掛川から森へ


2003年11月15日(土)

今日は言ってみれば移動日。
掛川の北にある森町まで行く。 『森の石松』の森である。

地図を見ながらどうやって行くか考えた。
 1.大井川鉄道の家山から峠を越えて入る
 2.東海道線の掛川から入る

大井川鉄道はこの夏に神尾駅附近で土砂崩れが発生し、未だに復旧していない。
横岡に臨時駅ができ、福用までの間はバス代行となっている。
掛川からのルートなら『天浜線』というのが正式名称ではないかというほど有名な
天竜浜名湖鉄道に乗れる。
どちらにしても輪行旅としては楽しめそうだ。 
あとは空模様次第。 今日も降水確率は高い。

夕方までに着けばいいか、という安心感もあって、いつもよりずいぶんと遅い出発。
熱海に着いたのはちょうどお昼時。 ここで豊橋行に乗り換える。

熱海までの15両編成からぐっと短くなった3両編成。
最後尾の運転室側に相棒と陣取っていたら、車掌が出て来て
『ここは荷物室になるから移動してほしい』と言う。
これは初めての体験。 幕で仕切られた臨時の客貨車に変身だ。

 なんと車両の一部が貨物室に変身 熱海からの東海道線

静岡あたりから時々細かい雨が降ったり止んだり。
峠越えはあきらめたほうがよさそうだ。 掛川まで行くことにする。

金谷から菊川までは駅間距離が長く、鄙びた沿線風景とともに好きなところだ。
東海道線の線路が最後につながったのはこの金谷から菊川間だ。
1888年(明治21年)10月に最後のレールが敷設され、
東海道線は新橋から神戸までつながったのである。

掛川到着14時30分。
雨は本降りになっている。 厚い雲で夕方のような薄暗さ。
晴れていればここから自走してもいいがこれじゃあ無理だ。

 激しい雨

天浜線の乗り場で時間を確認すると次の列車は15時16分発。
12時から15時台は1時間に1本しか列車が無い。
何をするでもなく、雨音を聞きながら待つ。
小さな待合室は風が吹き抜けてずいぶんと寒く、ウィンドブレーカーを着込む。
じっと座っていると寒いのでウロウロと歩きまわる。

天浜線は昔の国鉄二俣線。
太平洋戦争の色が濃くなってきた時分、東海道線の浜名湖鉄橋や天竜川鉄橋の破壊時に備え
輸送路を確保する代替線として敷設された線である。

30分ほど待ってようやく折り返しの列車が到着した。
こういう時は暖かい車内で待つほうがいい。
相棒を連れて改札を入ろうとしたところ、駅員が『自転車の持込には手回り品切符が要ります』と言う。
ここはまだ手回り品切符が要るのか。 窓口で発行してもらう。
発車まではまだ時間がある。 さっきの駅員が『何かイベントでもあるのですか?』と聞いてくる。
今日は輪行の乗客が何人かいたらしい。

 ワンマンディーゼル1両編成

 揺れが大きくて少々手ブレしてます

半分ほど座席が埋まって定刻。 ディーゼル独特の唸りを上げて出発。
単線をゴトゴトと30分ほどで遠州森駅に到着。 雨は止んでいる。
想像はしていたが完璧なまでにローカル!
地元の人には申し訳ないが、旅をしてこういう場所にたどり着くのは気分がいい。
明日はこの町をサイクリングするのだ。

 遠州森駅

遠州森駅から今日の宿まで約10キロ。
町を抜け、太田川、吉川に沿って山道を行く。
あっと言う間に暮れていく山道、雨がまた降り始め、だんだんと激しくなってきた。
闇に負けそうな単三2本のバッテリーライトの灯り。
初めての道でもあり、余計に心細くなってくる。
『雨が降ったら走らない 暗くなったら走らない』誓いは何処へ・・・。

小一時間ほど走ってようやく宿の灯りを発見。

こんな走りの後だけに、室内の電灯と暖房がうれしい。
濡れたウェアをヒーターで乾かしながら仲間を待つ。
明日の予報は午前中まで雨だ。

 手回り品切符 260円なり

本日の走行距離:11km


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