山域 朝日連峰
コース 南俣〜天狗小屋(往復)
〜山人復活山行第3弾〜
日程 2004年10月9日〜10日
データ
アプローチ

東京駅6:28〜山形駅9:11/9:18〜寒河江駅9:53/車〜南俣沢出合11:00

コースタイム
1日目 南俣沢出合11:30〜竜ヶ岳の水場13:40〜雨量測定小屋15:20〜天狗小屋16:00
2日目 天狗小屋8:30〜雨量測定小屋9:00〜南俣沢出合12:30

 先月末の診察で、サッカーのフルタイム出場のような激しい運動はいけませんが、登山をする分には問題ないですよとのお墨付きをもらった。さらに、前回の蓬峠越えで多少の重荷を背負ったり、足場が悪くても時間をかけて歩けば大丈夫なことがわかった。そこで、この連休を使って避難小屋泊に挑戦してみることにする。


1日目
コースタイム;南俣沢出合11:30〜竜ヶ岳の水場13:40〜雨量測定小屋15:20〜天狗小屋16:00


復活山行第3弾として、候補に挙がったのは、月山の念仏が原避難小屋。
今年の春に悪天候と骨折が原因で行けなかったところだ。
コースは、肘折温泉〜念仏が原〜月山〜姥沢とした。普通は逆コースを取るのだろうが、下りの方が足に負担が掛かるので登りコースにした。 

念仏が原避難小屋には布団があるので、荷物を軽くできる。後輩のさいとーを誘ったところ、OKの返事。早速切符をとり、これで完璧とその日を待つだけになった。ところが・・・。なんと!!台風が来ているではないか!それも小さいが、強さが半端でないものが。毎日天気予報とにらめっこ。
結果、念仏が原は断念。理由は、肘折温泉〜念仏が原の間に沢を渡渉する(増水する可能性大)、同じコースを戻るにしても時間がかかるからだ。

さいとーに車をだしてもらえるか聞いたところ、大丈夫ですとの返事をもらったので、代替案として浮上したのが、朝日の天狗小屋である。
 天狗小屋に泊まれば翌日天候が悪くても下山のコースタイムが短いし、あまりに悪かったら、登山そのものを中止にして日暮沢小屋で宴会をしようということになった。

 朝起きると予想通りの雨。ザックカバーを着けての出発。先が思いやられるな〜。東京駅で行動食を買い込む。山形新幹線に乗り込み、大宮で満席になった「つばさ」は福島まで一気に進む。福島から在来線を通り、外の景色が良く見えるので川を観察すると増水している。これまでにも大分雨が降ったようだ。

山形駅に着くアナウンスが入る前にモコモコさんに下りる準備をするように言われ、席を立ち、前方へ移動する。
こうしておくと、モコモコさんの経験上、乗り換えが楽になるのだそうだ。寒河江駅でさいとーと待ち合わせをしてるので、山形駅で左沢線に乗り換える。今日は中学生がたくさん乗っていた。模試でもあるのかな?

左沢線は乗客や車掌さん(※左沢線は車掌さんが乗っていないワンマン運転がほとんど)のやり取りがあって面白い。 山形を過ぎると雨が小降りになる。寒河江駅に着くとさいとーが待っていてくれた。ここからはさいとーの車で大井沢へ向かう。

南俣沢出合まで順調に進み、「昼飯を食べながら様子でも見ようか?」と車の中で腹ごしらえをする。
雨は全くやむ気配がない。今回は日暮沢小屋(こちらも水洗トイレつき3階建てのとてもきれいな小屋である。)での宴会で決まりだな〜と一人細く微笑む。「こんな天気じゃ無理だな〜。さいとー」と運転席のさいとーに同意を求めようと目を向けると、何やらさいとーが雨具を着始めた。と思っていたら、今度はモコモコさんが「このくらいの雨なら大丈夫だよね〜」と爆弾発言!おいおいマジかよ!俺は一言も行くぞと言ってないのに・・・。さいとーは既に支度を始めて戦闘態勢に入っている。やる気満々だ。

山人とモコモコさん
ただ今から出発します。乗り気じゃないけど・・・。

こうして、私の思惑とは全く反対の危険な領域へ3人は踏み込むことになった。

 モコモコさんの音頭で準備体操をして出発。登山口には車が2台駐車してあった。我々のほかにも物好きがいるらしい。登り始めてすぐ尾根の取り付きになり急な登りだとおもったらすぐに緩やかというよりも平坦なところに出る。どうやらバカ平らしい。

バカ平は、雨のためぬかるみが多く、思ったよりも時間がかかる。 ぐちゃぐちゃいわせながら進むと尾根状になり、ここからはぬかるみから開放される。雨は降っているが、樹林帯のためあまり気にならない。みんな、無口になりただ足を黙々と進める。ここは前進あるのみ。

 竜ヶ岳を巻くために登山道が尾根をはずれると、今までせっかく登ったのに下るようなる。くだりになるとペースダウンするのは相変わらずだ。このような天気でせっかく稼いだ高度を下げるのは非常に辛い。 水場の小沢で水分補給をする。少し茶色く濁っていたが飲んで水分補給する。

ここからはほぼ水平な道になる。すぐに細い沢が現れるのでこれが二本目の沢かなと思ったら次から次へと現れる。どうやら雨のせいで、それらしい流れになってしまったようだ。 実際の2本目の沢ははっきりそれとわかる立派な沢だった。ここも増水していて飛び石は流れの中だが、沢自体が小さいので問題ない。 ここからはひたすら登る。早く小屋に着いてゆっくりしたい。頭の中はそれで一杯だ。

晴れていればさぞかし気持ちがいいだろうと思われるところあり、足首まではまるぬかるみに「ンギャー」と悲鳴を上げるところあり、の尾根道をひたすら進む。いくつかのアップダウンをくりかえすと雨量測定小屋に着く。

粟畑のピークを踏むものと、巻き道があるが、風が強くなってきたので、巻き道を行くことにして登り始めると、登山道は沢と化していた。水量豊富な沢の源頭をつめている感じだ。巻き道の分岐までずっとこんな感じが続く。
巻き道に入ると見事な草紅葉の草原になる。ゆっくり写真をとりたいが、吹きさらしなのであきらめて通過する。

沢の源頭を横切るための少しの下りのところで、段差があったので少し苦労した。ようやく天狗小屋への分岐に着く。分岐からすぐに小屋に着く。

小屋に着くと、男性2人が先客で既に宴会に突入するところだった。その男性2人は管理人さんで、「こんな天気でよくきたな。今日は誰も来ないと思って見店じまいすることろだったよ。2階でゆっくり休みな。」と声をかけてくれた。

荷物を下ろして早速水を汲みに行く。(小屋から20mほど先)沢の水は雨のせいで既に茶色くなってしまっていたが、自宅の水よりはずっとおいしいだろう。

天狗小屋は数年前に建て替えられたばかりのとても綺麗な小屋で、トイレも水洗だ。(管理費として一人1500円)着替えをすませて、早速宴会に突入する。さいとーは雨で濡れたせいか「寒い。寒い。」と震えていた。小屋にあった毛布とシュラフを頭から被ってようやく落ち着いた。シュラフ星人と呼ぶことにした。私もシュラフ星人になることにした。外は雨風が激しくなってきたが、丈夫な小屋はびくともせず静かだ。激しい風雨は一晩中続いたらしいが、全く気にならずぐっすり寝られた。台風は寝ている間に通り過ぎて行った。

※朝日連峰は、ここ数年で全ての小屋(道陸神峰小屋は屋根と壁の一部だけらしいが)が建て替えられて、どこを登っても快適に泊まれるようになった。
「さ、さ、寒い・・・」とカチカチ震えるさいとー
シュラフ星人!1号・2号
さいとーが勘違いしてしまうほど立派な雨量測定小屋 この扉を開くとヌクヌクワールド
もうすぐ天狗小屋。周りの紅葉が見事 天狗小屋に無事たどり着きました。

2日目 天狗小屋8:30〜雨量測定小屋9:00〜南俣沢出合12:30

 5:00に目を覚ますと、台風は過ぎたというのに外はひどいガス。風も結構強い。即決で障子ヶ岳へはいかずに往路を戻ることにする。トイレへいくと管理人さんもまだ夢の中。2度寝する。

 朝は、うどんを食べる。ゆっくりしてから小屋の中で体操をして出発の準備をする。靴をはきながら管理人さんと話をする。管理人さんによると、例年なら体育の日の連休初日は大混雑で、昨年は人があふれて土間で寝る人まで出たとか。それを考えると、私としては小屋が目的で紅葉のことは全く頭になかったので、貸切で泊まれた我々はラッキーだったか?

外に出ると、雨が降っていた。しかし、昨日と比べるとたいしたものではない。風は大分おさまっているので、帰りは粟畑のピークを踏むことにする。粟畑のあたりの紅葉はなかなかきれいだった。雨量測定小屋までの道はまだ沢の状態だったが、昨日はドドドという感じが一転してただ水が流れているという感じまで大人しくなっていた。

2階は広々としている。1階は管理人室のスペースが広く居間は狭い。 もう〜外に出たくありません。山人とさいとー
綺麗な天狗小屋 貸切でした こんなに散らかしていても大丈夫
天狗様じゃ〜
いろいろな天狗のお面が飾られている

昨日は写真を撮るどころではなかったため、写真を撮りながら歩く。時々雨が降ったりする中、急な段差がある下りでは、ほとんど登りと同じペースになって慎重に下る。水場となる沢で一息入れる。ここも平水よりやや多いくらいの水量に戻ったようだ。2本目の水場となる沢をすぎると尾根までの登り返し。足には登りのほうがいい。尾根にたどり着いてからはひたすら下る。相変わらずのペースだが、思ったより滑らないので割りと楽だ。

雨でぬかるんでいたりしたこともあり、コースタイムを大幅に上回ってしまったが、復活して初めての重荷を背負っての、しかも悪天での行動でも無事天狗小屋まで行ってこられたことを非常にうれしく思った。

大井沢温泉「湯ったり館」で冷えた体を温めてから、途中の「六十里越」という食堂で山菜そばハット付を食べる。ここのそばは注文を受けてから打つらしい。しかもどんぶりに盛られてくるのでなく、鍋に山菜がたっぷり入った汁を自分でかけて食べるのだ。ハットは、自分でそば粉をこねてからゆでて、そばスイトンにして食べた。そばでこんなにお腹一杯になったのは初めてだ。

さいとーに山形駅まで送ってもらい、満足したお腹を抱えてつばさに乗り込んで復活山行第三弾は無事終了した。

生憎の天候だが、素敵なところでした。

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