山域 奥只見 平ヶ岳
コース 二岐川本流(平ヶ岳先ノ沢)〜恋ノ岐川(中流部下降)〜オホコ沢
〜長いアプローチの先に見たものは・・・〜
日程 平成17年9月17日〜19日
データ 地形図;奥只見湖、平ケ岳

アプローチ

前日
東京20:24〜浦佐22:11/22:16〜小出22:25/(タクシー)シルバーライン入り口

コースタイム
一日目
 9月17日(晴)
シルバーライン入口5:00〜雨池橋5:40/5:45〜二岐林道分岐6:40〜ジョウ沢出合先(入渓)10:42〜大滝下13:35〜B.P.15:20
二日目 9月18日(晴)
B.P.6:25〜二俣7:58〜稜線10:55〜姫ノ池(池ノ岳)12:00〜白沢清水13:20下降開始13:25〜恋ノ岐川出合14:00〜B.P.15:32
三日目 9月19(くもり後雨)
B.P.6:40〜オホコ沢出合8:10/8:25〜台倉清水10:11/10:30〜登山口14:00〜鷹ノ巣14:25

前回の水長沢がとてもよかったので、この3連休をいかしてもう一丁平ヶ岳周辺の沢にいきたいなということになった。
平ヶ岳(この場合池ノ岳も入れて)に詰めあがる本流の沢では二岐川と恋ノ岐川に行っていない。
恋ノ岐川は比較的行きやすいので、水長沢の勢いに乗ってアプローチが長い二岐川に決定した。
また、折角行くので二日目はそのまま降りずに恋ノ岐川に泊り場を求める計画だ。




アプローチは以前行った平ヶ岳沢と同じで、前夜のうちにシルバーライン入り口まで入って仮眠する。

一日目
コースタイム
シルバーライン入口5:00〜雨池橋5:40/5:45〜二岐林道分岐6:40〜ジョウ沢出合先(入渓)10:42〜大滝下13:35〜B.P.15:20


前もって予約しておいたタクシーが時間通り5:00に迎えに来てくれた。
お話好きな運転手さんで雨池橋まで退屈することなく到着した。
雨池橋には3台の他県ナンバーの車が止まっていた。
ゲートをくぐって中ノ岐林道をてくてく歩く。間もなく二岐川がナメで出合う。ここから間もなくで二岐川林道の橋が見える。
橋の入り口は雑草が茂り始めていて思わず通り過ぎてしまった。
ここでモコモコさんが足に違和感があるといって靴を脱いでみると右足に小さくくつずれができている。テーピングをして出発。しかしここでしっかりとテーピングをしておかなかったのが後々大変なことになる。

林道はすぐにヤブに覆われる。朝露でびっしょりになるので雨具を上下着込む。
このヤブは長くは続かないがときどきでてくる。
手入れがされていないようだが、結構人が入るらしくしっかりとしている。
途中カモシカの足跡をみたり、釣り人のビバーク跡(焚き火跡にアルミ缶のごみを残したままだった)を確認しながら歩いていくと、やがて本流をわたり間もなくで林道終点となる。
さらに奥へと踏み跡をたどっていく。

小屋ノ沢を過ぎてしばらくで桧枝岐小屋跡にでる。
小屋は完全につぶれていた。後々この小屋についての興味深い話を聞くことになる。
小屋跡からはさらに踏み跡がかすれてくる。すぐに対岸へ渡るようになる。対岸へ渡るところはコンクリートで作った道の跡があった。ここから遡行を始めてもよさそうだが、時間短縮の為さらに踏み跡を追う。
対岸へ渡ってすぐある小沢を渡るのに一度沢床へ2mほど降りるとモコモコさんが「くつずれがどうしようもなく痛い」という。
休憩がてらここで沢装備をつけることにして、モコモコさんにはくつずれの様子を見てもらう。

モコモコさんが靴下を脱ぐと、右足のかかとが直径3cmくらいの大きさで見事に皮がべろーんと剥けてしまっていた。左足も赤くなって皮が破れ始める寸前。
「もっと早く言えばよかったのに」と思わず言ってしまった。モコモコさん本人もここまでひどくなっているとは思わなかったようだ。
がっちりテーピングをしてから装備を整えて再出発。
小沢渡ると踏み跡が不明瞭になり、完全に藪になってしまうところもあった。
強引に進むとまた踏み跡がみつかる。
歩いていくこと少しで正面と右からで沢が出合う様子が分かるようなる。ジョウ沢出合いにやっと着いたらしい。
ガイドではジョウ沢から遡行開始のようなことが書いてあるが、沢には下りずそのまま進む。
ジョウ沢出合いを見送った先に大きく崩壊したザレがあり、ここから本流に向かって下降する。

本流に降りるとすぐにゴルジュに小滝がかかっていた。最初釜に使って突破しようとしたが、水流が思ったより強かったのとなによりも水がとても冷たかったため、あきらめて左から巻いた。

ゴルジュ状は続き、小滝をよいしょよいしょで越えていくと、逆くの字滝がててくる。
ここはさっさと巻きに入る。低く巻けるので簡単だった。この滝のすぐ上に巻ー沢がきれいなナメ滝をかけて入る。滝上は急に開けて明るくなる。


ナメで中ノ岐川に出合う二岐川 二岐林道の入り口となる橋
入渓して初めての滝。右から巻いた 逆くの字滝がみえてきた
ナメで出合う巻ー沢 東黒沢を思わせるところもでてくる


わずかだがきれいな川原歩きをするとナメや渕がでてくる。さすが平ヶ岳周辺の沢だ。とてもきれいだ。
全体として明るいが、開けたところは少ない。どちらかというとゴルジュ状だが、かといって深いものではないので圧倒される感じはない。
小滝が連続するところを快適に進みぐんぐん高度を上げていくと、どーんと4段25m滝が現れる。
眺めがいいので、休憩していると後から男女2人組が現れた。
休憩中だったため先に行ってもらう。

我々も出発。右を登るが最初の2段は快適だ。
3段目は直登は無理で、すぐ脇の草つきを先行パーティーが巻いていた。待っていると時間が掛かりそうなので大きめに巻こうとしたが、追い上げられてしまいそうなので結局戻り先行パーティーと同様に抜けた。
滝上はゴルジュと草つきの斜面となる。沢自体の傾斜は緩むので例年遅くまで雪渓が残るところのようだ。
上をみると雪渓が融けた名残だろうと思われるような泥があった。
 沢が左に曲がった先にCS滝があり先行パーティーが登っていたが、苦労しそうだったので左の草つきから巻いた。巻き終わってすぐで沢がさらに左に曲がるところで右からタンスノクラ沢が入る。とても素晴らしい眺めだ。

本流は本日の核心部100m6段大滝だ。
先行パーティーが抜けるまで休憩する。このころから曇ってしまい滝の風で寒くなり雨具の上を着込む。
大滝は最初右の傾斜の緩い岩を中段まで快適に登る。続いて"くつづれ痛い"のモコモコさんにはちょっと一歩がつらそうなところもあったが、楽しそうにのぼってきた。
中段で左に渡る。そこからはホールドが乏しくなり、左のU字状のところをツッパリで登る。さらにホールドがくなったところを上がる。上りきったところで、後続の4人パーティーが大滝の下に現れたのが見えた。
次はゴルジュの中にかかる小滝だ。この小滝、釜を泳いでから滝の左にある岩にとりついて登る。
一息ついてから次の釜を持つ10mほどの直滝に取り付こうとザイルを引いて釜に入って泳ぎだすが、水の冷たさと取り付けそうもないなということでモコモコさんに引き戻してもらう。
結局左から巻いた。
この核心部を抜けるのにモコモコさんの読み通り1時間ほどかかってしまった。

大滝上は相変わらずのゴルジュだが一変して小滝群になり、快適に歩を進める。
二俣手前くらいまで行く予定だったが、日が当たらず寒くなってきたので、いいところがあったら泊ろうということになる。泊り場を探しながら行くと、一瞬谷が穏やかになって右に曲がるところに小さな川原があり、台地になっているところがあった。
みてみるとよさそうで、泊ることに即決した。
笹などが茂っていたので、山人が草刈をして整地しているあいだにモコモコさんはたきぎ集めに回る。
刈った笹を敷くとなかなかの快適な場所になった。
さて、薪があまりなさそうだったのでモコモコさんの手伝いをしようと様子を見に行くと、よくこんなに集めたなと思うくらいの薪があつまっていた。
これで寒い思いをせずに済みそうだ。
タープを張ったりしていると、大滝の下に見えた後続パーティー(4人)が現れた。
挨拶をすると、後続パーティはもう少し先に進んで泊り場を探すようだ。

再びビバークの準備にかかり、焚き火はモコモコさんにまかせてお約束の赤いきつねを作る。
焚き火は良く燃えて、服も乾かすことができて担ぎ上げた焼酎とワインを楽しんでいるとあっという間に夜も更けていく。
きれいな星空と月明かりの中明日に備えて寝ることにする。
寝心地は予想通り笹のマットのお陰で冷えることもなく快適だった。

グングン高度を上げる 4段25m(先行パーティーが見える)
大滝手前の小滝 タンスノクラ沢出合い
100m6段大滝下部 大滝上の廊下




二日目
コースタイム
B.P.6:25〜二俣7:58〜稜線10:55〜姫ノ池(池ノ岳)12:00〜白沢清水13:20下降開始13:25〜恋ノ岐川出合14:00〜B.P.15:32



よく眠れたので目覚めすっきり。
昨日は予定より早くに行動を打ち切ったので、早めに出発することにする。
コーヒーを飲んでラーメンでの朝食を済ませてから撤収に掛かる。
本当に素晴らしい泊り場だった。
服を乾かしておいたので着替えも楽だ。
モコモコさんのくつずれは相変わらずだが、昨日以上にがっちりテーピングして体操をして出発。
出発してすぐゴルジュとなりその中の小滝は左から巻き気味に越える。その先にある小滝は登れそうにないため、左の草つきを潅木帯まで上がって巻いた。

このゴルジュを過ぎると快適な小滝群をぐいぐい越えていける。
出発して1時間ほどで焚き火の臭いがしてきた。昨日先に行って泊った人たちの近くまできたらしい。
焚き火のにおいがし始めてすぐのところで、最初に会ったパーティー(2人)が出発の準備をしていた。
このBPもなかなかよさそうだ。
挨拶をして先に進むとすぐに後続パーティー4人組みのB.P.があり、焚き火にあたって朝食の時間だった。
ここもなかなかいい場所だ。
どのパーティーも楽しく快適な夜を過ごしたようだ。
二俣までは、今まで以上に快適な遡行となる。
ナメを歩いていくと、1:1の二俣につく。日も差してきて明るくてとてもいい気分だ。
地形図で確認したりしていると、2人パーティーが追いついてきてあっという間に我々を追い越していった。

二俣を左に入ると登れない滝がでてきたので左から巻く。
さらにその上にかかる滝は先行パーティーが登り終わってザイルをしまっているところだった。
モコモコさんが巻いたほうがいいというので、左のルンゼから上がり適当なところからトラバースして巻いた。
この先は問題となるところもなく、ぐいぐいと高度を上げる。奥の二俣状のところは右に入る。
ゴーロを交えながら小滝を登っていくとイチゴが出現。とても甘い。イチゴパワーで登ると水涸れ間近な様子なので、水を汲んで詰めにかかる。忠実に詰めていくとやがて窪状となり、背後には奥只見湖(銀山湖)が見えるようになる。窪がなくなると草原というより草つきになる。きれいなのだが登るにはちょっとつらいので潅木や笹を掴みながらえっちらおっちら登ると稜線にようやくでた。

いつもならここで終了だったりするのだが、これからもう一頑張りしなければいけないのがこの沢の特徴だ。
「ツガと潅木と笹の中にある石楠花がチャームポイントよ」という感じのヤブこぎを開始する。
最初は面白がっていたが、30分もたつと飽きてきて嫌になる。
途中涼しい風が吹いてくるので休憩する。ザックをおろして周りを見ると下をることができて眺めがいいオアシスのようなところがあった。
ここで体力よりも気力を回復させてヤブコギ再開始。
もうすぐ姫ノ池のはずだが、近づいていくにつれて石楠花が密生するようになりペースが一向に上がらない。

「くそ〜、ぜんぜん進まないよ」と文句を言うと、モコモコさんが「この実食べてごらん、おいしいよ」といって口をもぐもぐさせている。「こんなときまで食い物かい?」と思うが、言われたとおり口に含んでみると確かにおいしい。すこし気持ちが軽くなったような感じ。だんだんまわりが開けてきて平ヶ岳が望めるようになったので、ヤブコギももうすぐ終わるはず。
思った通り姫ノ池が見えた。見えたのだが、なかなか進まず登山者に見られながらもがいて藪から脱出。
脱出したところは登山道と反対側なので湿原をぐるっと巻いて木道に出る。

木道には4、5人の登山者がいたが、藪の中から小汚い臭いのがでてきたせいか、我々と係わり合いになりたくない様子だったので挨拶もそこそこに姫ノ池から離れて少し下った風通しのいいところで休憩する。


ちょっといやらしい
B.P.からすぐにある滝手前左岩から越える こんなところももうすぐ終わる
ここは左の草つきから巻いた 快適に登る
二俣手前のナメ きのうに続き小滝で高度を上げる
ヤブコギ途中のオアシス やっとヤブから解放された


ゆっくり休んで下山にかかる。
白沢清水まで恋ノ岐川を見ながらゆっくりだが、快適に下る。
白沢清水に着くとさきほど休憩したところで一緒になった2人の登山者がウイスキーを飲んでいた。ご馳走してくれるようなことをいわれたが、我々で全部飲んでしまいそうなくらいしか残っていなかったのでお礼だけ言って恋ノ岐川への下降を開始する。

最初は笹薮だが、下へ下へと進むと窪がでてくる。
すぐに水が湧き出して沢となる。
沢は倒木とヤブとナメが交互にでてくる。
簡単に下れるが、モコモコさんはくつずれがかなり痛むらしい。
一ヶ所降りられない5mほどの滝があり懸垂下降した(新しい残置スリングあり)他は問題なく下れる。下降の為にあるような沢だ。
懸垂下降するのが一番くつずれに応えるらしく、モコモコさんのくつずれ痛いよペースでゆっくりと下るが、白沢清水から30分ほどで本流に到着。

さすが本流らしく水量が多いが、優しい雰囲気だ。ゴルジュもでてくるが、逆にアクセントになる。
魚止め滝7mはホールドが濡れていて、下るにはちょっとしょっぱそうだったので、懸垂で降りた。
ここの懸垂でもモコモコさんはくつずれに苦しめられ、すこし進んだところでテーピングを補強した。
この補強が功を奏したのか、なかなか楽しい下降をしていると、4人パーティーが遡行してきた。
やはり大人気だよ恋ノ岐は。今晩は沢がS時に曲がる大曲がりで泊る予定だが、B.P.が空いてなさそうな気がしてきたのでその手前でも泊れるところがあったら泊るつもりで適地を探しながら進む。

癒し系の渓だが、川原がほとんどないのでなかなか適地がみつからない。1:4の小沢が出合うところがなんとか泊れそうなので目星をつけて先に進むと、釣りをしている方がいて、モコモコさんがすかさず「この近くでお泊りですか?」と聞いてくれた。
結果、どうやら我々が泊ろうとしていたあたりに泊るらしく他にも何パーティーかが泊る様子。
我々が今から行っても適地はないかもしれない。今晩雨は大丈夫そうだしということで、先ほどの小沢の出合いで泊ることにして戻る。

小さな川原があり、小沢で水を汲むことができてなかなかいいところだ。
早速設営してから薪集めにかかる。
モコモコさんが乾いた薪が集まっているところを見つけてくれたのでそこから薪をとって持ち帰ると、結構な量になった。昨夜に引き続き暖かく過ごせそうだ。
焚き火も無事燃え始めて食事の支度にかかる。
霧雨に降られたが、19:00くらいからそれも止み月がきれいに見えた。ラジオを聴くとなんでも今晩は中秋の名月なのだそうだ。
思わぬ月見酒となり、お酒が進み、服もほとんど乾いて快適な夜を過ごした。
(登山道にでてから B.P.までカメラを仕舞ったままで撮影しなかったので写真なし)




三日目
コースタイム
B.P.6:40〜オホコ沢出合8:10/8:25〜台倉清水10:11/10:30〜登山口14:00〜鷹ノ巣14:25


今日はオホコ沢まで下降してからオホコ沢を詰めあがって登山道へ出る予定。
コーヒーとパンで軽く食事を済ませて出発。
出発準備中、4人パーティーが遡行していった。
出発して30分ほどで最初予定していたB.P.に到着。10人ほどのパーティーが泊っていた。やはり下降するそうだ。そのすぐ下流には、二岐川で出会った4人パーティーのB.P.があり、焚火にあたっていた。
話を伺うと、最後まで詰めずに1887mピークとの鞍部を越えて恋ノ岐川へ下降してきたのだそうだ。素晴らしいラインだ。

さらに下降をすると、あちらこちらにビバークした跡がみられる。昨晩または一昨晩ここで楽しいときを過ごしたのだろう。
各ビバーク適地を見ていったが、大曲りとオホコ沢の中間辺りにある左岸の台地が、地面が乾いていて小さいながらも川原があり、風の影響も受けずにすみそうで一番よさそうにみえた。
癒し系の素晴らしい渓を下降すること出発してから1時半でオホコ沢出合いに到着。
出合いの台地にテント一張り分くらいのビバーク適地があるが、汚れている。なんでもっときれいに使わないのかな?とモコモコさんと文句をいいながら休憩していると、下降を始めて今日最初に出会った10人くらいのパーティーが下降してきた。このまま恋ノ岐川を下降するとのことだ。

ゆっくり休んでオホコ沢に入る。
オホコ沢の水はとても冷たい。
快適なナメや小滝をどんどん越えていける。小沢が左岸から出合うところにCS滝があるが左から簡単にいける。
3mほどのトイ状の滝には下降に使うのか新しいロープがぶら下がっている。山人はロープを使って登ったが、モコモコさんによると、フリクションが効くのでロープを使うよりもツッパリで登ったほうが簡単とのこと。
沢が右に直角に曲がるところにかかる美滝10mは左から登る。少しぬめっているが、ここにもロープが垂れていた。
いくつか小滝を越えた先の7m滝は登れないが、右から簡単に巻ける。巻きの取り付きのところにもロープが垂れていた。

これを越えてしまうと一変して渓は平坦になり、蛇行をするようになる。大きく崩壊した跡があり、倒木で沢が完全に埋まっていたので左のヤブを歩くところもあるが、快適なざら瀬歩き。
結構歩いたぞというくらいになると、1:2の水量で右岸から沢が合わさる。本流は右のようだが、地形図を見ると台倉清水へは左へ入るようだ。
左へ入るとビールの空き缶などのごみがでてきた。いやな確認の仕方だが、どうやら正解らしい。
時折ナメやナメ滝が出てくるほかはすっきりした沢でとても登りやすい。
あっという間に水場に出る。

台倉清水の標識があるところで長めの休憩をとってから下山にかかる。
登山道に出るとモコモコさんが急にペースダウン。
なんでも登山道はアップダウンがあるのと、平坦なところは逆にくつずれが痛くなるらしいのだ。
途中から小雨が降り始め雨具を着る。
モコモコさんはそのうち足を軽く引きずるようになり、途中我々を追い越していった登山者が休憩をとっていて再び追い抜いたが、そのときに「足どうかしたんですか?痛そうですね」と心配される始末。

休むと痛くなって思うように歩けなくなるとのことで、休憩をせずにモクモクと歩く。
ようやく登山口に到着。
登山口から乗車する予定でバスを予約していたが、早めに出発したのと遅いペースでも休まずに歩いたためか予定よりも早くに到着した。
バスの時間まで1時間以上あるのと、人がいて着替えをするのに困りそうなので、そのまま鷹ノ巣までがんばることにする。
鷹ノ巣の清四郎小屋の軒下をかりて着替えを済ませてもまだ時間があるので、清四郎小屋でビールを飲むことにする。

ビールを注文するとご主人が、ビールのほかにサービスで漬物をだしてくれた(もちろん自家製)。
乾杯をすると間もなくご主人がテーブルに座って我々の相手をしてくれる。
どこを登ってきたのか聞かれたので二岐川を遡行してきたこと、林道が思ったよりも雑草が茂っていたことなどを伝えると、なんとご主人から意外なお話を聞くことができた。
その話とは・・・
「今年は二岐林道は手入れしなかった。
まだダム(奥只見ダム)ができる前のこと、平ヶ岳先ノ岳に雨量計を設置することになってそのとき人夫として二岐川にはいった。
今は崩れてしまった桧枝岐小屋に泊ったこと。そのときのおかずとして岩魚を食べるのだが、魚影が濃く、釣り竿など持たず糸と針だけ持って、木の枝を竿の代わりに適当に使って岩魚を釣ったこと。」
などどれも楽しい話ばかりだった。もっと聞きたかったが、ご主人に用事ができてしまって出かけしまった。
すると変わりにお女将さんが、うちでとれたものだけどどうぞといってトウモロコシを持ってきてくれて相手をしてくれた。
トウモロコシはとても甘くて、あっという間に平らげてしまった。

お女将さんの楽しい話を聞いていると、根が生えてしまいそうだったがそろそろバスの時間。
名残惜しいが、小屋を出る。
小屋をでるとき、昨年の地震のことを話してくれた。このあたりも物凄く揺れたそうだ。
幸いにして、宿泊客に怪我はなく、停電にはならずに、水は山の水を使うので生活難民とはならなかったらしが、キャンセルが相次いだらしい。地震はこわい。
ちょうど用事を済ませたご主人が戻ってきてすぐにバスが来たのでお礼を言ってバスに乗り込む。

尾瀬口から船に乗り換え40分の船旅の後さらにバスに乗り換えて一路浦佐へ。バスに1時間20分も乗るのでモコモコさんと二人で熟睡してしまった。
浦佐でお風呂に入って食堂でお腹を満たしてから、たくさんの思い出と、おいしいボリュームたっぷりの食事で重くなった体を抱えて大満足の沢旅が終了した。

1:4の出合。なかなか快適なところでした 人気あるのも納得の美渓恋ノ岐川。癒し系です。
オホコ沢もなかなか楽しい。 10mの美滝。オホコ沢では一番大きい滝



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