五感を生かした町づくり

 岐阜市には素晴らしい自然、歴史、産業、文化など多くの魅力が潜在している。ところが、その良さが発揮されず、岐阜の魅力を発信する核になるものがない。

 他都市にない岐阜市の特色を生かし、それを点から線に、そして画的に総合整備すれば、岐阜市の魅力は必ず創出され、活力ある都市に変わるものと確信します。

 そこで私は、人間の五感を生かした岐阜市の町のリフォームと、魅力アップを提言し、その実現を図りたいと思います。

 すなわち、視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚を刺激する岐阜市の魅力の創出である。

 例えば視覚的には、鵜飼の魅力アップ、金華山ろくと日野達目洞の自然を体感するハイキングコースの設置、金華地区など古い歴史的な町並みの保存と整備、金華山岐阜城パノラマ夜景、長良川川下りなど通年観光の実施。

 聴覚を生かした魅力の創出としては、岐阜市の自然を背景にした定期的な野外コンサートや街頭大道芸の開催、時の鐘の活用や時刻を告げるメロディを発信した市民の心を癒やすメロディタウンづくりなど。

 臭覚面では、生活の風情と人情が香り漂う川原町(湊町、玉井町、元浜町)の復元や旬の味と香りを届ける朝市、夜店の拡充。

 味覚では、薬膳(ぜん)料理や岐阜野菜を用いた田舎風味覚料理や名産品の開発普及、市民が触れ合う語らいの場、屋台ゾーンを復活する。

 触覚を刺激する魅力の創出として、全国的にも知名度の高い柳ヶ瀬を、昭和レトロ調(復古調)の商店街としてリフォームし、オールドファンや若者が集い、全国ににぎわいを発信する市民参加型の町として再生する。

 また、JR岐阜駅周辺や繊維問屋町などは、ファッション、ショッピングタウンとして整備し、食とおしゃれを楽しめる回遊的な街づくりをし、県産品の紹介と販売コーナーを設け、岐阜特産の和傘、ちょうちん、うちわなどの製造過程を見学し、創作できる常設の体験工房を設けて人々の触れ合いの輪を広げる。

 温故知新。現存する岐阜市のかけがえのない自然や古き良き伝統、文化、産業、歴史を生かしながら、人間の五感を刺激するような知恵と工夫をし、心を癒やすやすらぎと潤い、活力のある魅力的な都市づくりをし、岐阜市が再生し、発展することを心から願うものである。