岐阜市政だより    めざします!!  岐阜市の改革と発展
                      不偏不党市民の立場で岐阜市のあり方を案ずる 市民必読の情報誌
                                          
                                                第51号
                                                           発行所 岐阜市議会 無所属クラブ

                                                        服 部 勝 弘 

善商の産廃不法投棄と怠慢行政

 岐阜市椿洞の産業廃棄物中間処理業者『善商』が、同所において約52万立方メートル以上の産廃を不法に投棄していた事件は、同社への許認可と監督権を持つ岐阜市の対応の甘さが、業者の不法投棄を拡大させたことに多くの市民から怒りの声が上がっている。
 また、未だに岐阜市は市民に納得のいく説明と謝罪をしていない。
 なぜ長期にわたり大量の産廃不法投棄を見逃してきたのか・・・。岐阜市の担当者は不法投棄を知っていて問題を先送りし、放置していたはずだ・・・。という疑問は拭えない。
 ところが、細江市長は「不法投棄を知らなかった」 環境事業部は「業者には適切な指導をしてきた」と弁明するだけで、なぜここまで放置してきたのか !? という疑問や真相は何ら解明されていない。
 当面の課題は、事件の真相を明らかにして、業者や行政関係者の責任を追及し、厳しい処分をすることである。

 黙っていてはダメになる
    業者の不法行為と怠慢行政に対して みんなで怒ろう!!



問題意識の欠如 後手に回った行政

 『善商』に係わる岐阜市の怠慢行政は、産廃の不法投棄による廃棄物処理法違反にとどまらず、多方面に及んでいることが服部勝弘議員の細江岐阜市長に対する公開質問と3月23日の市議会質問で明らかになった。
 それによると、無許可による保安林伐採の疑いと同じく普通林開発の疑い(森林法)、建物の開発区域の建築(都市計画法)、無許可による建物建設(建築基準法)などの疑いと建物・土地の課税に対する税法上の問題点も出ている。また、これらを見逃した上司の監督責任も重大である。これだけ各部署に及び違反の疑いがある行為について、それぞれ担当者が問題意識を持たず見逃したとなると、岐阜市役所は何をしていたのか !? という疑問が生じてくるが、職務怠慢の責任は免れない。
 これでは岐阜市役所は、市民に役に立たない所だと言われてもいたしかたない。


安易に税金を使うな!

 産廃の不法投棄で巨額の利益を得た業者と、その行為を見逃してきた市役所怠慢行政。不法投棄された産廃の撤去に要する費用は、香川県・豊島の例などからも数百億円かかるともいわれている。
 この理不尽な行為の後始末に、市民の汗の結晶である税金を巨額に使うことは市民感情としても、絶対に許されることではない。関係者の責任を厳しく追及し、あらゆる手段をとって、彼らに費用負担を課さなければ市民は納得しない。行政の不手際が招いたつけはあまりにも大きい。お茶を濁したような甘い処分はダメである。


市議も「圧力」? 多いしがらみと利害

 不法投棄について、岐阜市は92年頃から疑いを持ち「重点監視対象」にしていたことも分かった。また、現場に立ち入り検査をすると、複数の市議から「圧力」とも取れる電話がかかるなどした・・・と、複数の元担当者らが証言した。(3月21日・朝日新聞報道)これが事実とすれば言語道断である。
 一方善商は、96年に自民党の支部や有力県議の政治資金管理団体などに約250万円を寄付(政治資金収支報告書)。平成3年に民主党岐阜県連のパーティ券・50万円分を購入している。こうしたことからも、この事件は業者と一部議員や市役所となれあい、しがらみが問題を先送りして、長年にわたり業者の産廃不法投棄を許してきた一因であることは否めない。あるまじきことで、由々しき問題である。


産廃不法投棄で市民集会
集会アピール採択 


 4月20日午後7時から岐阜市鶴田町の岐阜県勤労福祉センターで、産廃不法投棄事件の真相究明と関係者の責任を追及するみんまで怒ろう 市民集会≠盛大に開催した。この集会は岐阜市議会無所属クラブが主催で行ったもの。当日は約200人が参加した。
 主催者を代表して服部勝弘議員が「問題先送りした関係者への怒りと、真相究明と再発防止へ繋げよう」と挨拶した。
 続いて、柳川喜郎御嵩町長が「産廃問題の現状と今後」のテーマで講演を行なった。出席者から質疑応答もあり、その後「集会アピール」を満場一致で採択した。


今後の対応について

1. 岐阜市椿洞の産廃不法投棄現場について十分調査をして、その結果をふまえて市民生活の安心・安全が確保される万全の対策を講じること。
1. 業者の不法投棄を見逃した甘い行政姿勢を検証し、権力や圧力に屈しない監視体制の強化を図り、結果責任を厳しく問える組織を作る。
1. 産廃処理、排出業者の違法行為に対する罰則を強化する。
1. 行政に対する議会、議員のチェック機能を高め、馴れ合い姿勢を改革する。
1. 住民によるゴミ・産廃などの不法投棄を監視する全市民的なシステムを確立する。
1. 産廃を「公に処理できる施設」を建設する。


勝つぁ≠ノ情報提供を

 『善商』の業務に関して、平成4年6月と12月の県議会で当時の小山議員が、また、同年12月の市議会において、森由春議員(故人)がそれぞれ質問し、指導の強化を求めた経緯がある。しかし、こうした問題提起もその後の行政指導に生かされていなかった。
 それにしても、事件発覚までは不思議と私共に『善商』に対する苦情などの情報が入らなかったのは残念である。もし、事前に何らかの情報があったならば、決してこのような行為を許さなかったのにと思うにつけ、行政を監視する立場の議員の一人として反省すると共に、悔しさでいっぱいです。

 市民の皆さん!! どんなことでも結構です。情報とご意見をお寄せ下さい。皆さんからの情報提供が私共の活動の原点です。よろしくお願いします。
 
   情報提供先  〒501-3127 岐阜市大洞桜台3−35  服 部 勝 弘
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岐阜市と1市4町 合併に暗雲

 4月18日に行われた羽島市の住民投票で、羽島市は岐阜市との合併に「ノー」という道を選択し、岐阜市合併協議会を離脱した。
 これにより、岐阜広域合併協議会の枠組みは大きく崩れた。さらに岐南町も離脱の方向で、6月に住民投票を行う笠松町の結果次第では、合併協議会参加市町がほとんど姿を消すことになり、岐阜市の政令指定都市構想は破綻し、合併問題は白紙に戻ることになる。
 行政指導で進められた合併は、やはり住民の意思とかい離していたようである。


市歴史博物館 リニューアル3億円

 3月議会において、市歴史博物館(岐阜市大宮町)内の常設展示場の改装に、2億8千万円の予算が計上された。
 これに対して無所属クラブは、費用対効果を疑問視し「減額すべきである」と主張し反対したが、自民・公明・民主・共産各党議員の賛成多数で可決された。この不況時に、入場見込みの不確定な施設に3億円もの税金を投入することはいかがなものか。
 3年前の岐阜公園のバス駐車場用に、大宮町の天理教用地(約1,500坪)購入(建物保障を含む)に、約40億円を投入するなど、最近は大盤振る舞いのような税金の使い方が目立つ。(ちなみに、この土地の現在の税務署・路線価による評価額は、約5億円である)


市外郭団体へ100名が再就職

 不況によるリストラ・失業で、再就職が厳しい昨今であるが、役所の退職者の再就職は例外のようだ。
 岐阜市が出資している外郭団体への再就職者は、本年4月30日現在で100名に達している。しかも、役職は団体の会長・専務理事・事務局長・所長など要職の指定席に座ることが多く見受けられる。
 やっぱり日本は、国も地方も天下り天国である。