九州に出張だ。 最終日の行き先は大分。
相棒を連れて行くつもりなどなかったのだが、調べてみると西日本最長の距離(なんと37km)を誇るサイクリングロードがある。
ここはやっぱり、レンタサイクルなんかじゃなく、いつもの相棒と一緒に走るべきでしょう。
ただ、今回の出張は単独行動ではないので、往路は相棒を担いで行くわけにもいかない。
サイクリングヤマト便,電車輪行,バス輪行,飛行機輪行といろいろ使って長距離遠征。
【往路準備編】
@サイクリングタッグ
JCAのホームページで見つけた『サイクリングヤマト便』を使ってみることにする。
JCA発行の『サイクリングタッグ』が必要らしいのだが、郵送では間に合いそうもない。
都合よく外出の機会があったので、直接JCAに行って入手した。 600円也。
A相棒の準備
パスハンターとパシフィックのどちらにするか迷ったが、コンパクトさを優先してパシフィックを選ぶ。
運送中の破損を避けるため、パーツを外してできる限り本体だけに近い状態にすることにした。
ボトルケージ、フラッシングライト(フロント,リア)、ペダル、ベル、ライト。
その上でヘッド部分に緩衝材を巻き、段ボールで養生をして輪行袋に納める。
こんなもんで大丈夫なのだろうか。
一旦輪行袋に納めてみたが、いつものことながら少々座りが悪い。 思案の末、サドル+シートポストを下から
差してみた。 再び輪行袋に納め、調子を見る。 なかなか具合がいい。
仕上げにスキー宅急便で使う、大きくて厚手のビニール袋があったのでこれをかぶせてみたが
大きさもぴったり。
Bヤマト運輸
ヤマト運輸の営業所に問い合わせてみる。
宅急便は使えない(大きさの制限を超えるため)ので、ヤマト便という一般荷物の配送料金が適用されるとのこと。
大きさ(80×60×40)を聞かれ、大分までの運賃は3,110円(集荷料(140円込))、配送には3日かかるらしい。
宅急便ではないので、配送時間指定はできないが配送日指定はできることなど、教えてもらう。
ちなみにサイクリングタッグが無くても『自転車だ』と言ってもらえば配送は取り扱いますとのことだった。
11月10日(日)に集荷に来てもらい、利用するビジネスホテル宛に配送日指定で発送したが、実際の運賃は
2,060円(集荷料込)だった。保険料100円をプラスして2,160円。
まあ安いに越したことはない。
【引取り】
11月15日(金)
今日の仕事も予定通り終わり、ホテルへ向かう。
チェックイン時に名前を告げると、『荷物が届いている』とのこと。
ホテルには事前に『自転車を送った』と連絡しておいたのだ。
見ると外装のビニール袋と輪行袋の特定の場所に数箇所小さな破れがある。
部屋に持ち込み、さっそく開梱してみる。
バーエンドバーの出っ張りが原因のようだ。 自転車側は問題なさそう。
組み立ててみるが、フレームやホイールも大丈夫そうなので一安心。
パシフィックは折り畳むと、ディレイラーにフロントホイールのスポークが押し付けられるようになるので
ここへのダメージを一番心配していたが、どうやら問題ないようだ。
2002年11月16日(土)
【メイプル耶馬サイクルライン】
翌朝いよいよ出発。 余計な荷物は宅急便で送り返してしまう。
さすがに九州。 夜明けが遅く、ホテルを出るころはまだ真っ暗。
大分発6:47のソニック2号で中津に向かう。
夜明け前の大分駅
朝早い列車なのに満席になってしまった。 座れない人も出るほどだ。
中津までは約50分。
駅前にある『メイプル耶馬サイクルライン』の看板
ここを目指して山を下る。
中津から今日の起点となる守実(もりざね)にバスで向かう。
こちらの乗客は3〜4人。 ちょっと旧型のバスはギシギシと音を立てながら山を登っていく。
中津から守実まで1時間10分ほどだ。
守実バス停からすぐ、山国町役場の近くからサイクリングロードは始まるが、看板も何もない。
このサイクリングロードは山国川沿いに走っていた耶馬溪鉄道の路線跡地をサイクリングロードとして整備したもの。
メイプル耶馬サイクルラインは中津山国自転車道の愛称なのだろうか。
下郷駅の跡を利用した休憩所
いかにも鉄道橋といった趣。
山あいを走る鉄道路線の名残がたくさんある。
景勝地『青の洞門』あたりまで、鉄道路線の名残がたくさんあって気持ちいい走りが楽しめる。
対して青の洞門から先、中津駅前までは、車道と併走することになる。
ちょっと広めの歩道を走っているという感じで、これを『サイクリングロード』と言うのは少々無理がありそうな気もする。
パシフィックにはサイクルコンピュータを付けていないので走行距離は不明だが、
・守実から青の洞門まで1時間半ほど(公称21km)
・青の洞門から中津駅前まで1時間ほど(公称14km)
といったところ。
高低差もさほどなく、中津方面から登ってもさほど苦にはならないのではないか。
青の洞門から先はサイクリングロードの道案内もぐっと少なくなる。
特に中津市街にはいると普通の歩道と一体化して、なおわかりにくい。
駅前の案内板の裏に距離が書いてある。
守実温泉
|8km
下郷宿場
|3km
耶馬溪サイクリングターミナル
|5km
平田宿場
|5km
青の洞門
|8km
三光
|6km
中津市街
【復路】
中津駅から大分空港までは再びバスを利用。
自転車の持ち込みが気になるところだが、運転手さんに尋ねると、乗客は少ないから大丈夫とのこと。
しかし、実際の乗客数が私も含めて3人だけともなると、無用な心配だったか、と拍子抜けだ。
中津駅を出発して何気なく外を見ていると、さきほど走ってきた道にちゃんとサイクリングロードの案内板が出ている。
何と守実方面に向かうときに案内板が見えるようになっているではないか。 なんとも片手落ちで不親切。
そういえば自転車道の矢印はみんな守実方面を向いていた。
中津が起点で守実が終点ということなのだろうか。
中津から大分空港に向かうバスにて
時刻表では空港まで90分の道のり。
今日は一日天気が良く、大型バスでのちょっとしたドライブ気分。
途中宇佐神宮や磨崖仏など観光地を通過する。
峠越えもあったりしてサイクリングにもいいコースのようだ。
空港に到着してビルに入るとすぐに出発カウンターがあって助かった。
羽田や福岡のような大空港だと相棒を担いで移動するのも大変。
相棒をカウンターに預けるが、特別な手続きは何もない。
手荷物を預けるのと同じだ。
ただ、預ける時に『中身が自転車なので慎重に扱ってほしい』と告げればいい。
輪行袋のまま預けた相棒だが、羽田ではプラスチックのコンテナに入って出てきた。
計ったようにぴったりと納まっていて妙に感心する。
さすがにコンベアで流れてくるのではなく手渡しだったが、パシフィックなら
飛行機旅も安心だと思った。
相棒を受け取り、担いで空港内を移動する。
10キロを支える肩に掛けたベルトがいつもより重く感じる。
京急・JRと乗り継いでさらに1時間ほど。
ようやく自宅に到着する。 本当に疲れました。
今回の遠征にパシフィックを選んで正解だった。
コンパクトで、かつ、すばやく折り畳みができるところがいい。
パスハンターであの道を快走できたら、それはそれでもっと楽しかったかも知れないが。
いろいろな手段を使っての長距離遠征。
大きなトラブルもなく収穫も多かった。
今後の輪行の幅がもっと広がりそうだ。