不落随契について調査を求める
                         申し入れ書



前略 平素は岐阜市発展のために格別のご尽力を賜り深謝致します。

 岐阜市の行う建設工事設計業務委託、耐震診断調査業務委託、耐震補強工事設計業務委託等の入札で、1回目・2回目の入札が不落となった物件について、岐阜市は一番安い金額を入札した業者を呼んで、対面で話し合いをして金額を決定している。

 こういう方法で、平成21年度は39件の不落随意契約を行ったが、その平均落札率は99.22%という高い価格で契約している。さらに、平成22年度は5月28日現在、8件の不落随意契約を結んでいるが、その落札率は99.55%と、ほぼ予定価格に近い金額となっている。しかも、この内2件は落札率100%という、何と予定価格と同額で随意契約が結ばれている。これは入札予定価格を相手方に知らせた結果ではなかろうかという疑いが生じています。他の物件についても極めて作為性を持って、予定価格に近い金額で決定している事から、市と業者による対面の話し合いの中で、阿吽の呼吸で予定価格を知らせた、或いは暗示したのではないかという疑惑が関係者の証言で明らかになっています。

 何れにしても、これらの物件の入札において正当な競争入札が行われていたならば、前記の随意契約と通常の競争入札による予定価格との差額が約20%ある為、年間約5千万円程の経費削減は可能であったと推計されます。

 ところが、岐阜市の建設設計業務委託の入札は、一部の特定会社を優遇した指名で上での、時代に逆行した旧態依然とした他に例のない、一社による不落随契という、極めて不公正・不透明な方法で業者に便宜を図り、しかも平均、予定価格の99%を超える金額で契約を結んでいる。こうした行政の長年に亘る不作為は職務怠慢と言わざるを得ません。岐阜市の担当者は予算が組んであるので、その範囲の金額だからよしと考えているようである。これでは原価意識・問題意識の欠如したお役所仕事である。

 こうした不透明な契約方法が長年に亘り続けられたことにより、岐阜市は膨大な損害を被ったことになる。何れにしても公平・公正であるべき入札制度を形骸化し、踏みにじる由々しき問題である。しかし、岐阜市は随意契約については、地方自治法施行令第167条の2第1項8号により行ったもので、正当な方法だと主張し、全く反省をしていない。

 そもそも入札において、2度も不落になる物件については談合の疑いも視野に入れて再検討し、例えば、一旦入札を打ち切り、指名業者を全て入れ替えて再入札を行うべきではないか。

 岐阜市は長年に亘り入札制度の改革を怠り、何故か設計業務委託の入札においては随意契約を続けてきた。対面の話し合いにより落札者を決めるという安易な方法を取ってきたということは、まさに役所と業者の慣れ合いと、業者談合の土壌作りの根源そのもの癒着の構図であり、まさに官製談合の疑いありと言わざるを得ません。

 ところが、岐阜市はかかる重大な失態を繰り返し行っていたにも関わらず、何ら反省も改革もせず、責任を感じていません。一市民が知れば、おかしいと感ずるほどの問題を置き去りにしてきた無責任な市の対応には憤慨します。

 よって、談合の疑いのある不落随契をした全ての案件について、岐阜市は第三者の委員を含めた(仮称)岐阜市不落随意契約検証特別委員会を設置して内容を調査し、原因を究明し再発の防止に努め、併せて不当行為を行った業者については公正取引委員会へ告発するなどの厳しい処分を求めるよう申し入れします。

                                                     草々


  
   平成22年10月15日                                                                                                                

                                                 岐阜市議会議員
                                                    服 部 勝 弘
                                                 

     岐阜市長
      細 江 茂 光