ラーメンズ観覧レポ
2005年2月20日(日)、ラーメンズ第15回公演「アリス」at西鉄ホール
2005年2月20日、福岡の西鉄ホールで行われたラーメンズ第15回公演「アリス」。
僕としては生まれて初めてのラーメンズ。
去年の中旬くらいにラーファンになって、ハマりにハマって、待ちに待ってた本公演。
場所は福岡市の中心地、天神、ソラリアステージの6階。天神駅から直接歩いて行けるんで楽々。
開場。
観客の割合はだいたい7:3くらいで女性が多め。
ラーメンズ公演は女性ファンが多いってのは知ってはいたんですが、思ってたより女性ばっかりでビックリ。
座席はちょうどど真ん中で、目線の高さが演者と同じくらい。良い席。
次第にSEが大きくなってきて、暗転。
ざわめきが徐々に収まり、暗転の瞬間に完全に無くなる。おぉ、観客の質が良いっていう噂も本当だった。
SEが止まり、舞台が明転。
初の生ラーメンズ。
うお、デカイ。片桐仁さんも小林賢太郎さんも思ってたよりデカイ。舞台が狭く感じる。
ここからは本格的にネタバレなので、読むのなら自己責任で。
あとコントの題名はまだ公表されてないので予想。
コント1、「旅立ちの前に」
舞台の中央に二人。
語感で言葉を色々と入れ替えたり、話の部分部分を捉えてコントがコロコロ変わっていく。
こういうコントの作りはラーメンズがまた巧いし、言葉入れ替えは小林賢太郎さんの得意技。
「厚生年金会館前」→「好青年機械化前」になったり。
あと、好青年機械化後に小林賢太郎さんが壊れたロボットのマイムするんだけどこれがまたさりげなく巧い。
終わり方もスパッと切る感じ。
一番初めに実にラーメンズらしいコント。
前菜としては最適。続きを思うとワクワクする。かといって「軽いコント」って言うには面白いし、軽くない。
コント2、「後藤の誕生日」
ゴトウという男の誕生日を祝いに来た、仕事場の上司・ハセガワさん(片桐さん)とバイト仲間のオカダ(小林さん)。オ
カダは寡黙な武道家風。部屋の鍵は開いてるし、電気も点きっ放し。でもゴトウはいない。
勝手に入ったゴトウの部屋にある等身大フィギュアに引きまくるハセガワさん。全く動じないオカダ。
コントに入る前に片桐さんがスポットライトの元、よく分からない動き。???。
話が進むにつれてキャラクターの設定が崩れていって、誰が正常で誰が変かがふやふやしてくる。
始めは「ハセガワさん=正常、ゴトウ=フィギュアオタク、オカダ=変」みたいな感じなのに、徐々にハセガワさんがお
かしくなって、バイトはみんなゴトウを理解してるっぽくなってくる。
でも考えてみたらゴトウもオカダも十分に変な奴なんだよなぁ。
話の流れ的には「椿」の「インタビュー」に似ていると思う。
ちなみに「SWEET7」で出てたネタが。知ってる人は知っているファンサービス。ニヤリ。
「ゴミ出しジャンケン」→「矢印ジャンケン」、「うるせー!俺に命令するなぁー!」
片桐さんのよく分からなかった始めの動きが最後にオチで生きる。「ほぉ〜」と思える終わり方。
コント3、「桶屋が儲かる」
「風が吹いた」で始まって「桶屋が儲かる」で終わらせるネタ。
片方が話を進め、片方はマイムで演じていく。
これはもう本当に自分のマイムの腕を見せ付けたいが為に小林さんが作ったんじゃないかって疑いたくなるほど楽し
そうに演じておられました。んで、巧い巧い。
「桶屋がボーカル」は読めてたけど笑っちまうよなぁ。
ここまでのコントは良く言えば完成度が高い。悪く言うと遊びがイマイチ無い。悪くは無いんだけどね。
とか思ってたら次のネタだ。もう、なんつーか反則だよ。
コント4、「バニー部」
「アリス」という公演のタイトルを聞いて「兎」を想像して、「あるだろうなぁ」と思っていたんだけど、本当にあるとは。
明転した瞬間に、中央の片桐さんと、舞台の左側(客席から見て)にある「アレ」。
舞台のその状態だけで噴き出してしまって、「マズイ、これは小林さんの思う壺だ」って思ってるうちにコントは始まっ
ちゃってあとは怒涛の爆笑の渦。「CLASSIC」見たことある人ならあの舞台の状況で誰でも笑っちゃうよ。
何の時か忘れちゃったけど「言うじゃな〜い♪」って某ギター侍の真似をする大吟醸。入り方が唐突で笑ってしまう。
本物の波多陽区より使い方が上手い。まぁそこら辺のセンスの時点で誰より上手いのは知ってるけど。
チラチラ見て笑う片桐さんに「リアクションするなー!」と怒鳴る大吟醸。まぁねぇ。そういうコントだし。
どこの舞台でも客席に「うるせぇ!」って言ってるみたいだけど、確か「うるせぇ!笑うな!」って言ってた気がする。笑
うさそりゃ。無茶言うなよ小林賢太郎様。
あと、一度放り投げた3代目を元に戻して、耳が変な形になっているのを見て正座&後姿で小首を傾げる小林さんっ
て滅茶苦茶可愛い。男が言うのもなんだけど可愛い。
っていうか、申し訳ないけどこのコントの細かい事あんまり覚えてないんですよ。笑いっ放しだったから。
バニーボーイで発生してバニーボーイを超えるコント。小林さん壊れ過ぎ。
レディチ覚えてぇ。
コント5、「ここで働かせてください」
仕事の面接に来た甲殻類。
なんだこの設定。でもこうとしか言いようが無いから仕方ない。
初っ端から片桐さんが変な格好。ハサミとアタマ。
サソリ→ロブスター→イセエビ→ザリガニ→ハサミーマンに変わる。だから何だよこの設定。
このコントは言っちゃ悪いけど、有る理由が割と薄い。1時間半で6コントで良いなら無くても良かったんでは。
このコント自体は片桐さんの見せ場でもあるんだけど、それなら次のコントも見せ場だし、バニー部の次っていうのも
このコントの可哀想な所。
とはいえ「盗んだバイクで取り乱す」って所で取り乱す片桐さん。「父さん」や「ギリジン」でも見せた取り乱すシーンは
相変わらず面白い。巧いなぁ。これだけじゃないかなぁ、マイムで片桐さんが小林さんに勝てるの。
「フォッフォッフォッフォ‥、お袋!」なんだそりゃ!
コント6、「ヒデとレイコ」
片桐さんがヒデで、小林さんが芋虫のレイコを操る「後ろの人」。
「そういう」大会に出ている一人と一匹。
芋虫レイコを見て「あ、ポンデリングだ!」って思ってたら本当にそんなネタあるし。
それにしても小林さんが描く、馬鹿みたいに馬鹿みたいな女の子像が面白い。しかもそれ芋虫だしね。何クネクネし
てんだよ。お前ポンデリングだろうが。ポンデライオンの首回りだろうが。
あの、「男女の気持ち」のハインリッヒーズ歌う人みたいなの。そんな奴はいねぇってば。
途中、「プレデター!」って言いながら歯茎を見せながら客席を威嚇するヒデ。「女に認知度低ぃー!」。あと、これが
長い。小林さんがコントを再開しようとしてしない感じで、片桐さんがアイコンタクトで「もういいだろう、勘弁してくれ」っ て見てた所が面白過ぎ。多分このシーンで一番楽しんでたのは小林さんのはず。
レイコを客席の最前列らへんまで出させて「触って!触って!」って言うんだけど、「ハズレー!」って言いながら空振
りさせる片桐さん。楽しんでるなぁ。
コント7、「日本語学校〜不思議の国編」
始めに片桐さんが本を持って舞台上に。
まず僕が思ったのが「え!?読書対決!?」。読書対決大好きな僕としてはワクワクしてたんですが、小林さんが登
場して「オーヒサーシブーリデースネー!」。うわ!日本語学校だ!
読書対決も好きだけど日本語学校も大好き。
日本の各県を説明。北海道から始まって沖縄まで。
これももういいや。覚えてないもん。好きなシリーズコントの新作だし。笑っちゃうのも仕方ないじゃん。
「フシギノクニノニホンダネェー!」
ネタとしては全県分あるんだろうけど、島根とか飛ばしてた気がする。
〜エンディング〜
まずお互いの紹介。礼。
した後、小林さんが日本語学校の時に被っていたニット帽を「レストランそれぞれ」のウェイターっぽく持ってはける。
そこら辺の細かさが好きだなぁ。気付くオイラもオイラだけど。
〜エンドトークその1〜
まず片桐さんが登場。小林さんがレイコを抱きながら登場。
片桐さん「はい、というわけでラーメンズ第15回公演アリス改め賢太郎ちゃん祭は如何だったでしょうか」
確かに賢太郎ちゃん祭。「小林賢太郎壊れる」の「雀」以上の小林賢太郎スペシャル。暴れすぎだべ。
しきりに謝り続ける小林さん。「本当にすみませんでした」。
とはいっても小林さんが謝った数=小林さんの手応えだと思うのは僕だけかいな。
片桐さん「もう30回やりましたよ。」
客席「オォ〜」
片桐さん「でもまだ半分なんですよね〜」
小林さん「僕は一回一回が勝負なんで回数はあんまり覚えてないんですよ」
片桐さん「何?そんな格好良いこと言うんだったら俺がなんか器小さいみたいじゃん!」
そういう発言するから器小さく見えちゃうんじゃないですか。
んで、恒例らしいアリス作文。
片桐さん「アイツ、寮に住んでるから、水道代タダ!」
そんな感じのまま一礼をしてはける。
〜エンドトークその2〜
片桐さん「ところで賢さん。アリスとは?」
小林さん「アメリカンフットボール、略して、スポーツ!」
ほとんど話さずにまたはける。
まだ鳴り止まない拍手。客席にも電気が点き、帰りだす人もチラホラ。
でも出てくる二人。
〜エンドトーク3〜
帰ろうとする人もいる中、
「あ、もういいですよ。電車の時間とかあるだろうし」
福岡最後の公演という事で、福岡で出たアリス作文の名作を披露。これを選んでる時の二人が楽しそうで、客席から
見てるだけのこっちも嬉しくなってしまう。
片桐さん選「アップルと、リンゴは、少しなんか違う感じ」
「だろー?」と客席に同意を求める片桐さん。
小林さん選「熱海社員旅行恒例、理事長による、スケベ漫談です!」
多分これがかなりの名作だと思う。上手いなぁ。
最後の最後で最前列の一人が二人に何かプレゼントを渡そうとして、二人とも戸惑いがちにお礼を言いながら受け取
る。その人の気持ちは分かるんだけどわきまえてほしいかなぁ。
舞台っていう、演者を近くに感じれる場所で見ていられるからこそマナーってものが重要視されるんだし。
とはいえ、最前列のチケットが取れたとしたらそんな行為に及ばない自信が自分には無いと言い切れない。
まぁ、福岡最終日の最後のエンドトークだったんだし、そんな人がいても仕方ないのかなぁ。一応「なんだアイツ」みた
いには思いましたが、まぁ「妨害」って程まで気にならなかったので忘れるとして。
でも僕の真後ろの方は「なにあいつー、うぜー」とか言ってました。
まぁいいや!楽しかったし!
2時間が楽しくて短くて充実してたし。
アンケートには「この時代、この国にいてくださって本当に嬉しく思います」と書いておきました。
以上。
〜まとめ〜
初めて見に行った公演が「アリス」で良かったと思います。
言ってみれば「今のラーメンズの集大成」みたいな公演だったのではないでしょうか。
小林さんと片桐さんの持ってる上手い所、巧い所を良い感じに散りばめた、そんな公演だった気がします。
どこかの誰かが「STUDY」は「NEWS」っぽいって言っていたのを聞いたことがあります。
その言い方をするなら、その繋がりのまんまですが「アリス」は「椿」っぽいんですよ。
凄く高いレベルで安定感が出て来てる。
この高いレベルっていうのが、例えて言うならM-1の2004のアンタッチャブルの漫才みたいな、自分達のペースに
自分達で引き込ませて笑わせる、思わせるってことです。
それこそその感じを持ったのは初めてではなくて、「NEWS」、「椿」を見た後の「鯨」や「雀」を見た時にも感じました。
高いレベルでの安定。でも、その後、ラーメンズの二人は「Tour cherry blossom front 345」で確実な進化をし
て見せました。
次の公演でその新たな進化が魅せ付けられるのか。
それが実現したら僕はもう他の笑いなんか興味持ってられるか。
その前に次のプロジェクトのチケットが欲しいなぁ。Golden Ballsかぁ‥。
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