安達太良山 |
阿武隈川・湯川 |
〜2007年度沢開きは癒しの沢で〜 |
平成19年6月9日 |
先月末の土曜日に平標新道を登ったときに、西ゼンのスラブがほとんど出ていたのでそろそろ我々も沢のシーズンだなということになった。
しかしモコモコさんと休みが合った今回は天気予報では連日雷雨やにわか雨の予報がでている。
最初は「雨だよー、毛布と遊んでいるほうがいいよー。」とモコモコさんに訴えるが逆にモコモコさんは「いくのだー」と騒ぎ出す。
そこで郡山でおいしいものを食べるのを一番の目的にして、沢は遡行時間は短いがナメが綺麗と紹介されていた湯川にいくことにした。
ところがついでのつもりで行った湯川は癒し系の美渓であった。
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アプローチ
郡山駅7:04〜二本松駅7:28−二本松駅入口7:48−湯川渓谷入口バス停8:15
地形図
安達太良山
コースタイム
バス停8:20〜塩沢スキー場8:30〜入渓点8:45/9:00〜二俣11:20〜霧降滝下11:40〜僧悟台12:06/12:20〜入渓点13:08〜塩沢温泉13:20
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いつもは新幹線で郡山へ向かうが、
激安バスツアーを見つけた。出発まではあまり時間がないので忙しいが、格安でその日のうちに郡山に入ることができるので、郡山へは初めてのバスでのアプローチとなった。
次にまた前夜のうちに郡山に着いておきたいときはまた利用したいと思う。東京〜郡山間2100円!
このバスは路線バスではなく、(今回利用したのは臨時便なのであるが)東京駅(集合・出発場所は実際は駅から離れている)から出発するのであるが、利用者が多くバスは満席だった。
バスは快調に進み、予定よりも早く郡山に到着。
夜遅くに雨が降り始める。明日に備えて早めに休んだ。
翌朝、予定通りに二本松へ向かう。
携帯電話で天気予報を見てみると、昨日は曇りで雨の予報はなかったのが、終日雨マークになっている。
なんだかちょっとショックだが、今のところ雨は降っていないし遡行中天候が悪化したら登山道に割りと楽に逃げられる、もし遡行中止となったら二本松周辺の温泉に入ればいいやということで予定通りに行くことに決定。
二本松駅は最近あちこちの駅で行われているのと同じように改修工事の真っ最中であった。
塩沢温泉行のバスは駅から100m程歩いたところにある。
バス停まで行き、バスを待っている間に渓流シューズを履く。
我々だけの貸切となっているバスは山間部へと向かう。その内雨が降り始める。
バスの中で更にスパッツをつけ、雨具を羽織る。
そして「湯川渓谷入口」の案内が入るとモコモコさんがすかざす降りるボタンを押す。あれ?塩沢温泉で降りるんじゃないのかな?と思ったがそのまま降りてしまった。
小雨が降る中、辺りを見回すと、スキー場まで700mとある。地図を見ると塩沢温泉から歩いたほうが断然近い。
「なんだよ〜、終点で降りたほうがずっと近いよ。せっかくやる気になってたのになんだかイヤになってきたよー。」と文句を言ってしまった。
だんだん雨も収まり、周りの綺麗な緑に慰められながら歩くとスキー場に着く。
スキー場から入渓点へ向かう。道は、はっきりしっかりしたハイキングコースだが、雨のためぬかるみがひどい。
ぐちゃぐちゃいわせながら歩くと僧悟台コースへの分岐になる。このコースが湯川を横断するところから入渓だ。
入渓点には丸木橋が掛けてあった。
準備体操をして出発。
しばらくはゴーロ歩きだ。
雨が相変わらず、ぱらぱら降っているが気になるほどではない。
左岸から滝をかけて立て続けに入ってくると、最初の滝となる5mほどの滝が登場する。
モコモコさん先発で快適に越える。
次の2mほどの滝は釜をへつる途中にかかる倒木に邪魔されるが、ちょっとしたアクセントとなって楽しい。
その次の5×10m滝の釜をへつる途中に足をすべらせてしまし、へそまでつかってしまった。
結構水温が低いのでちょっとつらかった。
ここまでは滝がでてきたと思うとゴーロといってちょっと楽しい気持ちがなかなか続かなかったが、右岸に高さ50mの滝がかかっているところまできて、「もしかしてそこを曲がると三階ノ滝じゃない?」と軽い気持ちでモコモコさんが言って進むと、本当に三階ノ滝がでてきた。いままでの、のほほーんといった感じを一変させる滝だ。
写真撮影したりしてから滝に取り付く。
一段目は左から登る。難しくはなく、落ちてもドボンで済みそうだが、岩が濡れているので慎重に登る。途中残置ハーケンがあり、ここで念のためモコモコさんにはザイルを出して一度上ってきてもらう。
モコモコさんを迎えたあと一段目の落ち口まで出る。
二段目水しぶきが凄い。左を巻き気味に登ると、登山道のようなしっかりした踏み跡があり、それをたどるとあっさりと3段目の落ち口上に出ることができた。
滝上はそれまでのゴーロを忘れさせるようなナメとなり、ナメ滝もちょこちょことかかるようになる。
テンポよくかかるナメ滝を次々越えていき、大きく左にカーブすると、一気に開けたナメ地帯となる。しかも左には規模は小さいものの屏風岩がそびえている。
これを眺めながら休憩をとる。
するとそれまで雨は途中からやんでくれていたものの、どんより曇っていたのが、雲も薄くなりわずかではあるが時折日も差し込むようになった。
明るいなかナメを歩く。ナメが大きく右にカーブしたところにかかる8m滝は落ち口のところだけモコモコさんにお助け紐を出したが、快適に登れた。
気分よくナメを歩いていくと、二俣に到着だ。
二俣では登山道が横切り、これから進む右俣は10m八幡滝をかけて出会っている。
右俣は今は廃道となっているが、登山道として使われていたので八幡滝やその先のナメに鎖がかかっていた。
鎖を使わずとも八幡滝は快適に登れる。
その先もナメで気分のいいところだが、滑りやすいので気をゆるめないように歩く。
ときどきナメがナメ滝となり、傾斜はきつくないが滑ると下まで行ってしまいそうなので慎重に行く。
そういったところは登山道は少しヤブに入ったところをルートにとっているようだ。
八幡滝上のナメ滝の中では一番傾斜の強いナメ滝の落ち口手前が少しぬめっていたのでヤブを掴んで登ったところがあったものの、気を使うが至って楽しい登りだ。
そろそろ出てくるかな?の期待を裏切らず霧降滝が現れる。
霧降滝は右から巻く。廃道となった登山道がしっかりと残っているのでこれを利用する。
霧降滝上もナメが続くらしいが、これで終了とする。
また、このまま二俣まで下降して湯川沿いの渓谷道を歩いて降りるのが一番近道のようだが、いつ雨がまた降り出すかわからないのでそのまま僧悟台まで登ってしまうことにする。
途中、寝曲がり竹をいただきながらとても廃道とは思えないしっかりした道を進むと僧悟台に到着。
僧悟台にはしっかりした標識が立っている。
また、今日は到底望めないだろうと思っていた安達太良の稜線も見ることができた。
ここで沢の装備を解いて下山にかかる。
登山口までコースタイムで1時間だ。
山にガスがかかってきたので足早に行く。
昭文社の地図ではこの道が点線になっているが、とても歩きやすい道だ。
傾斜がでてきた頃から雨が降り始めたので、雨具を着る。
樹林の中なので雨もあまり気にならない。
やがて地図で水マークがある小沢を立て続けに2本渡る。
おそらく湯川に20m滝を掛けて入る沢だろう。ということは入渓点に戻れるのももうすぐだ。
どんどこ下ると、急に傾斜がなくなり、草履沼に着く。そこから間もなくで入渓点だった。
湯川を丸木橋で渡り終わった直後に物凄い雨の降り方になった。
小さい沢とはいえ、ナメの多い沢なため増水も早そうなので強い雨になる前に降りてこられてよかった。
土砂降りだが、樹林の中なので苦ではない。モコモコさんと水長沢のときの二日目のビバークを思い出すねと話しながらいくとスキー場に戻ってきた。
ここから樹林ではなく林道だが、幸い強い雨はわずかな時間で終わってくれてほとんどやんでいてくれていた。
このまま塩沢温泉まで歩いて、バスの時間を確認してからお風呂へと直行する。
塩沢温泉「湯川荘」の温泉(600円)は気持ちがよく冷えた体を温めてくれた。
バスの時刻があともう30分いや10分後だったらなあと思うようないい湯加減だった。
帰りもほぼ貸切の状態のバスで二本松駅へ向かう。どうやら雨が降ったのは山のほうだけだったらしく、道路がぬれていなかった。
二本松駅について時刻表を見ると、電車の時間まで30分近くあるので駅の近くを散歩して時間を潰す。
そして郡山では楽しみにしていたお店で打ち上げをする予定だが、開店時間まで2時間ある。
沢の行動中の2時間はあっという間だが何かを待つために潰す2時間は非常に長く感じる。
そして待ちに待った開店時間に予め調べていたお店へと向かう。
感想は期待以上のお店で、料理はおいしいことはもちろんボリュームがあり、種類豊富に取り揃えたマスターお勧めの日本酒を堪能し、幸せな気分で家路についた。
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入渓点 |
最初に出てくる5m滝 |
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三階の滝 |
三階の滝、3段目 |
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三階の滝上はこのようなナメ滝が続く |
このナメ滝を登ると・・・ |
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開けたナメとなり・・・ |
展望台となっている、屏風岩が見える。 |
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屏風岩上からはこの8m滝が見えるらしい。 |
登山道が横切る二俣にかかる10m八幡滝 |
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八幡滝上のナメ |
ナメ滝を登る |
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突如として現れる霧降滝 |
僧悟台 |
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