房総大山千枚田


2006年10月9日(月)

今日のメンバーは異色と言っていい。
いつもお世話になっている理容店の若だんなと中学生の息子さん。
コースリーダーは私である。
BD−1zのIw君は急遽キャンセルだ。

月に一度、散髪してもらいながらの自転車話。
はじめのうちはそれほどでもなかったようだが、
商売柄情報源にはこと欠かない。
自転車ネタをいろいろ仕入れて、自分のスタイルを決めたらしい。
2年の歳月が流れたこの夏、とうとうネットオークションで
フォールディングバイクを手に入れてしまった。

相棒入手が確実化しそうな頃から、輪行サイクリングをしてみたい
と言っていたが、若だんなの商売、週末は稼ぎ時だ。 休みが合わない。
一回目8月の計画は天候不順で中止となり、二回目のトライが今日である。

同行する息子さんの相棒は普段使いのMTB。
昨日、輪行パッキングの予行演習をして、準備はバッチリ。
サス付きだから少々重いが、運動部の所属だから大丈夫だろう。

6時30分、駅に集合。
本格的輪行サイクリングに備え、若だんな親子ともども、ウェアから輪行袋から、
相当な力の入れようだ。 きちんとヘルメットも持っている。
スポーツサイクリング入門者としては100点満点。

それぞれに相棒の輪行パッキングを始める。 輪行袋が真新しい。
 MTBの輪行パッキング

MTBは本格的な輪行パッキングなので時間がかかるが、
それでも予行演習が効いたか、手際よく準備完了。
予定の電車より早いのに乗れそうだからまったく問題ない。
 輪行準備完了の図

それでは、いざ相棒を連れて電車に乗ろう。
駅の改札を通るときは慎重に。
大事な相棒が改札機にぶつかってしまう。
窓口側の広い通路を抜けるほうがいい。

慣れないうちのエスカレーターや階段利用は、相棒が転げ落ちて
誰かに怪我を負わせる危険があるから、エレベーターを使わせてもらう。
そんな大義もあるが、なにより楽、なのだ。

車内では輪行袋の置き場所や固定方法などを指南する。
すべてが初体験なのだ。

練習試合にでも向かうのか、お揃いのクラブジャージに身を包んだ
中学生、高校生でほぼ満席。
輪行袋が3つもあると、こちらもまた目立つ。
興味深そうな視線を感じる。

40分ほどで久里浜駅に到着。
電車に乗るまでの注意事項を反復しつつ改札を出る。
駅前で相棒を組み立て、久里浜港へ。
パッキングよりも組み立てるほうが楽だけれど、コツは掴んでもらうしかない。

今回の輪行初体験企画は、東京湾フェリーで船旅もできる豪華版。
フェリーでも輪行袋に入れて持ち込めば、携行荷物扱いでタダなのだが、
パッキング・組み立ての面倒を嫌って、自転車料金を払うことにする。
 東京湾フェリー 久里浜港

出港時間が近づき、ツーリング仕様の大型バイクに混じって車より先に乗船。
我らの相棒は車両甲板の手すりに固定してもらうことになる。
荷役は船員さんの仕事だから、相棒も預ける格好になるのだが、
相棒を大事にしたいなら自分でやらせてもらうのも手だ。
 船内で自転車を固定

きちんと固定して乗船完了、でまだ車が乗ってきていないから、
すいているうちに見晴らしのいい上部客室のいい席を確保する。
 親子でツーショット

8時40分。 定刻どおり出港。
銅鑼こそ鳴らないが、船出にはぐっと来るものがある。
 金谷まで40分の船旅

40分の短い船旅だが、その間に今日のコース、走行時の注意などを説明。
とにかく安全第一。 心構えが肝心だ。
少し霞んでいるが、東京湾越しに富士山が見える。 安全祈願。
 遠くに見える富士の山

金谷に到着して、いよいよ走行開始。
まず127号線を北上するが、交通量はそこそこ、しかも大型ダンプが走っている。
休日だから業務用の大型車両は少ないと思っていたが、頻繁に通るのには参った。
注意しながら走って、上総湊の手前で465号線に併走する裏道に入る。
ここまで30分。

さすが裏道、ぐっと交通量が少なくなって走り易い。
秋空と秋風のなかを快走する。

関尻付近で88号線に入り南下し、戸面原ダム(とづらはら)を目指す。
標高差70メートルの登りは、まだ余裕があるようだ。
関尻から30分ほどでダムに到着。 長めの休憩をとる。

湖水は先日の台風のためか土の色をしているが、
それでもヘラブナ釣りのボートが出ている。
 戸面原ダム

ここは路線バスの終着地であり、始発地でもある。
ポツリと停まったバスがいい雰囲気。
 戸面原ダム バス転回場

ダムからさらに70メートルの標高差。
今日のコースの最高点、標高170メートルの木之根峠へ向かう。
さすがにこの登りは少しきついか。
30分ほどで登り詰めて一息入れる。
そして下りの快適なこと。 これが峠越えの魅力なのだ。

金束の交差点で34号線に入り西行。
こまめに水分補給してきたおかげでボトルの残りが少なくなってきた。
小さな雑貨屋で補給しておく。

ここから目指すのが大山千枚田。
農林水産省指定「日本の棚田百選」にも選ばれている。

平塚入口の交差点から20分で千枚田に到着。
静かな山間の棚田、を期待してきたのに、近づくにつれ
カラオケらしき音が大きくなってくる。
今日は棚田のイベントのようだ。
 大山千枚田

ここでは375枚の田んぼがすり鉢状の山肌にへばりついている。
これは壮観だ。 田植え前や稲刈り前ならもっといいかも知れない。

全景が見える休憩場所で昼食にする。
若だんな親子は奥様手作りのお弁当。
私はコンビニおにぎりとコンビニ唐揚げ。
うーむ。 家庭内事情が垣間見える。
ともあれ、ストーブでお湯を沸かし、レトルトだが豚汁、食後のコーヒーをのんびり楽しむ。
 大山千枚田で昼休憩

1時間ほどたっぷりと昼休憩。
ここからは帰路ということになる。
平塚入口の交差点に戻って再び34号線(長狭街道)を西行。
今日2つ目の峠、横根峠(標高150メートル)に向かう。
この峠登りは少々きつい。

若だんな、食後にもかかわらず、少々バテ気味である。
私も久しぶりの走りで、脚にきているのが判る。
息子さんのほうはいたって元気。
やはりティーンエイジャーの体力には勝てない。

千枚田から30分ほどで峠に到着。 越えればまた快適なダウンヒルだ。
木之根峠からの下りはあっと言う間に終わってしまったが、
このルートの下りは道も広く、交通量もさほどなく、長い時間楽しめる。
疲れた脚にはちょうどいい。

保田の交差点で左折し、保田漁港に寄り道。
漁協直営のみやげ物店があるので、干物と塩辛を購入する。
金谷港までの127号線は要注意だ。 レジャー帰りの車で混雑している。

金谷港15時着。 これで周回ルートが閉じたことになる。
15時25分のフェリーに乗船できる、いいタイミングだ。
若だんな親子も満足そうな笑顔である。

行きと同じように、ツーリング仕様の大型バイクに混じって乗船。
帰りは船が違い、上部甲板が自転車置場だった。
 帰りの自転車置場はオンデッキ

帰りのフェリーでは海風にあたりながら、少々反省会。
と言っても無事に走れたことだし、次回への期待ばかり。
 自転車仲間入り

16時、久里浜港到着。
気を抜いて事故に遭わないよう、慎重に久里浜駅まで走り、
朝、相棒を組み立てた場所で、輪行パッキングする。

17時30分、地元駅に到着。
ここでも朝と同じ場所で相棒を組み立てる。

一日たっぷりと、輪行初体験企画。
無事帰着できて私も大役を果たせました。
次回はまた別なルートで楽しみましょう。

輪行に峠越え。
洗礼を受けて二人とも輪行サイクリストの仲間入りだ。

本日の走行距離:60キロ

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