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                                                第61号
                                                           発行者 岐阜市議会 無所属クラブ

                                                        服 部 勝 弘 

  特集 広がる不安

    携帯電話基地周辺で「健康被害」続出
     電磁波公害≠フ恐怖

 携帯電話の普及に伴い、全国各地で中継基地局の建設が進んでいるが、住民と携帯電話会社の間で多くのトラブルが発生している。携帯中継局から放出されるマイクロ波は自然界にない高周波の電磁波で、人体への影響が強く、癌や白血病を招くと言われている。


 電子レンジなど電化製品や高圧送電線が出す超低周波電磁波の人体への影響について、世界保健機構(WHO)が「小児 白血病発症との関連が否定できない」として、各国に対策法の整備などの予防的な措置を取ることを求める勧告を盛り込んだ『環境保健基準』をまとめ、07年6月18日に公開した。さらに携帯電話などが発生する高周波の電磁波が人体に及ぼす影響についても調査を進めており、08年にも調査結果をまとめて発表する予定だ。

 フランス国立応用科学研究所が携帯基地局の健康への影響について、02年7月に「基地局から300m以内に住む人は倦怠感や頭痛、不眠、不快感などの症状を訴える人が多い」という報告をしている。

 日本でも長野県伊那市の山間部で、99年2月に自宅から250mほどの山頂に携帯電話の中継基地局が建ったことにより、Sさん一家が体調不良になった例が、松本健造著(緑風出版)=告発・電磁波公害で詳しく報告されている。それによると「自宅前の畑のそばで、タンポポやオオバコの葉が巨大化した・・・妻が流産した・・・長女が視覚障害と診断された・・・頭痛や眼痛、嘔吐の発作を繰り返すようになった・・・畑のトウモロコシに異変が見つかった・・・など、今までに見たことのない現象が見られた」とある。

 Sさんは当初、原因がどこにあるのか分からなかった。ある時、化学物質過敏症のため山形県の田舎で暮らす友人が訪ねて来た。その友人が「ここに居ると肩が凝る。あの携帯基地局の塔がおかしい」と言い、早く移った方がいいと勧められた。この頃に、家族の体調悪化の原因が携帯電話の中継塔だと確信する事態が起きた。04年6月から、携帯基地局に新設されたアンテナから強力な電波が出始めた。第3世代と呼ばれ、それまでの第2世代の電磁波より強力なため、欧米では反対運動が起きているものだった。この稼動が始まるとともにSさん一家の体調が一気に悪化したからだ。

 また、仙台市太白区の男性は、近くで携帯電話基地局が稼動した後に「エンジンのような低音が頭の中で24時間響き、まともに眠れない」といった自覚症状を訴えているなど、全国各地で基地局を巡る住民と携帯電話会社のトラブルが相次いで発生している。

 各地で苦情・トラブル多発

 岐阜市内においても近年中継基地局が多く建設されている。なかには民家から数十メートルという距離に建設されている所もあり、住民の健康不安が高まっている。

 岐阜市岩井では、05年6月30日未明、田んぼの中に建設された携帯電話の鉄塔に落雷し、周辺民家の家電製品等に多大な被害が生じたが、携帯電話会社は一切の保障をせず住民の怒りをかっている。

 岐阜市諏訪山地域や芥見、岩地域などでも近年携帯電話各社による基地局建設計画が浮上している。諏訪山地区では、05年11月に住民が携帯電話鉄塔を「遠ざけて」と、約2千名の署名を集めて岐阜市や総務省へ要望書を提出した。にもかかわらずその後、心無い一部の住民が水面下で業者側に立って建設の推進を画策、反対住民に対して圧力をかけるなど不穏な動きもあり由々しき問題になっている。大きな利権が絡む事業だけに、携帯電話中継基地局建設に伴う住民と業者の確執は絶えず、社会問題となっている。

 こうした各地の電磁波による住民の人体への影響について、携帯電話会社は「影響ない」とその因果関係を否定して、住民の声には真摯に対応していない。基地局が建設されると、それを撤去することは難しいだけに、周辺住民は健康への不安を抱えて生活しなければならない。

 1km以上離れて建設を

 電磁波が人体や自然環境に及ぼす影響についての原因究明は、まだまだ不十分で直接の因果関係はよくわかっていないが、関連は否定できず早急な予防対策が必要である。こうしたことから、住民の健康と安全を確保するために、携帯電話の中継基地局は最寄りの人家から少なくとも1km以上離れて建設することが望まれる。

 民家の密集した至近距離での建設は、健康被害を招く恐れが多いので絶対に避けるべきだ。いずれにしても、事業者は基地局の建設に当っては事前に周辺住民に十分説明し、基地局の電磁波の情報を公開し、住民の安全を保障する責務がある。仮に、周辺住民に電磁波による健康被害の疑惑が生じたり、基地局への落雷による被害が出た時には、調査をして責任を持って対処すべきだ。企業には社会的責任がある。人の生命や健康・安全を無視し、営利や効率を優先し、安全確保を怠ることは許されない。

 電磁波は欧米では21世紀の公害と言われて関心が高いが、日本ではマスコミも企業の利益が絡む問題でタブーとして取り上げない。企業も都合の悪い情報は問題が起こらないと公開しない。それ故にもっと国民が関心を持って監視しないと深刻な被害が出た頃には手遅れになる。   

 法規制を急げ

 現在、日本では電磁波の法規制がなく、中継基地局の鉄塔は無秩序に建設され、電磁波の強い家電製品が市場に多く出回っている。こうしたことから、03年に発足した京都弁護士会公害対策・環境保全委員会電磁波問題プロジェクトチームでは電磁波問題について取り組み、法規制の確立に向けて05年3月、日本弁護士会に要望書を提出した。行政はアスベストや薬害のように、犠牲者が出てから対応するような失態を繰り返さないよう早急に法律による安全のルール作りをすべきである。

  お願い 携帯電話基地局に関する情報がありましたらお知らせください。

 

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