜市議会議員  
                                                     服 部 勝 弘


   岐阜市契約課
      課長 早 川 英 彦 様

                         

                        記

1. 一定の業者グループの指名入札において、不落随契が多いことに疑問を感じたことはありませんでしたか。(平成17年度〜21年度 過去5年間で203件中115件 56.7%)

2. 不落になったそれぞれの安件について、その原因についてどのように検証しましたか。或いはしなかったのですか。

3. 非談合グループ会社が入札指名に入っている物件の入札は、概ね1回目ないし2回目の入札でその会社が安い金額で落札している。反面、この入札では談合グループは競争を嫌って、常識を疑うような高い金額を入札している。これについて岐阜市はどのように考えますか。

4. 2度の入札で不落になった物件について、談合の疑い有りという疑問をなぜ持たなかったのですか。或いは持っていたのではないですか。

5. 不落随契した物件で、予定価格と同金額で結んだ契約があるが、なぜそうなっているのか。

6. なぜ予定価格の99%以上という常軌を逸した高い金額での随意契約を長年に亘り結んできたのですか。このことは結果的に業者に便宜を図ったことになりますが、なぜこのような契約方法を取ったのですか。

7. 所謂談合グループと言われる業者の指名が多く見受けられますが(約95%)どのような基準で業者選定を行っているのですか。

8. 長年に亘り、岐阜市は不落随契という安易な制度を続けてきたが、なぜこのような時代に逆行する制度を今まで見直さなかったのですか。また、制度維持のために業界や利害関係者等から何らかの圧力はありませんでしたか。

9. 長年の不落による高額契約で、岐阜市が莫大な損害を被ったことについて、どのように責任を感じていますか。また、その責任はどのような方法で負うのですか。

10. 私が12月2日の岐阜市議会本会議において、関係者が「長年に亘り談合が行われていた」とはっきり証言していることを説明し、答弁を求めたところ、行政部長は「談合の認識はない」と、業者の不当行為を擁護し、談合を否定するような極めて無責任な答弁をされたことは、誠に遺憾であります。なぜ談合の認識がないのか、答弁の根拠について納得のゆく説明を求めます。

                                                               以上