富士見山林道
2004年5月3日(月)
昨日の朝、突然ツーリングのお誘いがあった。
予定もなかったし、天気も良さそう。 二つ返事でOKする。
ところが朝、道路が濡れている。 外へ出てみると霧雨だ。
『雨が降ったら走らない』のがまっとうな(?)サイクリストなのだが、
この状態は微妙なところ。 走らない決断をするには中途半端だ。
目的地の天気予報は曇り。 ここから50キロほど北にある。
ここも天気予報では曇りのはずなのだが、海沿いの湿った空気が雨になっているのだろうか。
とにかく、もう一人の輪行サイクリストを迎えに新富士へと向かう。
車のフロントグラスに当たる雨が音を立てる。 降りが強くなってきたようだ。
品川から新幹線輪行でやってきたDさんを予定どおりピックアップ。
メンバーが全員揃ったところで鳩首会議となる。
本命は、身延の少し北にある中富町だが、現地でも雨が降っているようなら、
山梨あたりまで足を伸ばしてみることになった。
富士川に沿って県道10号を北上していると、身延の手前で突然路面が乾いた。
雲が切れて薄日まで射している。 どうやら山梨まで行かなくてもよさそうである。
と言うことは、今日のメンバーに雨男は居ない、ということか。
皆さん、日頃の素行がよろしいようで。
富士川の支流、早川にかかる早川橋に近い駐車場に車をデポ。
それぞれに準備を始める。 輪行組はここで組み立てだ。
見れば今日のメンバーの愛車はみんな泥除け付き。
雨の中走ることを期待していた訳ではないだろうけど。
デポ地
移動に時間がかかったので、11時20分スタート。
今日のリーダーSKさんによれば、昼休憩は山の上の集落。
遅めの2時頃になるそうだ。 距離の割に時間がかかる。
県道37号を少し西へ走って、短いトンネルを一つくぐる。
橋を渡って対岸へ。 数本の導水管は水力発電所だ。
左手には木々の間から見える早川の流れ、右手には緑濃い山際が迫る。
川に沿う道は、雰囲気は良いが、ガレや枯れ枝が多い。
用心しながら走っていると、後ろを走るDさんのロイヤルノートンが悲鳴を上げた。
フロントに枯れ枝を巻き込んで、マッドガードが無残に折れ曲がっている。
ホイールは無事のようなので、曲がったマッドガートを取り外し、ロードスタイルになる。
手際よく対応するあたり、さすがベテランである。 使う工具にもこだわりがある。
ロイヤルノートン号 フロントマッドガード折損!
10分ほどでトラブル対応完了。
榑坪(くれつぼ)の集落から登りが始まるが、このあたりの標高は300メートル。
ここから標高700メートルまで登るのだから、勾配はきつい。
登り坂嫌いのSさんは、早々と押しに入る。
登り坂は押すのぢゃ!
健脚隊のベテラン3人組はそんなことにお構いなし。
どんどん先へ行ってしまう。 Hさんの笑い声がよく聞こえる。 余裕だ。
あまりにちぎれすぎるのも少々心配。 Sさんを待つことにかこつけて、
自分も写真撮影を兼ねては立ち止まる。 山の空気がうまい。
山の緑と空の青、そして白い雲
七面大明神で健脚隊と合流。 このあたりは標高480メートル。
まだ6キロほどしか走っていないが、なかなかにきつい。
ここまでで1時間ほどかかっている。 山の上の集落まではあと10キロ。
このままSさんの押しモードが続いてちょうど2時頃になる。
こうなることを読んでいたか。 さすがリーダー。
まだまだ先は長い(七面大明神そば)
長めに15分ほど休憩をとった。
ほんの気持ちだけ、勾配も緩やかになって、1キロほど走ると
前方にゲートが見えるが、林道のゲートにしては厳重すぎる。
フェンスには東京電力の施設を示す看板。
地図で見ると、下にあった発電所用の貯水池へつながる道のようだ。
東京電力専用道の入り口
さらに1キロほど走ると、道路を遮るゲートとそれに連なるフェンス。
フェンスには電柵線まで張られている。 猿害対策のようだ。
ここは笹走の集落。 標高600メートル付近。
笹走の集落は猿害防止の電柵線に囲まれている
閂を開けて中に入り、ぐるりと見渡してみると、フェンスに囲まれて数軒の家と農地がある。
山の中の暮らしも大変だ。 出るときもゲートを通り、ようやく富士見山林道に行き当たる。
林道はアップダウンをしながら、少しずつ高さをかせいでいく。
笹走の集落を抜けて富士見山林道に入る(進路は右)
先行する健脚隊
ところどころで見晴らしの良い場所がある。 眼下に広がる景色がいい。
登りのつらさも吹き飛んでしまう。
早川の流れを眼下に望む
富士見山トンネル これを抜けてもうひと登り
富士見山トンネルを抜けて、最後の登り。
1キロほど走ってようやく昼休憩地、堂平の集落に到着した。
ここまで16キロ。 なんと3時間近くもかかった。
集落にある寂遠寺の境内を借りて昼食にする。
ここは4度目というリーダー氏、のら仕事に向かうおばあに声を掛けられた。
『前も来たねえ。 顔覚えてるよ。』 他愛もない会話にゆったりと時間が過ぎていく。
近くまで引かれた山水を沸かしてコーヒーを飲む。
寂遠寺
帰路についても鳩首会議。
全員一致で距離が短いほうになる。
時間が遅いこともあるが、下り道は概してつまらないものだ。
標高700メートルから、前につんのめりそうな坂を駆け下りる。
途中の句碑の里には1000基以上の句碑があるという。
中富町の観光名所でもある。
墾田の千本桜も有名だが、花の季節は終わっている。
山の引き締まった空気がゆるくなっていくのを感じる。
ブレーキレバーを握る手もダレてくる。
木造校舎を見つけて小休止。
廃校を利用した、なにかの施設になっているのだろうか。
現役のようである。
木造校舎の小学校跡 なつかしい
52号線に出ると、ずいぶん車が多い。
車と排気ガスを避けて富士川橋から対岸に渡る。
静かな裏道を走って、飯富橋からからふたたび52号線に。
車はさらに多くなって、ついに渋滞している。
それを横目に、410号線に入って早川橋へ。
左折してデポ地に無事帰還である。
本日の走行距離:29km(疲労度は60〜70km相当)
本日の同行:Dさん、Hさん、Sさん、SKさん
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