1. 請 求 の 要 旨



 岐阜市は市内に住む80代の女性が通院していないにもかかわらず、市内のM接骨院から請求があった老人医療費について、4年間に約100万円の支払いをしていたことが判明した。これは本年4月22日に岐阜市がこの女性に対し、高額医療費に該当したので支給申請書を提出するように求めた書類の明細書に医療機関と医療費の総額、通院の日数、支払総額が記載されていたが、このM接骨院には2004年1月から4年間1度も通院していなかったことから、疑問に思った女性の家族が岐阜市に通報して発覚した。

 この問題については、私の方へも知人を通じて情報提供があり、その事実関係を関係者に確認して、女性が通院していないとのハッキリとした証言を得たので、6月19日の岐阜市議会で質問した。これに対し、福祉部長は答弁で医療費を支払ったことを認めた。これはたまたまこの女性が本年2月に4ヶ所の医療機関で受診した為に高額医療の対象となり、その明細書が本人に送付されたので偶然分かったものである。この通知がなければ、さらにM接骨院からの医療費の請求は続けられて、不正が発覚することはなかったと思われます。尚、本件以外にも不正請求が多くあるとの情報もあるので、医療費の支払いについて、岐阜市は県等関係機関とも協力して、保険請求内容を厳しく精査し、厳正に対処されますよう申し入れします。

 今日、高い健康保険料の支払いに多くの市民が苦しんでおられます。保険料の支払いが出来ずに保険証が留め置きされている市民も多数おられます。それ故に、医療費の不正請求は保険加入者の心を踏みにじり、保険医療制度を食い物にする極めて悪質な詐欺行為で断じて許してはならない。一罰百戒で行政処分はもとより、刑事告訴して厳正に対処すべきである。

 尚、この女性は本年4月に岐阜市からの高額医療費の支払明細の通知を受けて、自分がM接骨院の診療を受けていないにもかかわらず医療費の支払いがあったことを知ったもので、それ以前についてはこうした通知が一切なかった為に知り得ることができなかった。よって、岐阜市長は不当に支出した医療費(公金)について、速やかに調査し、M接骨院に対し不正利得の返還をするよう求めるものである。また、こうした医療費の不正請求について行政側がチェックできなかったことは誠に遺憾であります。現在の医療費の支払方法に甘さを指摘せざるを得ません。そこで、不正請求をチェックできるようにする為に、老人医療費などの全ての保険請求について、医療費の支払明細を通知する制度を直ちに導入するよう強く要望します。