2003年5月


2003/05/06 火 我輩の辞書にゴールデンウィークの文字は無い。

世の中のコンチクショウどもはゴールデンウィークが終わって5月病まっしぐらなことでしょう、どっか行け。寄るな。今
年は4日に休んだだけでしたマルヤマです。

僕の辞書にあるGWといえばグローバーワシントンJrかミッシェルガンの「GWD」ぐらいでして、まぁそんなことどうで
もいいや。フュージョンをかじった人ならこの人(グローバーワシントンJr)の「ワインライト」ってCDを聞いたことがある
でしょう。
名盤。それこそワインのある夕べにぴったし。
ところで、この中に入ってる「JUST THE TWO OF US」って曲を今練習してるんだけど、なんだよこのスティー
ブ・ガットってドラマー。めっちゃ余裕で叩いてる雰囲気がカッコよすぎ。マジで難しいんですけど。
俺の先生は他人を誉めたりとかあんまりしない人なんだけど、このドラマーに関してはかなり熱心に勧めてきたんで、
それだけでちょっとびっくり。
「この人のドラムは参考にするべきだ!」ってさ。
俺はドラムはパワーよかテクニック重視なんで、こういうドラマーは超好き。
世の腐れた基本8ビートくらいしか叩けないくせに2バス2ペダ使っていい気なってるにアホは、こういうドラミングに感
動できないって思うと情けないよね。

ドラムに興味の無い人にはわけのわからない更新、申し訳ないっすー。



2003/05/09 金 血ぃー吸ーたろかー

さて、勘の良い人なら気付いていたかもしれませんが、
私マルヤマは「ニホンオオアカマルヤマ」という九州地方の清流にしか住めないとされている、世界中でも珍しい「蚊」
の一種です。成虫になると50cmをゆうに越すというガガンボもビックリな生物でして、その中でも僕は突然変異体と
して中学高校と他のニホンオオアカマルヤマから陰湿なイジメを受け、幾度もの自殺未遂を経て、今ここでこうして生
きています。
プゥーン。プゥーン。

このニホンオオアカマルヤマという生物、九州地方に住んでいない人にはあまり馴染みのない名前かもしれません
が、夏も近づく八十八夜ともなれば、野外セックスしてるバカップルの肌めがけ飛んで行き、標的がミイラ化するまで
血を吸い尽くす生物として恐れられています。
プゥーン。プゥーン。

このニホンオオアカマルヤマという生物は、一年に一度、交尾の時期を迎えると、オスがその大きな羽を虹色に輝か
せてメスに求愛ダンスを踊るという習性があります。夏の終わりに清流がその虹色に染まるのを見て、九州の人達
は秋を思うのです。
プゥーン。プゥーン。

1987年、イギリスのO.リチャーズ博士がこの習性に注目し、研究を重ねた結果、一匹のオスが羽を輝かせるのに
使う熱量が、日本の一家庭あたりの三ヶ月分の電力消費をまかなえるものであるという研究結果を学会に報告しま
した。新しいエネルギーとして期待されていたニホンオオアカマルヤマですが、養殖の難しさ、基本的に淡白な性衝
動など問題も多く、結局今なお実用の見込みは立っておりません。
リチャーズ博士も学会から追放され、ニホンオオアカマルヤマに平和が戻りました。
めでたしめでたし。
プゥーン。プゥーン。



2003/05/12 月 その人の見ていた世界は常にモノクロだった

「鬱だ。鬱が来た。」
が口癖だったトシさんという友人は、3年前の昨日、12階建てのマンションの屋上から飛び降りて死んだ。今日はち
ょうど非番日だったのでその人の墓参りに行って来ました。

トシさんの人生は、この世の不幸を一身に背負ったような壮絶なものだった。
彼が8歳の頃、両親が交通事故で死んだ。母親が、仕事に行く父親を駅まで送っていく、その途中での事故だった。
彼と、3歳下の妹を残して。その後、施設での暮らしをしていた兄妹には学校でのイジメが待っていた。子供は弱者を
見つけたらそれを差別する残酷な生き物だ。大人の理屈は通用しない。
それでもトシさん兄妹はめげることなく「いつか偉くなって幸せになってやる!」と勉学に励んだ。そのかいあってか、
トシさんは特待生として某公立高校に通い、有名国立大学に進学できるところまできていた。
妹も妹で、兄想いの子だったらしく、勉学に励み同じように公立の良い学校に進学した。
その頃の二人の生活は希望に満ち溢れていた。

ところが。そんなある日、妹が学校の帰り道でレイプにあってしまった。犯人は連続犯で、そいつにしてみれば彼女
は複数分の一でしかなかった。妹はそれから人間不信になり、トシさんの前にすら現れなくなった。そして2ヶ月後、
久しぶりにトシさんの前に現れた彼女は青白い顔をして「生理が来ない‥。」と呟いた。
レイプ犯の子供を身篭っていたのだ。発狂した彼女は自室で首を吊った。
彼女の残した遺書には「お兄ちゃんごめんなさい。もう嫌だ。」という文字がルーズリーフ3枚分、裏表にびっしりと書
かれていた。一人のクズの為に何故希望に満ち溢れた兄妹が絶望しなくてはならなかったのか。神が本当にいるの
なら問いただして殴りつけたい。グーで。

心の支えであった妹を亡くしたトシさんはそれ以降、自暴自棄になり流れ流れて僕の住んでいる街の公園居住者に
なった。僕と逢った頃にはもう鬱も大変なもので、何処から仕入れたのか知らないが、毎日抗鬱剤をかじっては酒を
飲んでいた。鬱が治まっている時のトシさんはとても優しく面白い、頭の良い人だった。

これはトシさんが酔っ払って教えてくれた話なので本当かどうかはわからない。ただ彼の胸ポケットにはいつも「妹の
遺書」が入っていて、一度だけ見せて貰って鳥肌が立ったことがある。
トシさんは酔うと嘘をつく癖があったし、そんな小道具を持っていてもおかしくないような変な人だった。真偽はわから
ない。この話自体僕のフィクションかもしれない。深く考えてくれなくても良い。

僕は簡単に自殺志願する奴が嫌いだ。しかも口ばっかりでそんな気も無い奴がすごく嫌いだ。
ヴィジュアル系のバンドに影響されて言ってるような奴も嫌いだ。
本当に目の前にある道が真っ暗で、どんなに希望に向かってあがいても光の欠片も見えないほど不幸ってモノに足
を引っ張られている、トシさんのような人を見たことがあるからだ。手を合わせながらふと思い出した彼の僕に残した
最後の言葉。この言葉の後、僕等の目の前で彼は飛んで見せた。

「どうしようもない。もう何も無い。世界が白黒に見えるよ。きっと腐ってるんだ何もかも。もういい、死ぬよ。」

5月病をテーマにしていなかったことを思い出して愕然。トシさんは鬱と5月病がセットになって逝ったことに しといてく
ださい。あと、死者をネタにするなとか、笑いものにするなとか言うのは間違いだ。そうでもしないと頭の中 にこびりつ
いて離れない辛い別離ってものがあるんだ。だから俺はトシさんの死を笑って話す。悪いか。



2003/05/15 木 ブルーハーツ

昨夜のこと
追っ払っても追っ払っても甲本ヒロトがついてくる夢を見ました。
大丈夫か、俺の精神。



2003/05/16 金 屈辱

「頑張れよ!負けんなよ!強く生きろよ!やれるだろう!?」
ってMr.オクレに励まされる夢を見ました。
お前に言われちゃ勝てねぇよ。

本当に大丈夫か、俺の頭。



2003/05/19 月 君はまだその小さな手で‥。

僕は22歳という年齢にしては、割と多くの死を見てきたのではないかと思います。
罪の無い人、罪を犯してきた人、好き放題生きた人、志半ばで果てた人、若い人、年寄り、世を恨んだ人、生を愛し
続けた人、飼い犬を含む数多のペット達‥。
どんな命であれ、僕と同じ時間を共有し、笑い、歌い、嘆き、楽しんできた命ばかりでした。
そんな、僕の人生を美しく彩ってくれた命がまた一つ消え去ろうとしています。

うちの猫が死ぬ。

一週間程前から元気が無く、御飯を食べてもすぐ戻し、風邪の症状である目の周りの爛れが起き、息をするのも苦し
そうでした。風邪をよく引く子だなぁ、とは思っていました。「病院代がかさんで困っちゃうよ」とか笑いながら言ってま
した。でも、本当はそんな軽い病気ではなかったのです。
今では御飯どころか水も飲まない状態です。

昨日は日曜日で動物病院が休み。僕は、
「病状が悪化するようなら仕事明けにでも病院に連れて行くよ」
とだけ言い残し、猫の頭を撫でて仕事に出かけました。
そして仕事を済ませ、家に帰ると、母が真っ青な顔と泣き腫らした目で僕に言いました。
猫嫌いで、僕が猫を飼いたいといくら説得しても最後まで反対してた母が。

「○吉(うちの猫の名前、割と変な名前なのであえて伏字)が死んじゃう」

いつもとはあまりにも様子が違いすぎると判断した母が、いつもは自分では行きたがらない病院に、猫を連れて行っ
てきたらしいのです。
診断結果は「猫白血病」。
発症したら8割方は死に至る、ワクチンも無い病気でした。
病院の医師いわく「生活環境では無く、生まれつきのものでしょう」とのこと。
「生存できる可能性はゼロではないが、厳しい状況にあり、事態が悪い方に転べば一週間と持たないおそれもある」
と宣告されたそうです。

頭の中が真っ白になりました。
拾われっ子で、去年の10月にうちに来たばかり。生後7ヶ月程の小さな小さな命なのです。
野良を経験してきたからなのかあまり僕等に懐かず、撫でると噛み付く、捕まえると引っ掻く、叱ると体当たりする、
そんなやんちゃ坊主です。 次第に大きくなる体に「デブちん」って笑ったりしてた矢先でした。

生後7ヶ月といえば人間に換算すると10歳前後らしいです。
そんな小さな体で、どれだけ苦しい思いをしているのか。どれだけの痛みを耐えているのか。
ずっと目を閉じ、丸くなっているその姿に涙が止まりません。

そっと手を触れてみる。前足を握って、ちょうど握手しているような形にしてみる。
嫌がります。でもいつものように暴れて怒ったりするような事はしません。
いつもなら引っ掻いて、噛み付いてどっか逃げちゃうのに‥。
君はまだその小さい手で何もしていないよ。
君と5年でも10年でもそれ以上でも生きていくつもりだったよ。
どれだけ手を焼かせても君を愛していくつもりだったよ。

僕はこれからどれだけの月日を過ごして、新しい猫を家族に迎え入れたとしても、君の事は忘れたりしないよ。ねぇ、
あとどれくらいかなぁ、君と一緒にいられるの。
あとほんの少しの間だけでも君の側で。

僕はこの日記を読めばこれから一生、この子を思い出して涙を流すでしょう。
それでも構わない。きっとこれは生き残った者の定めなんだ。



2003/05/27 火 こらっ

今朝のニュースを見てて大笑いしてしまった。
「中島らも、大麻取締法違反で懲役10年、執行猶予3年」
って奴である。

中島らもという人の著作をよく読む人なら大抵が「何を今更‥」と思うのではないだろうか。
ほとんどの作品で自分のアル中、ラリ中を曝け出してきていた人である。
氏の「アマニタ・パンセリナ」という本はそのまま薬物の体験記みたいなものだ。
こんな本を書ける人が逆に今まで捕まってなかったということのほうがおかしい。

もう一つ。
この人は、自身の著作「こらっ」で大麻取締法を、当時(1990年)来日するポール・マッカートニーを持ち出して「日本
の恥」と言っている。
ポールはその前の来日の時、大麻所持で拘置所に入っていたんだそうだ。

「日本人には「大麻=麻薬=悪」だという固定観念が植え付けられている。ところが、大麻には害毒も取り締まるべき
理由もないのだ。」と発言し、アメリカの諮問機関が大統領に提出したマリファナに関する報告書を例に挙げている。
その上で「従来の有害説は全て現在では否定されている」と言っている。
より強烈な刺激を求め、大麻からヘロインやコカインやLSDに移行していく恐れのある「踏み石理論」には、資料だけ
でなく自らのアルコール体験をもって反論している。
「僕などは大酒で肝臓を壊したほどの酒飲みだが、飲むのはいつも日本酒だった。ウォッカなら3倍のアルコール度
があるが、だからウォッカを、とはならない」

この本によると、アメリカではその当時もう大麻所持を解禁している。
ヨーロッパでも似たようなもので、インドには元から大麻所持に関する禁止がない。
そんな情勢から更に10年以上経った今、中島らもは捕まったんである。
しかも反省しているという話である。アホらしい。
個人的には裁判官相手に説教の一つもしてもらいたかった。

歴史上、酒や煙草やコーヒーが禁止されていた理不尽な法令は山ほどある。
大麻取締法も世界情勢から見ればそんなものではないのだろうか。
僕はそっちの方面にあまり明るくないので法が改正されて、大麻禁止になってる国もあるかも しれないし、当時のま
まかもしれない。
とにかく大麻取締法はナンセンスだと思う。
大麻は煙草より害がないのである。そのくせ煙草は国が売り、大麻は取り締まる。

悪法は法といえるのか?



2003/05/29 木 イッキュー

以前、他所様のサイトの掲示板で、高校時代、「そもさん、せっぱ」という遊びをしてい た、という話しをしたことがあり
ます。一休さんなどでもお馴染みのあのナゾかけ(?)をする時の合言葉みたいなやつです。

事の起こりは高校2年のとある休みの日。
僕の友人連中はとにかく騒ぐのが好きな奴等だったため、翌日学校が休みだったりするとすぐ飲み会を開いていまし
た。高校生の分際で生意気な。
その日、
「何でもいいから面白そうな遊びをしよう!」
ということになった僕等は、どういう流れでそうなったのかは忘れましたが、いきなり皆で「そもさん、せっぱ」のナゾか
けを始めました。「そもさん!」「せっぱ!」‥‥‥。

ところが、そこら辺は所詮行き当たりばったりの酔っ払い。
すぐにネタが尽きてしまいます。さて、別の遊びに移行しようかな‥、という空気が流れ始めたその時、僕が隣のNに
向かって言いました。「そもさん!」
Nは慌てて返します。「せっぱ!」
ところが僕は何も考えておらず、ただなんとなく言ってみただけでした。僕は申し訳無さそうに、
「‥、いや、別になんちゃないんやけどさぁ」
それを聞いていた友人達がいきなり爆笑を始めました。
どうやら僕が完璧に外したのがよっぽど可笑しかったようです。恐るべしナチュラルハイ。

その次の日から「そもさん、せっぱ」が流行りだしました。
ただ「そもさん!」と声をかけられたら「せっぱ!」と返すだけ。ナゾかけを言う必要もない、単なる挨拶みたいなもので
した。ただ、「そもさん!」と言われて、「せっぱ!」と返さないとハブられたり、その日のパシリに任命されたりしてい
ました。恐ろしい。
そんな中、油断をしていると訳のわからないナゾかけを出されたりもします。こんな感じで。

K君「そもさん!」
僕 「せっぱ!」
K君「この世で唯一絶対な愛ってなーんだ?」
僕 「はぁ?そんなもんに答えがあるのかよ?親の子に対する愛とか?」
K君「ブー、正解は「俺が○科の×子ちゃんに寄せる思い」でしたー」
僕 「知らんがな、そんなもん」
K君「もう、これは間違いなく愛やね。彼女のことなら何でも知ってるよ、俺」
僕 「ストーカーとかいうのじゃあるまいし。程々にしときや」
K君「○月×日生まれ、△座。A型で趣味は‥‥」
僕 「お前、怖いわ!」
K君「もう言ってみれば彼女とは一身同体やから」
僕 「そうなん?」
K君「だからもうこの‥(胸の辺りを触りだす)‥うぅーん!エ、エクスタシー!!」
僕 「寄るな!死ねー!」

こんなK君も今、某市役所で公務員を頑張っています。 世も末だ。




トップへ
トップへ
戻る
戻る