天竜スーパー林道


2004年4月25日(日)

今日は春野町主催の森林感謝祭メインイベント。
会場は、天竜スーパー林道沿いにある『天竜の森』だ。

昨日、この森林感謝祭のタイアップイベントであるサイクルツーリングに
泊まりで参加した面々は、昼の弁当に誘われて参加することになっている。

キャンプ場(勝坂神楽の里)から車でも1時間ほどかかったが、
標高150メートルの久里崎橋からの道は、ただただ急勾配の登り坂。 
とても自転車で登る気にはならない。
ここは標高1200メートルほどのところにあり、車を降りると肌寒さを感じるほどだ。

弁当を待つ間、せっかくだから天竜スーパー林道をつまみぐいしてみることにした。
同行は焼津のKさん。 清水のSKさんは主催者側のイベントに参加するのでNG
Sさんは家族サービス。 昨日も一緒だった大学生達はイベントの手伝いに借り出されてしまった。
手持ちの10万分の1道路地図を見て、山住峠とその先にある『カモシカと森の体験館』までの
往復コースにした。  距離は片道10キロほどか。

森林感謝祭の開会式が終わってから走り始める。
いきなりの下りは、福沢方面へ下る林道との分岐まで続く。
峠に向かって北上するのだから、当然登り道だろうと覚悟していたので拍子抜け。
指きりグローブから出た指先が風で冷たくなる。
右に曲がってスーパー林道を行く。
登りが始まった。 途中左手に見晴らし台のようになっている場所があり、
目の前に大パノラマが広がっている。 思わず感嘆の声が出てしまう。

 もっと空気が澄んでいれば・・・

道はまた下りになり、また登りになる。 起伏が激しい。
下りの風は冷たく、登りはペダリングで汗をかく。
体感温度の変化も激しい。

さらに進むと突然のダート。 この先は未舗装路なのかと良く見れば
土砂崩れで部分的に道が埋まっているのだった。

 土砂崩れの跡が痛々しい

少しの間、登りが続くが、また下りになる。
起伏は激しいが、どうも下りの割合が多い。
峠に向かって下っているのか? この道は。



だんだんと下りがきつくなってくる。
この勢いで下っていくと、帰りはかなりの登りになる。
行きは良い良い、である。
佐久間町と水窪町の境を示す看板に『かろう峠』という標識があった。
漢字では『家老』と書くらしい。 手持ちの地図には載っていない峠だ。

 かろう峠

ダウンヒルの様相を呈してきた林道をさらに下って行くと、
道が開け、分岐点がある。 どうやらここが峠らしい。
正面に山住峠の碑が見える。
右手の奥に見える杉木立が山住神社だろう。
ここまで約12キロ。 45分かかった。
神社のほうへ進むと茶店も見える。 
山の中にあって、ここだけぽつりと生活の匂いがする。

 山住峠

山住神社の境内には樹齢1300年とされる杉の巨木が2本、御神木として祭られている。 
高さ40メートルにもなる古木は威風堂々、まさに屹立している。
この樹齢は伊勢湾台風で倒れた他の木の実測によるもので確かなもの。

1300年前の和銅2年(709年)に植えたものとされるらしいが、
歴史の教科書で言えば、飛鳥時代の終わりから奈良時代に移る頃。
大宝律令の制定(701年)、和同開珎(かいほう)(708年)、平城京遷都(710年)という
おなじみの出来事と時代を同じくしているのだ。

山の仕事は百年単位と言うらしいが、この木はまた特別だ。
何を見てきたのか聞いてみたい気がする。
説明板によれば、この樹齢にして、まだまだ勢い旺盛ということらしいので、
あと1000年は元気でいてもらいたい。

 山住神社

次の目的地、『カモシカと森の体験館』へ行こうかとKさんと合議するが、
ここまでの下り、すなわち登って帰ることを考えて引き上げることにする。
帰りは1時間くらいかかりそうだ。

 山住峠から帰り道

帰路、覚悟はしていたが、ハードな登りが続く。
昨日も山登りをしているので、脚がへたっているのがわかる。
何度か休憩を入れ、あえぎながらペダルをこぐ。

だが、良いこともあった。 林の中に鹿を見ることができたのだ。
2頭いたが大人のようだった。 角は無かったと思う。
残念ながら写真を撮る間もなく、林の奥へと走り去ってしまった。

 天竜の森

予想どうり1時間ほどで天竜の森に到着。
峠に向かって下り、帰路に登りという変則コース。
きつかったが、尻切れトンボのような終わりかたでどうも落ち着かない。
やはり登ったからには下りたいが、今日はこれで終わり。

ほんのつまみぐいの天竜スーパー林道。
いずれ全線53キロの走破は・・・考えないことにします。

山菜たっぷりの味噌汁が付いた弁当を食べて、午後はのんびりと過ごす。
順次散会で、皆さん2日間お疲れさまでした。

本日の走行距離:23km
本日の同行:Kさん

帰りもSKさんの車に乗せてもらう。  途中天竜二俣駅に寄り道する。
駅から少し離れた車両基地に、扇型車庫と転車台、運転区事務所が
『鉄道の原風景』として国指定の登録有形文化財に指定され保存されていた。
間近で見学できるとは知らなかった。


 天竜二俣駅構内



記録トップページに戻る


トップページに戻る