日光から足尾、そして神戸


2004年4月11日(日)

自転車も好きだが鉄道も好き。
だから輪行となるのだが、今日はわたらせ渓谷鉄道に乗るのも目的の1つである。

地図を見ると、日光側から122号線を走ったほうが良さそうだ。
下りが長くなるようなルート設定もセオリーのうちである。
足尾を過ぎれば、わたらせ渓谷鉄道と併走するようになる。
疲れたところで輪行すればいい。

東京から東北新幹線を使って宇都宮まで行く。
日光線の乗り継ぎに30分以上の時間がある。
駅そばを食べる。
地図を見ていて、日光のひとつ手前、今市から日光の間に
杉並木があるのに目が留まった。 走ってみよう。

 宇都宮駅

今市から5分も走れば杉並木(正確には日光杉並木街道と言う)が
始まるのだが、街道内は車が通らない。
ゆったりした道を静かに走ることができる。

 杉並木街道の始まり 車は並木の左(119号)をいく

 日光杉並木街道

杉並木街道に沿うように、杉並木公園が整備されている。
小さいながらも、流れのしっかりした川が通って水車も回っている。 
復元された民家などもあり、雰囲気はいい。
復元民家 復元水車
杉並木公園
杉並木街道を抜けて再び119号に合流、しばらく行くと日光駅前を通過する。
レトロな外観のJR、山小屋風の東武、どちらも個性的である。
JR日光駅 東武日光駅
日光橋の下を流れる大谷川の流れは澄んでいる。
杉並木街道側溝のせせらぎ、杉並木公園内の小川。
どれも水が綺麗だ。

ここから道は120号線になる。
細尾の細尾大谷橋(ほそおだいやばし)まで、今市からずっと上りづめだが
斜度はそれほどではない。 フロントアウターでここまで来た。

 遠くの山(男体山)にはまだ雪 (細尾大谷橋から)

橋を渡ってすぐ、平らな直線道路が延びている。 道は122号線になった。
気分よくスピードを上げて走っていたら、道路脇の木立に隠れるように警官が見える。
さらに三脚の上に乗った集音マイクのような機械。
スピード違反の取り締まりだ。
こんなところで、と思いながらしばらく行くとパトカーにテント。
結構捕まっている。

 スピードの出しすぎに注意しましょう

直線区間を過ぎると勾配がきつくなる。
今日最大の難所、日足トンネル(にっそく)が見えてきた。
このトンネルは全長2765m、前回通った鷹ノ巣山トンネル(1267.5m)の倍以上ある。

 恐怖の長大トンネル

時速15kmで走っても11分。 途中に一箇所、退避場所まである。
さすがに長大トンネルだ。
交通量はそれほど多くはないが、トンネルが長いだけに恐怖感はいつもの3倍くらいか。

トンネルを出て数百メートル走ったところに、日足トンネルの上にある
細尾峠を越える峠道への分岐点がある。
大げさなほどしっかりした案内板がうれしい。
使われなくなった道は忘れ去られていくのが常なのに。

 峠道は通りませんでした

トンネル出口からは下り一方。  道幅は広く、走りやすい。
足尾鉱山の観光案内が一里塚のように現れる。
田元の交差点を直進し、旧道沿いに往時の市街地へ向かう。

ほどなく右手に木造の小さな駅舎が見える。 足尾駅だ。
駅前の小さな桜の木が満開で春爛漫である。

 足尾駅駅舎

構内に留置され、色褪せた客車との対比がもの悲しい。

 足尾駅構内

通洞駅(つうどう)を過ぎて、足尾銅山に到着。
トロッコ列車で鉱山内部の見学もできるが、外から見るだけにする。
精錬所からタレ流しされた鉱毒による渡良瀬川の汚染、亜硫酸ガスによる森林破壊。
負の遺産の回復作業は今も続いている。

 足尾銅山はトロッコ列車で見学できます(大人800円)

銅山から30分ほどで草木湖の北端にかかる。

 沢入(そうり)付近で

南北に長い湖のほぼ中央には朱色も鮮やかな草木橋。
南端には草木ダムがある。

 草木(くさき)橋から草木湖(ダム湖)を望む

草木湖は草木ダムによってできた人造湖である。
このダム、当初はごうどダムとして建設を始めたが
水没地区の名前に改名され、草木ダムとなったのだ。

まだまだ陽は高いが、そろそろ帰路に着くことにする。
わたらせ渓谷鉄道も、桐生からの両毛線も本数が少ない。

神戸駅に向かう。 『こうべ』ではなく、『ごうど』と読む。
沢入を『そうり』と読んだり、地名の読みは難しい。

その神戸駅、足尾駅ののどかな雰囲気を期待していたのだが、
駅前には大型観光バスが陣取り、何やらウォーキング大会の解散場所に
なっているようである。
カブスカウトの団体も活動を終えたと見え、時ならぬラッシュである。

時刻表を見てみれば、14時37分の次は16時07分である。
時計は14時15分、ちょっとあせり気味に相棒を分解する。

 行楽ラッシュのごうど駅

混雑したホームに相棒と向かうが、狭いホームから人がこぼれ落ちそうだ。
足尾あたりからこの調子で乗客を運んできたら、とても乗り切れない。
ちょうど駅に着いた足尾方面への下り列車は、ガラ空きの2両編成。
当然上りも2両編成だろう。 大丈夫か心配になってきた。

 阪急カラー(?)のわたらせ渓谷鉄道

間もなく、アナウンスも何も無く、気の抜けた汽笛とともに2両編成の列車が到着。
幸いにも車内はガラ空きで、積み残しの心配は無いようである。
ホーム上の全員が乗り終わる頃、おもむろに相棒を連れて乗り込む。
終点まで立ちんぼを覚悟したのだが、途中の大間々(おおまま)で
ほとんどの乗客が降りてしまった。
大間々から桐生までの20分、ローカル線ののんびりした雰囲気を味わう。

桐生での両毛線、次の列車まで30分の待ち合わせ。
小山でまた30分の待ち合わせだ。
まあこれも輪行旅ならでは。
帰路の待ち時間には。。。飲むしかないでしょ。

本日の走行距離:51km
本日出会ったサイクリスト:2人

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