旧東海道(新居から吉田まで)


2003年8月30日(土)

先週に続いての東海道旅。
青春18きっぷもあることだし、今後の行程を考えて吉田(豊橋)まで進めておきたい。

【新居】
江戸期の東海道には箱根と新居の二ヶ所に関所が設けられていた。
どちらも厳しい『改め』と呼ばれる取り締まりがおこなわれていたが、
ここ新居は、特に『女改め』が厳しかったことで知られる。
『改め女』と呼ばれる女性取調官が『出女』とともに『入女』を厳重に取り締まったのである。

 新居の関所

新居から元白須賀へは、松並木が続く浜名旧街道を通る。
背の高い松は枝を広げ、道いっぱいに影をつくって、暑さをしのいでくれる。
ときおり遠州灘が望め、爽快に走れる道だ。

 浜名旧街道

元白須賀は、宿替えをおこなう以前に白須賀の宿があったところ。
津波のために、宿場全体が潮見坂上に移されたので『元町』あるいは『元宿』とも呼ばれる。

潮見坂では久しぶりにインナーローを使った。
あえぎつつノロノロ登る。 そういえば最近峠らしい峠に行っていない。
坂の名から海が見えることを期待していたのだが、あまり見通しがきかず期待はずれだ。

 潮見坂への分かれ道(進んできた街道は右手)

潮見坂を登りきってしばらく行くと小さな展望台があり、遠く遠州灘を見ることができる。
京都から東海道を進む場合、ここで初めて海に出会うのだ。
明治天皇行幸の際もここで休憩し、生まれて初めて大洋を目にしたと言う。
行幸という名に隠れた遷都の旅、遠く外国へ続く海に何を感じたのだろうか。

 遠くに遠州灘

【白須賀】
展望台から1キロほどで宿場の中心部。
曲尺手(かねんて)と呼ばれるクランク状の道は、軍事的な要素もあるが、
あえて見通しが利かないようにして、大名行列同士がかち合わないようにしたものだ。

 見事なクランク 曲尺手(かねんて)

宿場の狭い道筋に並ぶ家並みには、往時の雰囲気が残っている。
格子を構えたいい造りをした家も多いのだが、手入れされておらず、荒れているのが残念。

 白須賀を抜ける旧街道

宿場を抜け、1号線に合流して間もなく、県境を越えて愛知県に入る。

東海道五十三次のうち半数近くの宿場が今の静岡県内に位置している。
それだけに東海道の宿場や史跡もしっかりと整備されたところが多かった。
これから先はどうだろうか。

【二川】
交通量の多い1号線をしばらくすすんで、愛知県最初の宿場、二川に入る。
1号線から外れた宿場街は往時の名残を強くとどめており、いい雰囲気。

 二川宿の街並み

 二川宿本陣跡

【吉田】
吉田宿は今の豊橋市中心部にあたるところ。
整備された街並みに往時を感じることはできないが、各所に史跡が整備されている。
それにしても、路面電車が走っているとは知らなかった。
なんだか懐かしい風景だ。

 豊橋市内を走る路面電車

 吉田宿本陣跡と、跡地に建つ鰻屋『丸よ』(ここの鰻は美味しいらしい)

今日も曇りの予報だったのに、しっかり太陽が出て夏の一日。
暑かったが、木陰を渡る風には秋の気配が感じられた。
季節が移っていくのを肌で実感できるのは自転車旅のよさだとつくづく思う。

豊橋駅できしめんを食べ、愛知に入った気分を盛り上げて帰路に。
自転車に乗っているより、移動時間のほうが長い一日でした。

 夏場はこんな格好で走ってます

本日の走行距離:25km
本日出会ったサイクリスト:ゼロ


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