旧東海道(小田原から三島まで)


2002年12月15日(日)

箱根八里を相棒と越える。
今日の起点は小田原だ。
小田原に向かう列車内で日の出を迎えたが、冬の陽射しは弱々しい。
駅前で、車内のぬくもりがいくらか残る相棒を手早く組み上げる。
分解するときは駅まで走る間にキンキンに冷えていた。

【小田原駅】7:50発
駅前から少し走って国道1号線に合流。 途中わずかに旧街道を走るが、ほぼ国道1号線に従って進む。
三枚橋まではウォーミングアップコース。 適度に体も暖まる。

三枚橋から旧道(県道)に入る。 箱根路の開始だ。
ここからはもう山登りムード。 フロントインナーの軽めのギアで登り進む。
夫婦双体の道祖神が目にとまれば最初の石畳旧街道への分岐は間もない。
石畳はゴロゴロとしたハンドボール大ほどの丸い石が敷き詰められていて、とても乗っていけない。
二町(一町:約109m)の距離を押して進む。

 湯煙にかすむ

女転坂(おんなころばし)の碑から再び旧街道に入り、須雲川沿いに進む。
畑宿発電所手前で須雲川を渡るが、ここは河原の岩づたいに架けられた簡易な丸木橋しかなく、
増水時には通行禁止となる。
この日は流れこそ少なかったものの、橋はあとわずかというところで途切れ、行く手をはばむ。
向こう岸へ渡るために相棒を担いでジャンプ。 相棒よ、軽くてよかった。

旧街道への道案内は総じてわかり易い。 旧道と旧街道を交互にたどっていくが、
箱根東坂の旧街道は一旦下って上るという、ありがたくない作りが多い。 
石畳も全般的にゴロゴロとした丸い石で、表面はうっすらと苔に覆われている。
ツルツル滑って歩くのも難儀するうえに相棒を押して行くにはなお歩きにくい。
たまらずカツギで進むしかないのだが、足元は危なっかしい。

 江戸から二十三里

なるべく旧街道を進みながら畑宿本陣跡を通り、一里塚方面へと進む。
これを抜けると、いよいよ箱根最大(ということは東海道最大?)の難所にアタックすることになる。
九十九折の旧道を進むか、這うように登る旧街道を進むかのどちらかだ。
 旧道を進むなら是非とも1:1以下のギアが欲しくなるところ。
 旧街道を進むならカツギは必至。
いずれにしても箱根越えの難所を身をもって体感できる。
往時は雲助の稼ぎどころ、というのも充分うなずける。

この難所を抜ければ見晴茶屋の建物が目に入る。
ここから甘酒茶屋への登りは、これまでの登りに比べれば天国のよう。

【甘酒茶屋】10:25着
 甘酒茶屋 甘酒とあべかわを頂く。 うまい。

茶屋でしばらく休憩の後、芦ノ湖を目指す。 芦ノ湖の遊覧船乗り場まで20分ほど。

 やっぱり実物のほうが綺麗

芦ノ湖ごしに富士山を見て、杉並木を抜けて箱根関所跡に向かう。
関所跡はあいにくと工事中だ。
平成19年の完成を目指し、旧関所の雰囲気を全面的に再現しようとしているのだ。

【箱根峠】11:35分 通過
箱根峠は箱根新道,芦ノ湖スカイライン,熱海箱根峠線,旧道が集まる場所。
大きな交差点は、まさに場違いな印象を受ける。
苔むした石畳の旧街道と大きな交差点のギャップは大きい。

ここからは箱根西坂、静岡県に入る。
旧街道は先日の雪が残り、陽射しで緩んだ雪が足元を悪くしている。
押して進むが、雪とドロがタイヤにまとわりついてあっと言う間に太くなる。
それでも泥除けの間にクリアランスがあることに驚く。
パスハンターの実力、恐るべしである。

 雪の重みで籔がしなる。 かがんでくぐっていく。

県境を越えると、東海道の案内版や整備の雰囲気もガラリと変わる。
東海道もそれほど距離をすすめているわけではないが、各宿場の力の入れ方の違いを感じ取れておもしろい。

 冬です

旧街道の雪道は峠付近だけ。 標高を下げると秋の世界に季節が逆戻りだ。
西坂も石畳が整備されているが、こちらは平らな面をした石を使っている。
歩き易いが相棒に乗っていくのは無理。

 秋模様

旧街道を行かないのであれば、国道1号線を駆け下りるダウンヒルコース。
道幅も広く快適だ。

 富士見平から

富士見平から見る富士山は絶景。
この先も富士山が形よく見える場所がいくつもある。
つい脇見運転になってしまうのだが、富士山を見るなら静岡県側がいい、と実感する。

こわめし坂は、きちんと舗装されているがかなり急。
その昔、旅人の背負った米が、坂を登る汗と体温でこわめしになったといういわれがある。
箱根の坂にはそれぞれに名があり、往時が偲ばれる。

小田原から七里と二十町は走ってきたか。
初音ヶ原の松並木を抜け、国道1号を離れて旧街道を進めば三島宿だ。
往時の旅人は、無事箱根八里の旅を終えると『山祝い』として祝杯をあげた。

三島駅にはもう門松が飾ってあった。

【三島駅】13:40着

本日の走行距離:35キロ
本日出会ったサイクリスト:4人


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