出直し市長選の公費支出に反対討論
 

                                       服 部 勝 弘

 報第1号、及び報第2号、専決処分事項の報告について反対の討論を致します。

 本件は知事選挙及び市長選挙執行に要する経費について、平成20年度岐阜市一般会計補正予算を地方自治法の規定に基づき、専決処分されたことの報告の承認を求めるものであります。

 この中には、市長選挙の実施に伴う経費として、平成20年12月の補正で59,140,000円が計上され、その後平成21年1月補正において、45,103,000円減額し、決算見込み額は12,049,833円となっております。

 これについて、細江市長の都合による身勝手な、議会承認を得ない突然の辞意により執行された市長選挙について、その手法に疑問があり、そのために要した公費の支出については「無駄遣いである」という多くの市民の皆さんの声を代弁して反対します。

 この市長選は皆さんご承知の通り、昨年12月11日の市議会本会議において、市民から提出された請願について、「市立岐阜商業高校の当面の存続を求める」請願を27対14という賛成多数で採択し、「立命館の誘致を求める」請願を同じく27対14という反対多数で不採択にしました。細江市長は議会の議決は民意を反映していないという自論を主張し、辞職。さらに市民の意向を問うと言って立候補。選挙の結果は無投票で、いわば相手も観客もいない一人相撲で幕を閉じました。

 これに対し、多くの市民から何のための市長選挙であったのか。市長が辞職し、民意を問うほどの問題であるのか。この時期に市長選を行うことは「税金の無駄遣いだ。もったいない。」等々の疑問の声が上りました。

 そもそも細江市長の、議会の議決が自分の意思と異なっていたことが民意を反映していないという主張は、議会制民主主義を否定する由々しき問題であると思います。

 これについて私は市長が辞職を表明された直後の平成20年12月16日、市長に公開質問状を提出しました。

 議会の議決を軽視したことに遺憾の意を表明し、立命館の誘致問題が議会で否決されたというだけの問題で信を問うために市長選挙を行うことについて市民の批判の声があり、これにより政治的空白を作り、ひいては市政の混乱を招き、議会との対決が深まることを懸念し、市長が決断されたことは苦渋の選択であったことは理解するものの、決して好ましい方法ではないと申し述べ、さらにこの問題について、最も適切な対処方法は、無駄な時間と労力と多額の費用を使って出直し選挙を行うより、立命館の誘致と市岐商の将来にかかる問題について、市長自らが胸襟を開いて、議会や市岐商関係者に丁寧に説明し、理解と協力を求めることに最大限努めることが大切である。

 そこで市長にはもう一度冷静に考えていただき、岐阜市の将来をしっかりと見据えて、無益な混乱を避けて、正常な市政運営のためにリーダーシップを発揮して懸命に取り組んでいただくようお願いし、辞意を撤回されるよう申し入れしました。しかし、強行に市長選へと進み、ご承知の結果となったわけであります。

 私はこの度の市長選挙の実施に疑義を持つ多くの市民の声を代弁し、同じ視点に立って、市長選に要した公費の支出は「もったいない無駄遣い」であったと考え、容認できません。

 今後、重要性の乏しいひとつのテーマで突然辞任して市長選挙を行うような悪しき前例とならないよう強く要望します。

 最後に、「空振りで 民意問えない 無駄遣い」 と申し上げて反対討論と致します。