大井川に沿って


2003年4月27日(日)

5時半起床。 早起きのホオジロがうるさいくらいに鳴いている。

山のキャンプ場だけあって、明け方は冷えた。
インナーシーツにシュラフ、シュラフカバーの3段構えで下にはテントマット。 
防寒対策はバッチリのつもりだったが、もう一枚あれば完璧だったかも。

今日SK氏は引き続きイベントがあるので別れて行動する。
8時半にキャンプ場を出る。 

 キャンプ場のすぐ脇を流れる杉川

国道362号を東へ進み、久保尾辻という峠を越える。
峠まで4キロほどだが、朝からダラダラ登りはきつい。

 久保尾辻

峠を越えると下り一方。 朝の山間部は風もいっそう冷たい。
ウィンドブレーカーを着込む。
峠から1時間ほどで瀬沢の集落に出るが、途中の茶畑は見事。 
さすが茶どころ川根である。

 そろそろ茶摘どき

この瀬沢までのコース、車もあまり通らず、いいルートだ。
ときおりバイクツーリングのグループと行き会うがサイクリストとは出会わない。
周回コースをとれないので、車で来ても不便だからだろうか。

瀬沢で大井川に行き当たり、千頭方面に進路をとる。

 瀬沢から下泉橋を望む

下泉橋の上流にある中徳橋を渡り、対岸の県道を走る。  
間もなく単線の大井川鉄道、田野口駅が見える。
柵もなくホームまで近づけるとは驚いた。

 田野口駅 一応駅舎もあるのですが。 

青部付近で少し休憩していると、桜の木の上のほうでコッコッコッと力強い音がする。
きつつきだ。 背中の白い斑点でコゲラだとわかる。
そっとカメラを向けるが逃げる様子もない。
きつつきらしい絵になったところでシャッターを切る。
生き物の写真は難しいのでいつも諦めていたが、珍しい写真が撮れた。

 コゲラ

県道は鄙びた雰囲気がいい感じ。
ツーリングで大井川沿いを走るなら絶対にこちらの道をお薦めする。

青部の先、柳崎大橋に近づくと何人か鉄橋に向けてカメラを構えている。
聞くと、間もなくSLが来るということなので、一緒に待つことにする。
動くSLを見るのは中学以来のことだ。
オリンパスのペンを片手に京都梅小路の蒸気機関車館に行って以来のことである。
遠くで汽笛が聞こえる。 間もなく煙を吐き出す懐かしい音と共に、ゆっくりとSLが姿を現す。
型式はC11。 テンダー付の大型SLに比べれば迫力にやや欠けるが、単線の大井川鉄道には
これくらいの大きさがよく似合う。
あせってデジカメのタイムラグのことをすっかり忘れていた。
出来上がりはイマイチ。

 C11 312号機

千頭で先ほどのC11に追いついた。
入場券を買って、構内で写真を撮る。
リターンマッチだ。

 またC11 312号機

なつかしい香りを楽しんで、時間はまだ12時。 
千頭から輪行とも考えていたが、たっぷり時間があるので金谷に向けて下ることにする。
駅ソバで軽く腹ごしらえして走行再開。

下泉橋まで、今度は国道側を走ってみる。
連休中の割に車が少ない気もしたが、それでも雰囲気は県道のほうがいい。
下泉橋を渡り、大井川鉄道の上を通過しようとしたところ、SLの汽笛が聞こえる。
近い。 そばにいた親子の会話でも、もうすぐSLが来るのだと言っている。
3度目のチャンス。 上からのアングルでSLを狙う。
今度の出来はまあまあか。

 C11 227号機

ここから駿遠橋まで県道を走り、駿遠橋から国道で金谷を目指す。
大井川沿いの道は上流に向かっても、下流に向かってもそこそこアップダウンがあって
飽きないが、地蔵峠への登り返しは、すでに60キロ走ってきた脚にずっしりとこたえる。
インナーローで亀のごとくノロノロと登っていく。

峠の小さな地蔵堂は源頼朝の寄進により建立され、徳川の時代には東海道を通る諸大名は
必ずこの地蔵堂へ代参をたて、交通安全を祈願した。 また安産のご利益もあるという。
有り難いお地蔵様である。

 地蔵峠の地蔵堂

峠の下りは何もしなくても快速。 ただ今日のコースは下りも多くて、腕が張ってきた。

 大井川はでかい

金谷に近づくと、市街地の風景に変わる。
案内に従って金谷駅への道をすすむが、この道は旧東海道だ。
道の雰囲気がそれっぽいので、もしかしたらと思っていたが、駅の手前に一里塚があった。

 この一里塚にはまた会うことになるでしょう。

しかし、金谷駅が坂の途中にあるとは思ってもみなかった。
普段なら楽勝で登れる程度の坂だが、今日はダメ。
フロントインナーでノロノロと登るのが精一杯で、なんとか駅にたどり着けた。


ヘロヘロになってこれまでの最長距離80キロを走破。
泊りがけツーリングもまた楽しい。

本日の走行距離:80キロ
本日出会ったサイクリスト:ゼロ(バイクのツーリンググループはたくさん)


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